相変わらず野球人、野球関係者に話を聞く日々ではあるが、3月以降、WBCについて口にする人が本当に多い。
データ関連の関係者は「ダルビッシュ有や大谷翔平の『データへの取り組み』方に、NPBの選手は強い影響を受けていた」と言う。

また違うチームから来た選手が、キャンプや強化試合などを経て、一つのチームになっていった。ともいう。
宮城大弥と佐々木朗希は、以前から仲が良かったけれど、大勢と湯浅京己など、WBCでの「戦友」が試合前に話し込むシーンがよく見られるようになった。
「他所のチームの選手となれなれしくするんじゃない」みたいな年寄りの言葉は、もはやたわごとになろうとしている。

少年野球指導者の多くは「WBCの侍ジャパンは、スポーツマンシップを大事にしていた」「キャプテンを置かず、監督も強くけん引せず、選手がみんなで勝利に向かって頑張っていた」と言う。
「だから、今回のWBCについては子供たちにしっかり教え込みたい」と強調する。

また、WBCをきっかけに少年野球への入団者が増えていると言う。これについては今、取材中ではあるけども。

さらに美津濃のIR情報では、野球関連用品(ダイヤモンド事業部門)の販売額が増えていると言う。

恐らく後年、第5回WBCは、日本の野球史の転換点になると思う。レジェンドと言う言葉は軽々しく使いたくないが、確かにそうなっていくだろう。

ただ、残念に思うのは、侍ジャパン関連での収益は「少年野球の未来」にはほとんど使われないと言うことだ。
今、野球をするためのお金がない子供がたくさんいる。野球は用具だけでなく、遠征費用やトレーニング関連などでぜいたくなスポーツになっている。例えば「侍ジャパン」の利益が、そちらに振り向けられたら素晴らしいのだが、何せ日本の野球は「小さなサル山の集まり」だから、そういうネットワークはないのだ。

日本のサッカー界がJリーグ、ワールドカップの度に、サッカー普及活動に予算を振り分けていたことを考えると本当に残念に思う。

例えば封切りになった映画の収益の一部が、そういう方面に回されるようなことはないのだろうか?

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