いやさ、巷で話題のガーシーだ。ここで取り上げる意味があるとは思えないが、連日、この男の下品な関西弁が、目や耳に飛び込んでくるのは不快で仕方がない。
この男は、東京からお忍びできる芸能人、有名人に女性をあてがっていた。女衒同然の生業を通じて、有名人の弱みを握った。これをもとに暴露系Youtuberとして、荒稼ぎしたが、自身も詐欺まがいの事件を起こして海外に逃亡した。この人物にNHK党の立花代表が目をつけて、参議院選に立候補させて、まんまと当選させたのだ。

NHK党はもともとNHKの問題を突いて、受信料ビジネスをやめさせることを目的に立党したワンイシュー政党だが、それがいつの間にか、社会の吹き溜まりに引っかかった曰くのある人物を「政治家」に仕立て上げる「際物政党」になってしまった。

民主主義国家の政治は「政治家、国民が一定の良識のもとに運営される」と言う前提に立っている。制度の抜け穴を突いたり、詐術を使って議席を得たりして、巨額の歳費を得るような狡猾な人物が、政治に参加することは想定していなかった。

NHK党はそうした「政治の抜け穴」に目をつけて、おかしな候補を次々と立てた。当初は泡沫だったが、続けていくうちに支持者が増えてきて、一人二人の国会議員を生むまでに至った。

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その背景には、これまで目に見えなかった「無党派層の中の、もっとも低次元の国民」の存在があった。世の中の動きや、社歌の問題に関心もなく、新聞も読まず、テレビも娯楽番組しか見ず、政治参加など考えたこともなかったような人々は、これまで社会にアクセスすることはなかった。
しかし、今はスマホを通じてそういう認識の人でも社会でモノを言うことができる。回転寿司で馬鹿をやる連中と同レベルだが、彼らだって世の中にアクセスできるようになった。
難しいことを言う政治家、政党はわからないが、NHK党のように誰かを攻撃するだけの政治家の言うことはわかる。誰かが困れば面白い、社会が混乱すればうれしい、と言うような無責任な連中の「受け皿」ができてしまったのだ。

恐ろしいのは「政治不信」が長く続く中「無党派層」は、最大の勢力になっていることだ。このなかのどれだけが、NHK党などに賛同するかはわからないが、NHK党には巨大なターゲットがある。おそらく日本版Qアノンである参政党ともこのターゲットを食い合うだろうが、その挙句に日本にもトランプが誕生するという悪夢さえ想起してしまう。

ガーシーは安全保障について意見を求められたときに「原爆持ってへんから日本は負けるやん」といった。小学生並みの知識しかないのは間違いないが、そういう意見が大きな声になる恐ろしさがあるのだ。

今は。モラルも理性も、闇鍋のような混沌の中に浮き沈みしている。既成政党も、我々もしっかりしないといけないと思う。


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1960~62年柿本実、全登板成績