このお相撲さんは、バランスが悪いなとずっと思っていた。同じモンゴル出身でも朝青龍や白鵬とは少し毛色が違うように思った。
朝青龍、白鵬ともにモンゴル相撲の名門の家系で、ナーダムなどでも活躍しているが、逸ノ城はウランバートル郊外の放牧民の出だった。田舎者と言うこともできる。
モンゴル相撲で頭角を現したが、ウランバートルではほとんど暮らすことなく日本に来ている。

既にモンゴルと日本の大相撲は太いパイプができているし、モンゴル人が日本に順応するためのノウハウもできているが、そのノウハウを知らずに日本に来たのではないかと思う。

モンゴル時代は学校にもろくに通っていなかったので、高校の授業はほとんどわからなかった。

実は大相撲の力士が出世するうえで「学力」は非常に重要だ。ものごとの「理解力」に乏しい力士は稽古の仕方や技術を向上させることも難しくなる。貴乃花や北の湖も「相撲教習所」での成績は非常に優秀だった。

逸ノ城は身体こそ大きかったが天然のままで湊部屋に入門した。
今の大相撲では「外国人力士は1部屋1人」と決められている。相撲部屋にとって、圧倒的な体力のある外国人を確保して、これを関取にして報酬を得るのがビジネスモデルになっている。
外国人力士は「お客さん」であり、早く強くなるために特別待遇で育てるのだ。

特に小さな部屋では大相撲の習慣や力士としての心得などもろくに教えることなく甘やかす。

その結果として暴君のようになる力士もあるのだ。

湊富士は平幕で終わった力士であり、逸ノ城が出世するとともに力関係が微妙になったのだろう。
また不摂生も続き、成績は乱高下した。強いときは圧倒的だったが、弱いときはもろかった。しかし体重だけはどんどん増えて219㎏にも達した。
最近の大相撲は「八百長」は原則としてなくなり、ガチンコ一本になっていたから、不摂生な力士は勝てなくなっている。
コロナ禍でのガイドライン違反や親方夫人に暴力を振るったなどのスキャンダルもあり、ついには周囲の反対を押し切って引退するに至った。腰痛が悪化していたともいわれるし、アルコール依存症になっていたとも言われている。

湊親方とは和解していて、帰化して親方の姓を継いでいたが、突然の引退で親方株も持っていないため、いきなり世間に放り出されたような形になる。
逸ノ城は、節制しなければ生活習慣病にむしばまれるだろうし、短命に終わる可能性も高いだろう。

私は「外国人力士」の制度は、見直すべきではないかと思う。


1部屋1人ではなく「外国人力士の養成機関」のようなものを作って、ある程度日本、相撲界に慣れるまでは共通の教育を施したうえで、各部屋に預けるべきだと思う。そのうえで、待遇やルールをきちっと決めて、野放図な育成にならないようにタガをはめるべきだ。

逸ノ城に決定的に足りなかったのは「教育」だったと思う。アスリートとしての自覚に乏しく、破綻してしまったのではないか。彼を教訓にすべきだと思う。

sumo01




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