山川の事件も、坂本勇人の事件も「選手が女性に酷いことをした」のは明らかだ。
しかし坂本について巨人は「プライベートだ」「示談が済んでいる」として問題はないとした。
また山川については、事態が動いているところではあるが西武は「事件性はないと聞いている」としている。すでに「被害届」が受理され、「強制わいせつ致傷」で事情聴取が行われているのに、そういうコメントをした。また渡辺久信GMは「捜査の推移を見守っている」といった。

要するに巨人はもとより、西武にしたところで「選手の卑劣な行為」に対し、球団として独自に判断して処分を科す気は毛頭ないのだ。「警察が問題ありとした段階で、処分すればいいだろう」と思っていることだ。

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両球団ともに「選手を守っている」つもりかもしれないが、それは球団が「人権」「暴力」「女性差別」よりも「選手の立場」を優先していることを、世間にさらしていることになる。
何故、被害者よりも選手を優先するのか?
それは、選手が「身内」だからだ。球団は「自分たちが入団時から面倒を見て、一人前になるまで育ててきた選手」という意識があるから「赤の他人より選手が大事」と思うのだ。
この当たりの感覚は、昭和の日本企業の体質そのものだ。「会社は大きな一家」「社員は家族」という意識で、日本は高度経済成長を乗り切ってきたのだ。
日本伝統のヤクザとおなじでもある。

その結果として、球団は「人権や、社会規範、社会常識」を軽んじてるという印象を世間に与えている。「やっぱりプロ野球はまともな連中ではない」と思われている。そして「ファンが大事と言っているけど、選手の方が大事なんだな」と世間から思われている。

球団とべったり癒着している新聞やテレビは、そのことについて言わないが、不祥事があるたびに、その対応のまずさ、心得違いで「プロ野球はろくなもんじゃない」と思われている。プロ野球は「先進の企業」でも「世界に通用する集団」でもないと思われている。

プロ野球界は「何かを守ろう」とすることで「何かを失っている」。そのことに気が付くのはいつのことになるのだろうか?



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