アメリカンフットボールは、アメリカでは「北米4大スポーツ」の一つであり、トップ選手はMLB選手と同等かそれ以上の報酬を得る。
しかし日本では、大正期に伝わって以来、メジャーなスポーツだった時期はない。甲子園ボウルなどは多くの観客を集めるが、プロはなく、アメフトだけで食っていくことはできない。大学を出れば、いわゆる「社会人」として競技を続けるしかない。普通のサラリーマンと大差ない収入で生きていくだけだ。実力格差が大きいので、NFLに挑戦するのは現実的ではない。またオリンピック競技ではないのでいわゆる「ステートアマ」もいない。

日大アメフト部の廃部問題で、部員が存続を希望しているのは理解できるが「高校時代から日大アメフト部に入ることを目標に頑張ってきた」みたいな声が上がるのには違和感しかない。その先は考えていなかったのか？

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アメフトは日本では、純然たるアマチュアスポーツだ。それで飯を食うことはできない。
高校時代に部活としてスポーツに打ち込むのは結構なことだが、高校生になれば「それでは飯が食えない」ことくらいはわからなければならない。
私はアメフト指導者の取材はしたことがないが、ラグビーの指導者の取材はしたことがある。指導者は「ラグビーで飯は食えないので、勉強もしろ、映画も見ろ、社会勉強もしろ」と選手に言っていると言った。
プロスポーツがないカテゴリーのアスリートは高校、大学とグレードが上がるとともに「社会人になる準備」をするべきなのだ。

日大アメフト部がなくなれば部員は「路頭に迷う」みたいな報道があるが、たとえアメフト部が存続しても、部員は２～3年後には「社会人」になるわけだ。アメフトにすがって一生生きていくことはできない。
だとすれば「自分たちで活路を見出す」方向にシフトすべきだろう。
「アメフトしかしてこなかったから、何をしていいかわからない」のだとすれば、あまりにも愚かすぎる。

アメフトを趣味として続けるか、転校するか、やめて普通の大学生として就活するのか、それは大学や指導者が決めてくれるのではなく、自分で決めることなのだ。

アメフトしかせずに、それ以外は考えてこなかった日大生がいるとすれば、それは同情の対象ではないだろう。しっかりせよと言いたい。


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