元オリックスの園部聡が、高校の同級生と共謀して起業の支援を装い、20代の女性から現金55万円を騙し取ったとして詐欺の疑いで逮捕された事件、プロ野球選手のセカンドキャリアの難しさを感じるが、この事件について週刊ポストが異様な記事を上げている。
【詐欺で逮捕】元オリックス選手に母校恩師が激白「卒業時には除名処分」「何度言っても坊主にしてこなかった」
出身校である聖光学院の斎藤智也監督は、プロ入りが決まってオリックスの春季キャンプに参加していた園部が、卒業式に戻ってきたときに、髪の毛を脱色して、眉毛を剃っていたという。
斉藤監督は注意して床屋に行かせたが、3回行ってもスポーツ刈り程度で坊主にはできなかったために「除名処分」にしたという。

今、高校野球で丸刈り、坊主頭を強制している高校は少数派になっているが、それでも現役の野球部員であれば、野球部の規則に従って「丸刈り」にさせる必要はあるだろう。「嫌だ」と言った場合、今ならそれも問題になるかもしれない。園部がプロ入りしたのは10年前だから、その時代は「坊主頭が当たり前」だったと思われる。

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しかし園部は高校野球を退部している。そうでなければプロアマ規定に引っ掛かるから、プロ野球のキャンプに参加できない。
高校の監督にあれこれ指図を受ける筋合いはない。

プロ野球に入ってから髪形が派手になる選手は散見される。西武時代の森友哉はキャンプインのたびに髪の色が変わっていた。

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オリックス時代の大下壮一郎も金髪だった時期がある。

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服装や髪形がどうの、という向きもあるが、プロは打ってなんぼ、投げてなんぼ、守ってなんぼである。それこそ高校生じゃあるまいし、モチベーションが上がるのなら、髪形くらい自由にすればよいと思うが、斎藤監督は何度も床屋に行かせるほど、園部の髪形に固執したようだ。

「床屋に3回行ってもスポーツ刈り程度で坊主にはできなかったのね。プロに行って坊主じゃ恥ずかしいってのがあったんだろうけどね。だから『ケジメつけられない奴はウチの野球部の生徒じゃないから、除名処分にするから』と言った」

監督も言うように「プロに行って恥ずかしいから」抵抗したのだろう。それを思いやるのも恩師ではないのか?
退部した部員を、自分の言う通りの髪形にしなかったからと言って「除名処分」にするって、これ人権侵害の可能性があると思うが。

斎藤監督は、自分の教え子が犯罪者になったことに対して引け目を感じて「そいつは、高校時代からおかしかったから除名処分にしたんです。内とは関係ありません」と言いたかったのかもしれないが、人間性を疑う話だ。

園部が弱い人間で、犯罪に手を染めたことは非難に値するが、事件を知ってから不自然な理由で「あ、そいつもう除名処分にしています」と尻尾切りをするような指導者の人間性も問題があるように思う。

聖光学院は福島県の夏の大会で2007年以来16年連続で甲子園に出ている。圧倒的な強者ではあるが「勝つ」以外の人間としての徳目をどれだけ教えているのか、はなはだ心もとないように思う。



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