東北楽天ゴールデンイーグルスの身売りの話が出ている。恐らく、現実味はそれほどないが可能性はあるだろう。
楽天は、2022年12月期の決算を発表し、過去最大となる3728億円の純損失を計上した。楽天モバイルの巨額な設備投資が経営を圧迫しているのだ。その上に、モバイル戦略の見直しがあり、先行き不安がささやかれている。
それに加えて、モバイルの携帯電話基地局建設を巡る詐欺事件で300億円もの不正があったことが明るみに出て「企業グループとして大丈夫なのか?」と言われているのだ。

ただ楽天グループの総売り上げは1.6兆円。イーグルスの事業収益は100億ちょっと。グループ全体の0.6%程度であり、利益も出ていることから「身売りする必然性」はないと言えよう。

ただ何となく「身売りムード」が漂っているのは事実だろう。楽天傘下のヴィッセル神戸のイニエスタの退団が発表されたのもそういう空気を醸成したかもしれない。
イニエスタの2023年の年俸は20億円、Jリーグでこれに次ぐのは同じヴィッセルの大迫勇也の1.5億円だから、まさに年俸でも巨人だった。彼の退団は楽天が、スポーツ事業に対して後ろ向きな姿勢のように見えてしまう。

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もし楽天が身売りするとすれば、どんな企業の参入が考えられるか?
今のNPBは「外資系の参入」を認めていない。アメリカ資本がそのまま参入することはあり得ない。また複数企業による球団保有も原則として認めていないから、MLBではよくある「投資集団による球団買収」もあり得ない。
さらに新参加球団は預かり保証金25億円、野球振興協力金4億円、加入手数料1億円が必要になる。それなりの資本力が必要だ。

この条件は「エキスパンションは絶対に嫌、今いるお友達だけでやりたい」というNPB側の頑迷固陋を象徴している。

ただ30億円程度の「見せ金」が出せる会社はたくさんある。メリットがあれば、参入の可能性はあるだろう。

野球ファンは「トヨタとかパナソニックとかSONYとか、日本を代表する企業が球団を買ってほしい」と思っているだろうが、こういう昔からある巨大企業は球団を活かすことができない。「親会社の宣伝部門」というビジネスモデルは、今後はあり得ないのだから。

それを考えると楽天の身売り先は、はるかに若い企業ということになろう。
例えば、衣料品を大量に販売するユニクロ=ファーストリテイリングなどは考えられるのではないか。ただ「アンチ」を生むことはデメリットではある。

オリックスやDeNAがそうだったように、球団買収で企業の知名度を挙げたいと考える若い企業が参入することは大いに考えられる。
そういう意味では、今、栃木ゴールデンブレーブスを保有するエイジェックは「スポーツビジネス」をドメインとして、大々的に事業拡大を考えているので、可能性はあるかもしれない。

古い企業だが清水エスパルスを保有する鈴与グループも可能性があるように思う。



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