今日は藤浪デーにしてしまおう!正直言って、藤浪晋太郎の苦境を見るにつけ、私は胸をえぐられるような心持になっている。
彼は入団当初から見ているが、間近に見たのは2015年の春季キャンプが最初だ。当時の沖縄宜野座キャンプのブルペンはオープンになっていて誰でも見ることができた。私はこの日は取材パスは取得せずに一般客で行ったが、目の前で藤浪の伸びのある投球を見た。捕手のミットはものすごい音を響かせていたし、素晴らしい見ものだった。

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この頃はメッセンジャーとWエースでバリバリやっていたから表情も明るかった。

これは2017年の宜野座、成績は下り坂だったが、それでも一線で投げてはいた。

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藤浪は成績が良い時は褒められるが、不振になると途端に叩かれるタイプだ。才能はあるが、世渡りが下手で、人のアドバイスをうまく受け入れることができない。目上の人に気に入られるような振る舞いができない。そして自分で自分の境遇を変えることができない。

大谷翔平とはこういうところが対照的なのだ。

日本ハムの入団のときに大谷翔平向けに球団が企画書を作ってプレゼンしたのはよく知られているが、実際にプレゼンをした人の話では、大谷は一通り話を聞いたあと、何もしゃべらず、反応も示さなかったという。その眼は「わかったよ」と言っていた。
大谷は、このプレゼンですべてを悟って、日ハムに入団するとともに栗山監督の「二刀流」指令を受け入れ、指導者のアドバイスを受けながら「魔改造」に着手した。
大谷にも不本意なときがあった。NPB最終年2017年は故障で投打ともに成績を大幅に下落させた。
またMLB移籍してからはトミー・ジョン手術を受け大きなブランクがあった。
しかし、大谷はファンからもメディアからも非難されることはなかった。
そういうときでもメディアに対してはっきりと受け答えしたし、変に謝ったり、悪びれたりすることもなかった。常に前向きで、ファンや周囲に安心感を与えていた。

しかし藤浪は不振のときには意気消沈し、がっくりしてしまう。コメントも湿りがちだ。「もっとしっかりしろよ」「周囲を安心させてくれ」、と思ってしまう。マスコミ対応がへたくそともいえるが、人に突っ込まれやすい、世渡りの下手な人間に見えているのだ。
例えばコロナ禍の初めのころ、タニマチに誘われて飲食をしてコロナにかかったときも、藤浪だけが徹底的に叩かれた。謝罪をしたが、それでも収まらなかった。
大谷は飲食の誘いにはのらないだろうが、もし罹患しても爽やかに謝罪して大ごとにはならなかっただろう。

私の身近にもそういう人がいる。才能があって自分なりに頑張っているのだが、周囲に認められない。目上の人に取り入るのがへたくそで、一人で落ち込んで、孤立してしまう。端的に言えば生き方が不器用で、不細工なのだ。
私が藤浪を応援するのは似たタイプ(だと見える)人間が身近にいるからでもある。
今の成績では応援のし甲斐もないが、彼のような不器用な人間が「二刀流」に加えて「世渡りの天才」でもある大谷翔平に伍して活躍してくれれば、何か救われるような気持ちがしているのだ。

当サイトのコメント欄にも「うまくいくはずないだろうが」「ダメだと思った」的なのが来ているが、そういう声を貰いがちな選手なのだ。

極私的な思いだが、藤浪晋太郎にはどういうかたちにせよ「良く生きて」欲しいと思う。

Fujinami-Ohtani



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