神戸新聞
ヤクルト戦で「少年からホームランボール奪った」と非難あびた男性、顔写真や親族特定も…過熱する中傷に代理人弁護士「許されるものではない」

巨人ヤクルト戦で山田哲人の本塁打球を奪い合った男性と子供のシーンがテレビに映り、男性が「無理やり奪い取った」ように見えたことで炎上したと言う。
奪い取ったと言われた男性は、氏名から顔写真、居住地、親族までが暴露されたと言う。
ネット上には、勝手にプライベートを暴く連中がたくさんいる。何かあれば、この手の暴露の餌食になる。彼らは自分たちの正体を明かすことなく、他人のプライベートを晒していく。しかもめちゃくちゃ安易なやり方で。
こういうの、何らかの罪で捕まえることができないかと思う。訴訟で彼らの罪を追及するようだが、徹底的にやってほしい。

ただ、ホームランボールを手にした男性も、日ごろからSNSで自分の身辺を頻繁に上げていたようだ。ハンドル名もつけて「今日はここに行きました」などを紹介していた。いわゆる「リア充」を自慢していたのだろう。
世の中にはこういう人が一定数いる。そのことは、別に構わないし、ひどいことをしていない限り悪趣味とは言えないが、SNS上で自分の日常を晒すことは、きわめて大きなリスクであることは認識すべきだろう。

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顔出し写真を出す人も多いが、最近は「顔認証」がいろいろなところで使われている。自撮りして顔を世間に晒すことは、パスワードやIDを世間にさらしているのと大して変わらないということは承知すべきだろう。まして子供の顔を晒すのは、リスクでしかない。SNSは身内だけが見ているわけではない。
ある犯罪者集団が、特定の人間を狙うとして、SNSで顔写真から住んでいる場所、住居周辺の環境、家族写真までをも晒していれば、それは極めて重要な情報となる。

有名人がSNSでプライベートを晒すのは、ものすごいアクセスがあるからで、直接アフィリエイトにつながったり、ビジネスにつながったりするからだ。なんにせよ、人気商売にとって「認知度」を維持向上させることは絶対に必要だ。ただ彼らは、突っ込まれたり悪用されたりされないように、慎重に露出の仕方を考えている。それでも炎上することがあるけど。

しかし有名でも何でもない一般の人が、顔やプライベートを頼まれもしないのにアップするのは、何のメリットもない。そもそも、世間は有名でも何でもない「あなた」に興味はない。仲の良い友人はともかく、そうでない人が「好意を持って受け止めてくれる」と思うのは甘すぎる。

SNSは「仲の良い友達」だけのコミュニティでは全くない。
そのことがわからない馬鹿な若者が「回転ずしテロ」などをやらかして、人生を棒に振っているが、悪事でないにせよ「プライベート」を晒すことも、大きなリスクになっていることを知るべきだろう。

私は時々テレビでコメントをしたり、雑誌に載ったりする。顔写真を求められる時もあるが、必ず「出来れば載せたくない」というようにしている。それでも掲載されることがある。ある程度仕方がないが、ささやかでも抵抗しようと思っている。
家族の写真も名前も一切明かしたことはない。「それこそ考えすぎだろう、お前なんかに世間は興味はない」と言うかもしれないが、炎上すれば晒されるリスクがあるのだ。
11年前に私はブログで炎上したが、その時は顔を晒された。しかし家族は一切公表していなかったからセーフだった。
それ以降Wikipediaにはかなりのプライベートがこちらの了解も得ずに書かれている。勝手に書いた人間の良識、常識を疑う。Wikipediaにそんな権限は存在しない。

私の身内で顔写真を晒しているのは、去年8月に死んだ犬だけだ。それも名前は一切言っていない。

私は決して臆病すぎるとは思っていない。SNS、そしてその先に広がる「ネット上の世間」は、いい人ばかりで構成されているわけではない。我々は悪意と犯罪の海に漂っていることを知るべきだ。


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