この間行ったエスコンフィールド北海道では、1階フロアに広島風お好み焼きの店が出ていた。
目の前で鉄板で焼く本格的な店だ。この球場には握り寿司を目の前で握る店もある。異例のことではあろう。

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私は関西人だから小さなころからお好み焼きを食べてきた。母は料理を作るのが邪魔くさくなると、フライパンに粉とキャベツと混ぜて水で練ったものを入れ、豚肉を置いてちゃっちゃっと焼いたものだ。適当に作っても、ソーズをぶっかければ食べられるようになる。

関西ではお好み焼きをおかずにご飯を食べるのも一般的だ。それも私は嫌いではなかった。

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同じ関西でも神戸のお好み焼きはずいぶん違う。震災(阪神淡路のことです)前まで、王子公園の前に「王子」というお好み焼き屋があった。ここは「すじ牡蠣」のお好み焼きが有名で、1000円以上したが、近くにあった「QBB六甲バター」がクライアントだったときは、何度も通った。
記事は緩くてほろほろ崩れたが、ポン酢で味変わりを楽しむのもよかった。神戸には「ぼっかけ」という食べ物がある。牛すじ肉とコンニャクを出汁で甘辛く煮込んだものだが、このぼっかけもお好み焼きに入っていたと思う。

元々お好み焼きは「一銭洋食」が起源だという。京都に「文の助茶屋」という店があるが、ここが発祥の地だという説もある。この店は「桂文枝四天王」の一人、初代桂文之助の門弟の二代目桂文之助が始めたという。40年ほど前に、この門流に当たる先代の森乃福郎に連れて行ってもらったことがある。一銭洋食はなかったと思うが。

お好み焼きと言えば、広島風と関西風ということになる。広島風はそばあるいはうどんを生地とともに挟んで焼き、平べったく押しつぶす。ただ関西にも麺を乗っける「モダン焼き」というのがあり、それほど差がないと思う。

マツダスタジアムに行くときは、広島風お好み焼きを食べてビールを一杯飲むのが習慣だったが、JR広島駅が綺麗になってからは、どの店も行列ができていて辟易する。
広島には親戚がいて「本当にうまい広島焼を食わせてやろう」と連れて行ってもらったことがある。住宅街にある小さな店で、確かにおいしかったが、そこまでわざわざ行くわけにもいかない。

広島風と関西風、そんなに差はないと思う。「おたふくソース」と「オリバーソース」や「いかりソース」も、そんなに差があるわけではない。

G7会合では、メディアや来訪者に「広島風」がふるまわれているという。ビーガンのお好み焼きも供されているようだが、誰が食べてもおいしく感じるのではないか。

私はお好み焼きは、ソースをかければ大概同じ味になると思っている。あとは生地をカリカリに焼くかふっくら蒸らすかくらいだ。「和食」というのは当たらないだろう。そんなたいそうなものではない。

広島でも関西でも誰が作ってもおいしくビールに合う、そういうお手軽グルメなのだと思う。



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