高校野球の競技人口は、今年、13万人を割り込むはずだ。少し前まで「全国15万高校球児の代表」と言っていたが、それも言えなくなる。
大人たちは「何とかしなければ」と口先だけで言っているが、何もできていない。
なぜなら、学校も高校野球指導者も「今やっていることで手いっぱい」で、普及活動などほとんどできていないからだ。しかも高校野球は「清貧」を売りにしてきたから、先立つものがない。何もできないのだ。年に1,2回申し訳程度に野球教室をちょろっと実施したって、どうしようもない。
じりじりと高校野球の競技人口は今後も減り続ける。

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特に、元々学校数が少ない県では、県大会や県の予選が維持できなくなる。鳥取県は今、24校で予選をしている。福井県は28校、徳島県は30校。
こういう地域では、一握りの強い学校が圧倒的な勢力となり、ほぼフリーパスで甲子園に出場できる。他の学校は、試合をしてもしなくても同じになってくる。
連合チームが甲子園に出るような学校に太刀打ちできるはずがないのだ。

連合チームの公式戦は、最大でも年間3試合、それにも参加しない学校が出てくるだろう。

さらに進むと、県大会が維持できなくなる。他県と一緒になる日も遠くないだろう。昔は47都道府県全部から代表校を出していない時期が続いたが、これに戻っていくだろう。

どこかで世界最大の「野球トーナメント」である甲子園大会を見直すべき時期がやってくる。
スケールダウンすると言うだけでなく「仕組みそのものを見直す」べき時がやってくる。

しかし、高校野球関係者は、誰もそれを言い出さない。定年まであと数年の幹部は「自分が現役の間は今の体制を維持したい」と考えているからだ。

誰かが「これではいけない」と言わなければならないが、本当にダメになるまで、そういう声は上がらないだろう。

これもまた、日本の縮図だ。


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1960~62年柿本実、全登板成績