各球団が「観客数×客単価」で導き出せる「売り上げ」を上げるために躍起になっていることはここまでで紹介した。
では、見方を変えて球団は「どんなお客」を対象にしようとしているかを考えよう。
マーケティングでは「何度も来てくれるお客」を最重要視している。「お得意さん」「リピーター」「安定顧客」とも言うが、この確保が最重要戦略だ。
「ファンクラブ」は、まさに「安定顧客」戦略の核心ともいえる。球団のファンになれば、球場に日参してくれる。ファンクラブ会員にはチケットの先行販売、格安での提供、応援グッズなどの特典を付与するとともに「この間あなたが球場に来たのは何月何日です」など、個別対応のメールを送信するなど、強力にアプローチする。
さらに重要なのが「年間シート」を購入する顧客だ。個人よりも法人が多いが、こういうお客は「来てくれなくてもお金を落としてくれる」ので実にありがたい。これもあって、年間シートは1枚チケットを買うよりかなり格安で販売される。さらに「年間シート」の顧客は「スポンサー」であることが多い。スポンサー契約の中に「球場内の看板掲示+年間シート何席、VIP席何室確保」などの条件が提示されることも多い。また年間シートやVIP席を購入する顧客は富裕層が多く「金払いが良い」ので、客単価も高い。最高の「上客」だと言えよう。
実は、応援団はマーケティング的には「安定顧客」の一つだと言える。球場に毎試合、確実に来場する応援団は「ありがたい客」ではある。昔は応援団には「タダ券」を配布することが多かったが、今はチケットを買わせていることが多い。ただ、応援席は、一番安い席ではある。またずっと応援をしているので、ほとんど金を使わない。ビールの売り子も応援席には遠慮しながら行くようにしている。「安定顧客」ではあるが客単価は低く「上客」ではないと言えるだろう。
一方で「応援団」は「コンテンツ」の一つになっている。トランペットに太鼓、大音声は、今やプロ野球の「風物詩」のようになっている。球場ではいろいろな音楽を流し、アトラクションも実施しているが、それに加えて応援団が絶えず音を鳴らし続けるのがプロ野球だと思う人も多い。
また「ファンクラブ」の中には「応援団」の応援に加わりたくて、入会する人がかなりいるのだ。
球団は、応援団には経済的な支援を一切していない。ほぼすべてがボランティアだ。球団にとっては都合の良い人たちではある。だから、応援団には一定の配慮をしている。
ただ、過去には反社会勢力と関与したり、球団や選手に便宜供与を強要するなどした応援団もあった。だから、球団側は応援団におかしな連中が紛れ込まないか、常に注意を払っている。2014年には中日ドラゴンズの公認応援団に暴力団関係者が含まれていたことが確認され、訴訟を経て解散処分となっている。そこまでいかなくても、今でも汚いヤジや問題行動も散見される。球団側は、応援団に神経を使っているのは間違いないところだ。
「応援団」と球団の関係は、マーケティング上は「安定顧客」だが、それだけの存在ではないことが、ここまでで理解できたのではないか。
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さらに重要なのが「年間シート」を購入する顧客だ。個人よりも法人が多いが、こういうお客は「来てくれなくてもお金を落としてくれる」ので実にありがたい。これもあって、年間シートは1枚チケットを買うよりかなり格安で販売される。さらに「年間シート」の顧客は「スポンサー」であることが多い。スポンサー契約の中に「球場内の看板掲示+年間シート何席、VIP席何室確保」などの条件が提示されることも多い。また年間シートやVIP席を購入する顧客は富裕層が多く「金払いが良い」ので、客単価も高い。最高の「上客」だと言えよう。
実は、応援団はマーケティング的には「安定顧客」の一つだと言える。球場に毎試合、確実に来場する応援団は「ありがたい客」ではある。昔は応援団には「タダ券」を配布することが多かったが、今はチケットを買わせていることが多い。ただ、応援席は、一番安い席ではある。またずっと応援をしているので、ほとんど金を使わない。ビールの売り子も応援席には遠慮しながら行くようにしている。「安定顧客」ではあるが客単価は低く「上客」ではないと言えるだろう。
一方で「応援団」は「コンテンツ」の一つになっている。トランペットに太鼓、大音声は、今やプロ野球の「風物詩」のようになっている。球場ではいろいろな音楽を流し、アトラクションも実施しているが、それに加えて応援団が絶えず音を鳴らし続けるのがプロ野球だと思う人も多い。
また「ファンクラブ」の中には「応援団」の応援に加わりたくて、入会する人がかなりいるのだ。
球団は、応援団には経済的な支援を一切していない。ほぼすべてがボランティアだ。球団にとっては都合の良い人たちではある。だから、応援団には一定の配慮をしている。
ただ、過去には反社会勢力と関与したり、球団や選手に便宜供与を強要するなどした応援団もあった。だから、球団側は応援団におかしな連中が紛れ込まないか、常に注意を払っている。2014年には中日ドラゴンズの公認応援団に暴力団関係者が含まれていたことが確認され、訴訟を経て解散処分となっている。そこまでいかなくても、今でも汚いヤジや問題行動も散見される。球団側は、応援団に神経を使っているのは間違いないところだ。
「応援団」と球団の関係は、マーケティング上は「安定顧客」だが、それだけの存在ではないことが、ここまでで理解できたのではないか。
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応援席(外野席)に陣取るファンはそういうルールは無いので、お気に入りの売り子さんから何杯もビール等購入したり、新しい応援グッズをたくさん買ったりしていますよね。1万円とか2万円とかするユニフォームなどをたくさん買っているみたいです。
全体の売上に大して貢献していないとは思いますが。
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