DAZN


DAZNの契約の話で、NPBとJリーグのどっちがお客が入っているかが議論になった。
改めてNPBとJリーグの観客動員、サイズ感について確認しておきたい。

JLG-NPB


NPBは一軍で858試合を行い、2023年実績で2507万人を動員した。史上最多が2019年で2653万人だったから、94%くらいまで迫っている。
1試合平均で2万9千人余、これはプレジデントオンラインで書いたが、MLBをわずかながら上回っている。
にもかかわらず選手年俸でNPBはMLBの10分の1以下。このあたりがNPBの「商売下手」の原点でもある。
端的に言えば、NPB球団はリーグ、NPBの他球団を「商売仇」だと思っている。だから一緒にビジネスをしない。

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DAZNでもそうだが、世界的な企業がNPBを「コンテンツ」と見做してビジネスをするときは「12球団パッケージでなんぼ」という交渉になる。しかしNPB機構はその窓口になる機能を有していないので個別の対応になる。NPB球団は年商100~300億の中小企業で、売ることができるコンテンツも12分の1だから、DAZNなどとの交渉でも弱腰になる。「売れるものに限界がある」わけだから。だからトータルでの商売のスケールは小さくなる。
MLBは放映権やライセンスなどのビジネスは機構がまとめて売るから、長期的な大型契約になるのだ。
さらに言えば、NPBは二軍、三軍を「興行」「ビジネス」と見做していない。今季からファームは14球団で各140試合、980試合もするが観客動員は200万人程度、しかも収益は考えていない。このあたりもったいなすぎるわけだ。

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これに対しJリーグはJ1~J3までがすべて「興行」「ビジネス」になっている。全て合わせてNPBを上回る1148試合を行っているが、観客動員はNPBの4割程度、1試合当たり9000人弱。トップリーグのJ1でも動員は580万人、1試合当たり1万9000人弱だ。

JリーグはNPBを抜くかと思えたが、コロナ禍以降、明らかに元気がない。クラブの多くが親会社の支援が見込めない独立採算の上に、収入が少なく体力に乏しい。J1の有力クラブは別にして、マーケティングやプロモーションに掛ける予算も少ないのだ。

それでもDAZNと2000億円を超す大型契約ができたのは、Jリーグが機構全体でビジネスをしたからだ。「60クラブ1148試合10シーズンでなんぼ」という交渉が出きたことが大きいのだ。

このあたりの話、ずっと言っているのだが、なかなか理解していただけないのが残念なことだ。


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