この話も何度もしているが、サッカーと野球は、リーグの成り立ちがそもそも違う。
上に掲げた「サッカーで燃える国 野球で儲ける国」によれば、リーグ戦はアメリカのプロ野球で始まったという。東海岸で始まったプロ野球は各地を転戦していたが、次第に決まった相手と戦うようになり、リーグ戦ができた。彼らは「メジャーリーグ」を名乗るようになり、これに参加していないチームを「インディペンデント」「マイナー」と呼ぶようになる。MLBは、その始まりのときから「他者を排除する」ことが基本になっていたわけだ。

このリーグ戦をアメリカで見たイギリスの関係者が、母国でフットボール・リーグを立ち上げた。そして既に存在したクラブチームに参加を求めた。その後、他のリーグと合併し、1部2部制もできた。

野球が「囲い込んで」「他のチーム、リーグを仲間に入れてやらない」体質を原始から持っていたのに対し、サッカーはたくさん仲間を増やして拡大することが基本になっていた。野球がアメリカ一国で興隆し、自分たちだけで取り仕切ってきたのに対し、サッカーは19世紀末にはヨーロッパ各国にクラブチームがあり、すぐに国際試合が始まるなど、最初からオープンだったことの違いがあるのではないか。

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サッカーの歴史については、あまり自信がないが、そういう風に解釈している。間違っていればご教示願いたい。

決定的だったのは1920年代に、カーディナルスのブランチ・リッキーが、当時、MLBの外側に存在していた独立リーグチームを傘下に引き入れたことだ。これによってマイナーリーグができた。
マイナーリーグの球団は、メジャーリーグ球団とアフィリエイト(提携)契約を結び、有望選手をメジャーリーグから預かって育成することをビジネスにした。この段階でマイナー球団は、自分たちが実力をつけてメジャーリーグに昇格することをあきらめたわけだ。クローズドリーグの完成だ。

この形がNPBでも踏襲され、日本のプロ野球もクローズドリーグになっている。

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野球のリーグではどんなに弱くても球団はずっとリーグ内に存続する。リーグへの新規参入はエクスパンションがない限りできない。
これに対しサッカークラブはオープンリーグで、弱ければどんどん落ちていく。また新規参入も随時ある。リーグ内の顔ぶれは常に変わるのだ。

野球が保守的で組織を守ろうとするのに対し、サッカーが様々な改革をするのも、クローズドリーグとオープンリーグの違いがあるからだろう。

野球のファンは「弱くても応援する」野に対し、サッカーのサポーターが「勝敗にこだわる」のもこうした体質の違いなのだろう。

そう理解している。

ただ負けたチームの選手を、サポーターがどやしつけるのは、どうなのか、そんなことしても仕方がないだろう、という思いはあるけど。これも文化の違いか。


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