第三者委員会とは、不祥事発生に際して、当事者、その組織の関係者以外の「第三者」に調査をゆだねることを意味する。
第三者委員会は、当事者組織に隠ぺい体質があるなどして、その不祥事の真相が明らかにならなかったり、記者会見を開いて調査結果を発表しても世間が納得しないなどして、当事者や該当組織の信頼が大きく揺らいだときに、客観的な調査を行うために設置される。つまり組織の「自浄能力」に疑念が生じたときに設置されるのだ。多くは弁護士、学識経験者などの専門家によって構成される。
もともと組織が自らの手で「真相究明」をして、発表するのは、専門性の観点から見ても、信頼回復の観点から見ても、疑問が残ることが多い。本当に真相を発表したとしても「何かを隠している」「真実を発表していない」との疑念を持たれることが多い。
そこで利害関係のない「第三者」によって、調査、真相究明が行われることになる。
ただ、ポイントは「第三者委員会を設置するのも、それを外部に委嘱するのも、不祥事を起こした組織だ」ということだ。第三者委員会と言いながら、結局、その組織に忖度した報告しかできなければ、さらに信頼を損なうことになる。
一方で、第三者委員会が容赦なく真相を究明し、組織を批判した場合、移植した組織そのものが存立の機器に立たされる場合がある。
「宝塚問題」の場合、「第三者委員会」に当事者組織と関連する弁護士がいたことに加え、被害者の側に立たず組織を擁護する結果発表だったために不信感がかえって増大して、事態はさらに混迷している。
一方で「旧ジャニーズ問題」「日大薬物汚染問題」の場合、不祥事が明らかになっただけでなく、第三者委員会が、これを委嘱した当該組織そのものをも厳しく批判し、組織の解体や、組織の責任者の辞任を求めるような事態に至っている。
そういう意味で「第三者委員会」は諸刃の剣だが、その組織の健全な発展、存続を考えれば「厳しすぎる第三者委員会」を設置する方がよいことは言うまでもない。
さて安樂智大をめぐるパワハラ問題だが、球団は選手など約100人にアンケートを取ったうえで、再度安樂にヒヤリングをし、その結果を公表すると言う。
事ここに至れば、この問題は「安樂が何をしたか」だけでなく「球団の体質」をも問われている。調査結果の公表次第では、宝塚同様、さらなる紛糾を招くことになる。
結果発表によって世間を納得させるためには、安樂を厳しく処分するだけでなく、組織の責任も明確にしなければならない。また再発防止策も明確に発表すべきだ。しかし最近の不祥事で、それがうまくいくケースは少ない。
プロ野球の場合、新聞メディアが球団と癒着しているので、厳しい追及の声が上がりにくいが、世間が楽天の調査結果に対して、厳しい批判を浴びせたり、雑誌メディアが新たな独自情報を発表するなどすれば、新聞も手のひら返しをする。ポイントは「SNSの反応」ということになろう。
リスク管理の観点からは、球団は次の段階として「第三者委員会」の設置を考えるべきときではないかと思う。
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ただ、ポイントは「第三者委員会を設置するのも、それを外部に委嘱するのも、不祥事を起こした組織だ」ということだ。第三者委員会と言いながら、結局、その組織に忖度した報告しかできなければ、さらに信頼を損なうことになる。
一方で、第三者委員会が容赦なく真相を究明し、組織を批判した場合、移植した組織そのものが存立の機器に立たされる場合がある。
「宝塚問題」の場合、「第三者委員会」に当事者組織と関連する弁護士がいたことに加え、被害者の側に立たず組織を擁護する結果発表だったために不信感がかえって増大して、事態はさらに混迷している。
一方で「旧ジャニーズ問題」「日大薬物汚染問題」の場合、不祥事が明らかになっただけでなく、第三者委員会が、これを委嘱した当該組織そのものをも厳しく批判し、組織の解体や、組織の責任者の辞任を求めるような事態に至っている。
そういう意味で「第三者委員会」は諸刃の剣だが、その組織の健全な発展、存続を考えれば「厳しすぎる第三者委員会」を設置する方がよいことは言うまでもない。
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事ここに至れば、この問題は「安樂が何をしたか」だけでなく「球団の体質」をも問われている。調査結果の公表次第では、宝塚同様、さらなる紛糾を招くことになる。
結果発表によって世間を納得させるためには、安樂を厳しく処分するだけでなく、組織の責任も明確にしなければならない。また再発防止策も明確に発表すべきだ。しかし最近の不祥事で、それがうまくいくケースは少ない。
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