最近、しみじみ思うのは、特に立場、地位のある人、組織は「何を言うか」よりも「誰が言うか」「何時いうか」「どのタイミングで言うか」の方が大事だと言うことだ。
ネットメディア全盛の時代とは、端的に言えば、取材対象が常時「針のむしろに座っている」時代ともいえる。何かにつけて批判されやすい人や組織は、その言動が瞬時に世間に伝わる。そして多くは「悪意を持って解釈される」。

今、最も「痛い針のむしろ」に座っているのは芸能界では、言わずと知れたジャニーズ事務所だろうが、この組織は「何を言うか」もさることながら「いうべきこと」を言うタイミングをことごとく誤って、どんどん追い込まれている。

その根底には「被害を最小で済ませて、出来るだけ現状を維持したい」というさもしい気持ちがあるのだろうが、根がここまで深く、広い問題で「ちょろちょろっと」記者会見を済ませて済むはずがない。

この間の記者会見で東山信社長は「ジャニーズの看板はそのままで」「会社も維持し、社長は退いても藤島ジュリー体制を維持した」上で、改革を目指すと言った。

その手ぬるさに、世間からバッシングが集まり、何よりスポンサーが潮が引くように撤退したから、東山社長は慌てて会議を開いて「社名変更」「会社の体制変革」を打ち出した。
10月に記者会見をするようだが、これ、やる前から「期待できない」空気になっている。

リスク回避の専門家が中に入って最初から「ジャニーズをやめて」「会社もちゃぶ台返しをする」と決めて、それを他の人間が言う前に言っていたら、世間の評価は大きく変わっていたはずだ。

しかし「人が言う前に言う」のは、勇気がいる。日本人はヘタレが多いから「自分だけ突出する」のが嫌で、煮え切らない態度になってしまうのだ。

その点で言えばスポンサー企業も同様だ。「ジャニーズやばいんでない?」というくうきがでてからおずおずと「契約打ち切り」を言い始めている。中には「引き続き契約」と言った後から「やっぱやめます」という会社まであった。

そんな中でネスレの元社長が「ネスレは性被害の問題を抱えていたジャニーズのタレントを以前から起用していない」と言ったために、その他のスポンサーのポリシーのなさが現れた。馬脚を現したわけだ。
日本企業は一皮むけば「人権」「民主主義」なんて、どうでもいいと思っている会社が多いから「仲間内で孤立しなければいい」のだろうが、世界的には自己改革できない三流企業ということになろう。

高校野球の不祥事でも、最初は「監督をちょっと謹慎させて」やり過ごそうとする。暴力や犯罪が後から後から出て、収拾がつかなくなることが多い。でも最後は「うやむや」で責任回避をするのだ。

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日大の問題も、結局、幕引きができず混迷している。林真理子は、デヴィ夫人と同レベルの「気楽なブルジョアおばさん」であることを露呈しつつあるが、そういう場合でも、何となく世間が忘れてくれていつの間にか終わっているのだろうが。

日本の国で本当の改革が進まないのは、本当の意味での「勇気ある改革」をする人が少ないからだろう。

高校野球なんかその典型だが、にっちもさっちもいかなくなってから、おずおずと動くことになるのだろう。


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