「俺たちがいないとチームは成り立たない」と応援団が思っているとすれば、それはまんまと乗せられたと言うべきだろう。
NPB球団も、Jリーグも「ファンを大事にする」のが基本だ。そして応援をできるだけ派手にすることで、話題性を高めるとともに「私もあの中に入って応援したい」と思う人を増やしたいと考えている。

NPB球団は「ファンの暴走」と言う苦い過去があったから、応援団を球団で管理するシステムになっている。暴力団や反社勢力を排除するとともに「応援内容」についても事前に把握したうえで、応援団には特別の席を設けて応援させている。WBCの時はNPBが12球団の応援団に声をかけて「選抜応援団」を結成して、アメリカにも派遣している。

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Jリーグはファンではなくサポーターと呼び「ステークホルダー(利害が一致する身内)」と規定している。Jリーグも応援を「公認」して、応援を奨励している。それどころかJリーグはサポーター向けに経営情報を開示し、時には説明会を開いたりしている。

NPBでは応援団は、実質的に「公認」されている。Jリーグでは明確に「公認」されている。スタジアム内で応援することは、NPB、Jリーグ共に「正式に認められている」観戦スタイルだ。

また、NPBでもJリーグでも、多くのチーム(クラブ)ではホームゲームの方がロード(アウェー)ゲームよりも勝率が高い。これは、勝手知ったるホームスタジアムの方がプレーしやすいと言うこともあるが、それとともに「応援が選手のモチベーションを高める」と言う部分もあるのだろう。

今のJリーグやNPBでは「応援団」の応援は、試合内容にも影響を与えている。それは事実だと思う。

しかしだからと言って応援団は「一緒に試合をしている」わけではない。ましてや「俺たちの応援で勝たせてやっている」わけでもない。応援団は、天候や気温、風向きなどと同様「環境要因」として試合に影響を与えているに過ぎない。

応援団が存在しなくても野球、サッカーの試合は成立するし、選手もプレーできる。世界には、MLBのように大音量の応援がないリーグもある。

応援と言う行為は「チームのためにやってやっている」と思う人もいるかもしれないが、それは思い上がりだ。
どれだけNPBやJリーグが奨励しようとも、応援する人が「好きでやっている」、試合とは関係なく「勝手にやっている」ことは変わらない。そのことを今一度認識すべきだと思う。



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