侍ジャパンが、今回のWBCで最も苦戦したのは準決勝のメキシコ戦だ。
日本は最終回まで一度もリードすることができず、最終回にようやく村上宗隆の逆転二塁打が出てサヨナラ勝ちをした。
メキシコは「あと一歩」で敗退したが、メキシコのベンジー・ギル監督は
「Japan advances, but the world of baseball won tonight.(日本が勝った。しかし、今夜の試合は野球界そのものの勝利だ)」
と言った。
メキシコのプロリーグであるメキシカンリーグは、MLBと微妙な関係にあるリーグだ。1925年に創設されたが、当初はMLBと張り合うくらいのプロ野球リーグだった。アメリカの選手を引き抜いたりしたが、その後、MLB機構に組み入れられ、AAA、つまりマイナーリーグという位置づけになった。
そうなってからはメキシコの有力な選手はMLBに行き、メキシカンリーグはMLBを引退した選手やMLBに行けない選手のリーグとなった。人気はそれなりにあるが、NPBと違ってMLBへの依存度は強い。また実際のレベルはAAAより低いとされた。
国際大会ではメキシコはなかなか実績を残すことができなかった。MLB選手の派遣を認めなられなかったからだ。そんな中で2019年のプレミア12ではメキシコはアメリカを破ってベスト4に進出した。その時の喜びは大きかった。
そして今回、MLB機構がWBCに「本気出してよし」と指令を出したことで、メキシコはアメリカで活躍する一線級の選手を招集することができた。
そのこともあって一次リーグでメキシコはアメリカを11-5で退けている。
PoolCを1位で通過し、準決勝で日本と球史に残る大熱戦を演じたのだ。
そのこともすごいが、悔しい敗戦の直後に勝者の日本を素直に讃えることができた気高さも本当に素晴らしい。
メキシコはグッドルーザーになったことで、多くの尊敬を集めた。ステイタスはぐっと上がったのではないか。
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