私、そしておそらく多くのメディアの解釈に間違いがあった。fyvcityさんのご指摘もあって、ブログを全面的に改める。ただし「要するに興行ですから…」というタイトルは変えなくてよさそうだ。
その説明について、私もメディアの発表に基づいて書いたが、実際は、こういう図で説明すべきではないかと思う。

WBC-Scke


今回だけではないが、WBCは原則として「試合の開催国が、ナイトゲームで試合をする」ことになっている。夜のゲームの方が視聴者が多いからだ。

つまりPoolAは台湾(TWN)、PoolBは日本(JPN)、PoolCはアメリカ(USA)がナイトゲームを戦う。PoolDはPoolCと同様、アメリカで行われ、開催国が出ていないので、その制約はない。

PoolAの5日目だけ台湾がデーゲームで試合をしているが、この事情は分からない。この日は日曜であり、台湾は昼の方が視聴率がいいのかもしれない。

その上で、日本がPoolBを勝ち抜いた場合、1位でも2位でも東京ラウンドの準々決勝2試合目(Q2)に来る(※)。その上で日本が勝てば、必ず準決勝の2試合目に来る。

アメリカもPoolCを勝ち抜いた場合、1位でも2位でも準々決勝2試合目に来るが、アメリカラウンドの準々決勝は、アメリカが出場する試合を時間枠に拘わらず「Q3」にする(※)。

準決勝がQ1の勝者とQ3の勝者、Q2の勝者とQ4の勝者の対戦になるのはそのまま。

誰が考えたのか知らないが、恐ろしく複雑だ。このルールがほとんど理解されていないのではないか。

今回のWBCはおそらく日本、東京ラウンドでの収益が全体の60%くらいになっている。放映権料も大きいし、入場料収入も莫大だ。
次いでアメリカという感じだ。
しかし収益の取り分はMLBと大リーグ選手会が 66%、NPBが 13% だと言われている。

この複雑なルールは、
「日本とアメリカが一番いい時間帯で試合をする」
その上で
「日本とアメリカが決勝以外で当たらないようにする」
ために設計されたようだ。

日本が準々決勝でQ2に来ることと、アメリカがQ3に来ることがガチガチに決まっているので、準決勝で両者が当たることは絶対にないのだ。そのように設計されているのだ。

IMG_2489



「要するに興行ですから仕方ないんですよ」ということだが、ワールドカップでも興行側の思惑が露出することはあるが、ここまで露骨なのも珍しいのではないか。

しかし勝負事はうまくいかないのが常だ。準々決勝でアメリカがベネズエラに負ける可能性だって十分あるし、日本がメキシコ、プエルトリコの勝者に負けることもあり得る。

そうなったら主催者はいきなり日米の「敗者復活戦」をやるかもしれない。

これは、かなり複雑な事態ではある。



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1960~62年柿本実、全登板成績