今回の韓国の敗退はある種のショックではあった。日本に大敗したのは大きいが、それ以上にMLBのマイナークラスのリーグしかないオーストラリアに勝てなかったのは相当なショックだ。
日本のファンの中には「いい気味だ」と思っている人も多いかもしれないが、隣国で文化や言葉も近しい国、野球人気も高い国が「ライバル」でなくなっていくのは、日本にとって良いことではない。

また、GroupAの主催国でもあった台湾も、監督同様2勝2敗ながら「失点率」で敗退した。
台湾プロ野球は八百長事件、野球とばく事件を何度も起こし、低迷していたが、このところ信用を回復し、レベルも上がっていた。しかし、MLB選手が1人しかいない陣容で、MLB選手が中心のイタリアやNPB選手が中心のキューバに敗退した。
台湾はコロナ前まで日本のファームなども参加する「アジアウィンターリーグ」を主催していた。この大会では、吉田正尚、村上宗隆らが活躍して注目を集めた。

この両国は国内にプロリーグがあり、それなりの観客を集めている。韓国リーグ(KBO)は1リーグ10球団、台湾リーグ(CPBL)は1リーグ6球団だ。

昨年のペナントレース結果を並べてみる。
NPB
NPB


NPBはセ・パ各6チームの2リーグ。同一リーグ5球団と25試合ずつの125試合を戦い、他リーグ6球団とは3試合ずつ交流戦を戦う。併せてシーズンは143試合。両リーグ上位3チームがポストシーズンに進出。クライマックスシリーズを勝ち抜いた2チームが7試合4戦先勝の日本シリーズを戦う。

KBO
KBO


KBOは10チームによる1リーグ制。9球団と16試合ずつ144試合を戦う。勝率5位チーム以上がポストシーズンに進出。ワイルドカード、準プレーオフ、プレーオフを経て、7試合4戦先勝の韓国シリーズを戦う。

CPBL
CPBL


昨年までCPBLは5チームによる1リーグ制。前後期60試合の2シーズン制。今季からは4球団と各シーズン15試合ずつを戦う。前後期優勝チームと2位以下球団で最高勝率のチームが台湾シリーズに進出する。前後期とも優勝チームが同一の場合、年間勝率が高い2球団が台湾シリーズに進出する。
今季から6チーム目として台鋼ホークスが参入する。GMは、CPBL広報部長だった劉東洋さん。私は台湾でいろいろお世話になった。

この3リーグの「交流戦」をすべきだと思う。

例えばシーズン開幕前の2月終盤に沖縄と台湾にチームが集結し交流戦を行う。全チームと総当たりは無理なので、NPBの場合、CPBL、KBO各6試合の12試合程度か。
できれば各チームフルメンバーで当たって「腕試し」をしてほしい。

KBOとNPBは、好勝負を演じるだろうが、CPBLは厳しいとは思う。今、ロッテが石垣市までやっている交流戦でもCPBLは毎年2試合でぼろ負けしている。

しかし、こういう形で韓国、台湾とトップリーグが野球で交流することで、全体のレベルアップを図ることは非常に重要だ。
できれば「外国人枠」もこの両リーグに関しては緩和して、人的交流も進めていくべきだろう。

日韓関係がどうのと言うのは海峡を挟んで「そういうことが好きな人」が勝手に騒いでいるだけだ。

アジア全体の底上げを図るのも、リーダーたる日本の役割だと思う。

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1960~62年柿本実、全登板成績