パスポートの更新のためにパスポートセンターに行った。我が家の最寄では、近鉄西大寺駅前のビルにパスポートセンターがある。
去年の7月、近鉄西大寺駅と、このビルの間の交差点で、安倍晋三は山上徹也に狙撃されて命を落とした。

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道の真ん中の白い分離帯の当たりだ。狙撃時まではここにガードレールがあって、中洲のようになっていた。安倍晋三はこの中州に置かれた台の上で聴衆に演説をしていて狙撃されたのだ。

ヘリで病院に運ばれたが、ほとんど即死に近かったと言う。ガードレールは事件後撤去された。自民党の政治家の中には「安倍晋三元首相、殉難の地」みたいな碑を建てるべきと言った人もいたが、奈良市長はその意見を入れず、ガードレールを撤去しただけ。

しかし道の両側に花壇を設置した。何でもない花壇のようでもあるが、10か月前の惨劇を思うと、何かとても大きな意味があるようにも思える。

私は安倍晋三のことを、史上最悪の宰相だと思っていた。民主主義や人権を軽んじ、メディアに圧力をかけ、政権内にネポティズムを蔓延させた。そして政権維持のために統一教会と言うカルト教団とも手を組んだ。
しかし、そういう宰相であっても、殺されてよいとは思えない。彼は彼なりの使命感で政治を行ったのであり、邪悪な志があったわけではない。
彼が倒されるとすれば、民主主義のルールでそうされるべきであって、銃弾で斃れることは許されていいはずがない。
彼の死を悲しむ人はたくさんいるし、その死は、非常に残念なものだった。統一教会の悪事が露呈したことは奇貨とするが、彼が死ななければそれが露呈しなかったのは、日本の国がそこまで傷んでいるという証左になるだろう。

花壇の前に立って「しん」とする気持ちになった。人として、同じ日本人として、彼が死んでよいわけがなかったのだ。
安倍晋三を英雄視するような石碑が建てられなかったのは良かったとは思うが、惨事を知る人がこの場所に立ってなにがしかの感慨を覚えることもあってよいと思う。

この花壇の手前には、人工芝の小さな広場も設けられた。この芝の上に座って、惨劇のあった場所を見ることができることも、なにがしかの意味があると思う。

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読者各位も機会があれば一度来られたし。



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