昨日、私の前には夫婦と子供4人の家族が座っていた。父親はアマチュア野球関係者らしくそれらしきバッグを携えている。大男だ。ワゲスパックがマウンドに上がったときに「198㎝か、パパより10㎝も背が高い」といったので、188㎝とわかった。
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でも、熱心に野球を見ていたわけではない。来るとすぐに子供たちのために食べるものを買いに行き、いろいろな食べ物を分け与えて食べ始めた。
子供たちは野球のユニフォームを着ているが、少しも野球を観ようとはしない。ときどき応援に合わせて声をあげるだけだ。そもそも小学生で試合に集中する子はほとんどいない。すぐに飽きて騒ぎ始める。ファウルボールを追いかけてうろうろする子供はいるが、試合展開をじっくり見る子はまずいない。

この日の試合は、サヨナラ逆転ホームランと言う劇的な展開になったが、家族は大騒ぎするわけでなく、試合に集中することはなかった。

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三塁側の席に座ったので、楽天のユニフォームを着た人も多かったが、かなり多くが最後まで試合を見ることなく7回くらいで帰っていった。
客席で楽天の応援団に呼応して体を動かしている人も何人かはいたが、それも少数派だった。多くはおしゃべりを楽しみ、球場で買ったものを飲んだり食べたりして楽しんでいた。

どこで、どんなチームの試合を見ても、多くのお客さんはこんな感じだ。
約3時間の試合で、集中している時間は非常に短く、何か食べたり、話したり、スマホを見ている時間の方が圧倒的に多い。要するに「球場にいる時間を楽しんでいる」「雰囲気を楽しんでいる」のだ。彼らも「野球ファン」を自称するのだろうが、熱心なファンとまではいわないだろう。

ざっくり言って球場にいるお客の6割ほどがそんな感じではないか?応援団はせいぜい2割、昨日、一昨日の楽天などは数十人しかいなかった。

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そして私のように頭から尻尾まで試合展開を凝視するお客は多くて2割、おそらく1割くらいではないか。

圧倒的なマジョリティである「雰囲気を楽しむ」ライトユーザーにとっては、「退屈」を紛らわせる仕掛けは多ければ多いほど良い。
チアガールなどは、格好の「退屈しのぎ」になる。

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応援団も、うるさくはあるが、球場中がのべつ大歓声に包まれるのは「非日常感」があって楽しい。応援団は「野球場の雰囲気」を盛り上げる「舞台装置」「演出」であって、なくなれば寂しいし退屈してしまう。

ざっくりとだが、球場のファンの構成比はこんな感じではないか。

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私がいくら「応援団はうるさくて試合に集中できない」と言っても、圧倒的マジョリティの「ライトなファン」は「あったほうが楽しい」と思っているので、全く説得力がないのだ。

寄席興行は、お客が飽きないように落語に漫才や手妻(手品)、ボーイズ、音曲など様々な「色もの」を入れて構成されるが、結局、観客と言うのは移り気で堪え性がないから、そういうものがあったほうが嬉しいのだ。「独演会」などは別だが。

多くのお客はガチガチに集中するためにお金を払ってきているのではなく、ゆったりと雰囲気を楽しみ、リラックスするために来ているのだ。マーケティングが相手にするのはそういうライト層だ。

それはわかっているのだけれど、私はマイノリティの人間として口うるさいことを言い続けているわけだ。


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