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アメリカの影響下にある国々にとっては悪夢でしかない状況が、来年には現実のものになろうとしている。
今年のうちに78歳になるドナルド・トランプの大統領返り咲きが、極めて現実性を帯びつつあるのだ。トランプは二つの世界大戦を引き起こした「モンロー主義の悪夢」を再び実現させようとしている。

トランプは世界の治安維持のためにアメリカがかけてきたコストを徹底的に削減する。ウクライナ戦争への支援を打ち切るし、NATOからも離脱する可能性がある。さらに日米安保条約についても、再び日本に大きな負担を強いるだろう。
移民を排斥するとともに、白人を優遇する政策を行う。LGBTQの政策にも制限をかける。妊娠中絶をめぐる動きにも歯止めをかける。反グローバリズムで、極端な「保守政策」をとるだろう。
さらに民主党などリベラル勢力に対しては、かつてない弾圧を行うと考えられる。

こうしたトランプの政策を支持するのは、2つのグループの人々だ。一つは低学歴層。エリート主義が日本以上に進んでいるアメリカでは、低学歴の人々は富の分配にあずかれず「貧困の再生産」が進んでいる。特に地方では格差が拡大している。こういう境遇の人たちは、高学歴のリベラル層に憎悪を募らせている。またこういう人たちにとっては「世界情勢」は遠い国の話であり、自分たちとは関係がない。気に障るリベラル層を痛めつけて、自分たちの生活が良くなるのなら、それでいいわけだ。
もう一つは投資家をはじめとする富裕層。トランプは国際的なバランスを考えずに、強い景気浮揚策を打ち出すだろうから、株価は上がり景気は一時的によくなる。これによって大きな不労所得を得ることができる。戦争のリスクが高まっても、富裕層は海外に拠点を置くことができるから、まったく困らないのだ。

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トランプ政権になると、外交的には、ロシアはアメリカの支援を失ったウクライナに勝利し、NATOと直接対峙するだろう。ハンガリーやトルコなどNATOでもロシアに近いところから寝返るところが出てくるだろう。ロシアの日本に対する圧力も高まるだろう。
トランプは商売敵の中国には厳しい。関税を一律60%に引き上げると言っている。この政策は支持層に対する「人気取り」の一面もある。ただ、トランプは本質的には「独裁主義者」との親和性が高い。ある時期を境に、中国とは融和路線になるのではないか。

日本では親トランプで、陰謀論をとなる参政党の勢力が多少強くなるだろうが、親中国の色が強い維新や、自民党などはそれほどトランプになびかないだろう。平均的な教育水準がアメリカよりも高い日本では、熱烈な親トランプの勢力はそれほど大きくはならないだろう。

しかしNATOがロシアと真正面で大事し、中国が、経済的にさらに困窮する中で、戦争のリスクはさらに高まるだろう。世界の有力な指導者に「平和主義者」がいなくなるのだから。

トランプが二度目の大統領になれば、2025年からトランプの任期が終わる2029年までの間に、自由主義圏を巻き込んだ深刻な紛争や戦争が始まる可能性は極めて高まるだろう。

そうなれば日本がこの混乱に巻き込まれるのは、地政学的にみて間違いないところだ。日本は80年ぶりに国土が戦場になるか、戦地に若者を送ることになるのではないか。



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