恐らく1年前の今日が来るまで、当のウクライナの人たちも、明日、自分たちが住んでいる町が戦場になるとは思っても見なかったはずだ。
その点では、日本に住む我々も、台北に住む劉さんも、全く同じ感覚だったはずだ。明日も、今日と同じ日常が続き、少しうれしかったり、ちょっと悲しかったり、けだるかったり、そんな日常が続いていると思っていたはずだ。
すでにアメリカはウクライナ国境付近に集結するロシアの地上勢力がかつてない規模になっていることを察知し、バイデン大統領はかなり以前から「ロシアが本気」であると警告していた。
しかし昨年2月23日、キエフの大学生の最大の関心事は、大学の講義であったり、恋人とどこかへ行くことだったはずだ。
翌日、キエフの人たちは、斜めになって町の上空を飛びながら爆撃をするヘリコプターを見ることになった。恐らくは信じられない思いの中で、街の人々が傷ついたり、死んだりするのを目の当たりにしたはずだ。
そしてその時の大学生の中には、既にこの世の住人でなくなった若者もいるはずだ。
世界はこの日、一変した。はるか離れた極東アジアの日本でも、ウクライナの首都名前がキエフからキーウになり、ロシアは敵国になった。
しかし予想を裏切ったのは、これだけではなかった。数日ならずして陥落すると思われた首都キーウは持ちこたえ、それどころかロシア軍を撃退した。
21世紀の戦争はハイテクで、泥臭い地上戦など起こるわけがないと思われたが、ロシアとウクライナは戦車や大砲で戦い、第一次世界大戦よろしく塹壕戦も展開した。
もちろん、ジャベリンやハイマース、さらには軍事用ドローンなど最先端の兵器も登場したが、ロシアは50年も前の戦車まで引っ張りだしたのだ。
ロシアは戦線を大幅に縮小させ、ドンバス地域だけを守ろうとしているが、それでも降伏しそうな兆候はない。
ウクライナは8000人の市民が死に、10万人の兵士も死んだと言われる。侵略者ロシアは市民の死亡はほとんどないが、15万とも20万ともいわれる兵士が死んでいる。ワグネルと言う私兵が戦線に、刑務所の服役者を送り込み、大量の犬死を出している。
NATOなどの支援で最新の兵器を手にしつつあるウクライナに対し、ロシアは大量の人命を差し出して戦線を維持している。
NATO、西側諸国はすでに「ロシアを倒すにはどうすればいいか」を知っていると言われるが、ロシアをつぶすことで「核の脅威」が現実化することを恐れ、さらには中国と対峙することを恐れて限定的な支援にとどまっている。
恐らくこの戦争は70歳のプーチンと言う独裁者の野望によってはじまったが、一度始まった戦争は、どう転がっていくか誰にもわからなくなっている。
NHKのニュースが「きょう未明、中国軍が台湾島北岸に上陸作戦を開始しました。中国軍は同時に、尖閣諸島に上陸し、砲台を築いています、岸田首相は緊急閣議を招集しました」
というニュースをいつ発信したとしても、何の不思議もないのだ。「累卵の危機」とはまさにこのことではないか。

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1960~62年柿本実、全登板成績
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しかし昨年2月23日、キエフの大学生の最大の関心事は、大学の講義であったり、恋人とどこかへ行くことだったはずだ。
翌日、キエフの人たちは、斜めになって町の上空を飛びながら爆撃をするヘリコプターを見ることになった。恐らくは信じられない思いの中で、街の人々が傷ついたり、死んだりするのを目の当たりにしたはずだ。
そしてその時の大学生の中には、既にこの世の住人でなくなった若者もいるはずだ。
世界はこの日、一変した。はるか離れた極東アジアの日本でも、ウクライナの首都名前がキエフからキーウになり、ロシアは敵国になった。
しかし予想を裏切ったのは、これだけではなかった。数日ならずして陥落すると思われた首都キーウは持ちこたえ、それどころかロシア軍を撃退した。
21世紀の戦争はハイテクで、泥臭い地上戦など起こるわけがないと思われたが、ロシアとウクライナは戦車や大砲で戦い、第一次世界大戦よろしく塹壕戦も展開した。
もちろん、ジャベリンやハイマース、さらには軍事用ドローンなど最先端の兵器も登場したが、ロシアは50年も前の戦車まで引っ張りだしたのだ。
ロシアは戦線を大幅に縮小させ、ドンバス地域だけを守ろうとしているが、それでも降伏しそうな兆候はない。
ウクライナは8000人の市民が死に、10万人の兵士も死んだと言われる。侵略者ロシアは市民の死亡はほとんどないが、15万とも20万ともいわれる兵士が死んでいる。ワグネルと言う私兵が戦線に、刑務所の服役者を送り込み、大量の犬死を出している。
NATOなどの支援で最新の兵器を手にしつつあるウクライナに対し、ロシアは大量の人命を差し出して戦線を維持している。
NATO、西側諸国はすでに「ロシアを倒すにはどうすればいいか」を知っていると言われるが、ロシアをつぶすことで「核の脅威」が現実化することを恐れ、さらには中国と対峙することを恐れて限定的な支援にとどまっている。
恐らくこの戦争は70歳のプーチンと言う独裁者の野望によってはじまったが、一度始まった戦争は、どう転がっていくか誰にもわからなくなっている。
NHKのニュースが「きょう未明、中国軍が台湾島北岸に上陸作戦を開始しました。中国軍は同時に、尖閣諸島に上陸し、砲台を築いています、岸田首相は緊急閣議を招集しました」
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