先ほど、野球場にくるお客の大部分は「雰囲気」を楽しみに来ているから「応援団」があればうれしいと思っている、と言ったが、実は「応援団」がなければ、お客の反応は変わってくるのだ、
東京ドームでのWBC日本戦は、連日超満員だったが、日本が絡まない試合は一杯にはならなかった。

ただ、3月15日のオーストラリアーキューバ戦は3万5千人も入った。「日本戦でなくてもWBCを一度は見ておきたい」と思うお客が詰めかけたのだ。

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その時も書いたが、試合がキューバ4対3オーストラリアと白熱した展開になったこともあり、球場は大盛り上がりした。
当然ながら応援団は全くいなかった。オーストラリアのファンがチャントを少しやった程度で、だれも応援をリードする人はいなかった。

そうなると、どちらのファンでもない「雰囲気を楽しみに来た」大部分の日本人のお客も、試合に集中するのだ。

打球音や選手の掛け声も聞こえた。ファインプレーがあれば、自然に大きな拍手が起こった。応援団がなくても、球場が一体化している瞬間があった。

先ほど、ライトなファンは「応援団」や「チア」がなければ時間が持たない的なことを言ったが、実はそうではないかもしれないのだ。

「応援団」がなければないで、多くのお客は試合に集中する。中には退屈する人もいるだろうが、多くは「野球の楽しさ」を味わうのだ。日本の客の知的レベルは相応に高いのだから。

芝居や寄席に「じわ」という言葉がある。役者、噺家の名演にお客が感動して漏らしたため息が、場内に広がり「じわ」という何と言えない音として広がるのだ。「じわ」が出れば公演は成功だと言える。

野球場でも「応援団」がいなければ「じわ」に近い反応もある。

「応援団」が原則いない二軍戦でもお客は楽しんでいる。好プレーには拍手を送っている。

もちろん日本の出ないWBCや、二軍戦にくるお客にはもともと「熱心なファン」の含有率が高いのは間違いないだろうが「応援団」がいなければ試合が成立しない、わけではないのだ、

刺身にケチャップをかけるような過剰で適切とは言えない「応援団」の存在について、考える余地はあるのではないかと思っている。



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