藤浪晋太郎、アスレチックスと契約合意 阪神からポスティングで米メジャー挑戦
この移籍は「確変」が起こることが前提になっている。
契約が決まったのがアスレチックスと言うところが、今の藤浪の評価を象徴している。

アスレチックスは「マネーボール」で有名なビリー・ビーンGMが長くチームを取り仕切っている。「金をかけずにチームを強くする」ことで有名になったが、既に20年も前の話。セイバーメトリクスは全30球団が導入したうえで強烈に進化しているので、アスレチックスのアドバンテージはほとんどない。

アスレチックスは昨年、30球団で最低の787,902人しかお客を集めていない。1試合当たり9,849人だ、チームはオークランドからの移転を考えているが、フリーモント、サンノゼ、ラスベガスなどの候補地が上がるものの訴訟絡みで話は進展していない。

チームは解体モードにあり、主力選手を放出する中で「お買い得品」として藤浪を獲得したと言う印象だ。

藤浪のキャリアSTATS

Fujinami


このところ成績はかなり「まし」にはなっているが、2022年の成績も一線級ではない。
藤浪は2016年を最後に長い低迷が続いていて、MLB移籍を志向するような成績ではない。チームがNPBに「トレードに出すくらいなら、アメリカに出そう。ポスティングフィーも入るし」と思ってポスティングを容認したわけだ。

現時点で先発5番手と言う評価だ。ERAは4点台で130回程度を投げれば合格点だろうが、藤浪よりずっと成績が良かった菊池雄星が苦労していることを考えても、その評価でさえも今の藤浪を考えれば「高すぎる」のではないか。

実力以前の問題として、アメリカでのコミュニケーションの問題がある。ダルビッシュ有や大谷翔平はMLB志向が強く、アメリカの野球には違和感なく溶け込んだが、藤浪はどうなのか?
野球がしたいだけで、MLBについて深く知らない状態であれば、うまくいく可能性は非常に低いと思われる。

阪神の先輩、井川慶は入団会見で中学生並みの英語力しかないことを露呈したが、恐らくはMLBの野球に挑む心構えがなかったこともあり、箸にも棒にもかからない成績でマイナー落ちした。同じような結果にならないか危惧する。

Fujinami


アスレチックスは、西武からFAで移籍した中島裕之を、メジャー昇格させることなく飼い殺しにした。スプリングトレーニングでのパフォーマンスが気に入らなければ、ビリー・ビーンGMが同様の扱いをする可能性があろう。

1年4.19億という年俸は、アスレチックス選手としては安くはないが、MLB球団が、この程度の年俸を「掛け捨て」にすることを躊躇したりはしない。

予想を裏切ってほしいと思うが、かなり厳しい予想をせざるを得ない。



NOWAR


1960~62年柿本実、全登板成績

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