例年、出張の合間に、家人と3回くらい観光旅行をする。それほど高くはないが、一応観光ホテルや旅館に宿泊するのだが、今年はそうした宿泊施設のストランで対応したホールスタッフの多くが、外国人になっていて驚いた。

肌の色から東南アジア系と思われるスタッフは流ちょうな日本語で対応してくれる。料理を持ってくると「瀬戸内の鯛の湯引きでございます」みたいな説明も、ちゃんとしてくれる。立ち居振る舞いも完ぺきだ。
人手不足でもあろうが、外国人労働者の質がかなり向上していると実感する。
東京などはコンビニの店員は半分くらい外国人だが、レジで不安を感じることはなくなった。

人口減少と言う動かしがたい現実の中で、こうして外国人が日本社会に確実に根付いていくのだ。排斥などとんでもないと思う。



野球界でも「外国の血を引く日本人選手」が、珍しくなくなった。ダルビッシュ有などがその走りかもしれないが、NPBの選手でも巨人のオコエ瑠偉、オリックスの宗佑磨や宇田川優希、日本ハムの万波中正をはじめとして、容貌が少し異なる日本人選手の活躍が目立つようになった。もうあまり違和感もなくなった。

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対照的に、この時代になって「外国人選手枠」を未だに設定していることには、かなり違和感がある。これは「レベルの高いMLBから来た選手の加入を野放しにしていると、日本人選手のポジションを奪われる」という理屈から設けられたものだ。しかし、NPBよりレベルが下のCPBLやKBO出身の選手も締め出される。
現時点で、MLBとNPBの間には実力差があるが、それ以上に「経済格差」がある。MLBの一線級の選手は、NPBの一線級の10倍以上の年俸を貰っている。だから、トレバー・バウアーみたいな例外を除いて、日本に来ることはまずないのだ。
日本に来るのは、MLBで中堅以下だけだ。外国人枠を設けなくても、そんなに大きな影響はないはずだ。
「外国人枠」の裏返しとして、日本人選手の移籍にもきつい縛りがあるが、これは「年俸格差があるMLBに日本のスターを根こそぎ持っていかれないため」ではある。しかし、経済がグローバル化する中で、こうした「経済鎖国」こそが日本の発展を阻害していると思う。どんどん日米で人材が交流してこそ、NPBのレベルも上がると思うのだが。

日本社会が、外国人労働力の導入なくして成り立たないことが、もはや自明になる中、プロ野球も本当の意味で「開国」を考えるべきタイミングではないか。

そうなれば百年一日のごとく、古臭い「昭和の野球」を信奉してきた指導者や解説者は駆逐されるだろうが、それも市場原理ではないか。



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