1139111_s


ドナルド・トランプの何よりの強みは「岩盤支持層」が3割近くあることだ。女性にセクハラをしようと、議会を襲撃しようと、ホワイトハウスから書類を持ち帰ろうと、何があっても「MAGA(Make America Great Again)」を支持する連中だ。
その多くが陰謀論者であり、テイラー・スウィフトの陰謀を信じたりする。
トランプは、これらの支持者のために、極端な意見を表明したり、公約をし始めている。

ペンシルベニア州で開かれた全米ライフル協会(NRA)主催のイベントで演説し、「銃の所有者やメーカーに対するバイデン(大統領)の攻撃は、私の就任最初の1週間、おそらく初日に全て終わらせる」

現時点でも厳格な銃規制はできていないアメリカだが、トランプはすべての銃規制を取っ払う気だろう。

FOXニュースのインタビューで、関税を課さなければならないと発言。60%の税率を検討しているとの報道について問われ、「いや、それ以上になるかもしれない」と語った。

自国の産業を守るために、きわめて保護主義的な政策を実施すると言っている。前のトランプ政権の時には、環太平洋連携協定(TPP)から離脱した。アメリカが提唱したこの協定からアメリカが離脱したのは、国際連盟の逸話を思い出させる。しかしそのかわり中国がTPPに加盟を申請している。短絡的な政策が、かえって商売敵を利することになりかねない、という典型だ。

大統領在任中、NATOの会議で「もし私の国がNATOでの金銭的義務を果たしていないとして、私の国がロシアから攻撃されたら、アメリカはどうするのか」と、外国の指導者から尋ねられたトランプは
「払ってない? ちゃんと払ってない? だったらうちはおたくを守らない。むしろ、(ロシアに)好きにするよう促す。払わないとだめだ」と答えた。


NATO脱退はあまりにもインパクトがありすぎるから、さすがにそれは言えないが、この発言はひどい。要するに間接的にロシアの側に立つと言ったわけだ。しかし支持者は大喜びだった。

24837412_s




こうしたトランプ発言の内、中国への強気の姿勢は、単なる人気取りではあろうが、人権問題で中国への批判を強めるリベラルも大きな反対はしないだろう。
しかし銃規制の撤廃と、NATOに対する非協力は、リベラル層、とりわけ若い世代が、敏感に反応するはずだ。

今の「もしトラ」の懸念は、トランプがアメリカで圧倒的な人気があると言うわけではなく、リベラル派の特に若い世代が、バイデンに対する幻滅から選挙に行かないだろう、と言う予測によって広がっている。バイデンは仕事はぱっとしないが、再選にかける思いだけは強い。若者は彼に票を入れることに強い抵抗があるのだ。

しかし銃規制撤廃、NATO非協力と、トランプが調子に乗り始めたことで、若い世代は恐らく再び大統領選に注目し始めるだろう。
この後、トランプは「人工妊娠中絶禁止の容認」について言及するだろう。そして人工妊娠中絶手術を認めている州に圧力をかけると言うのではないか。

若い世代にとっては、最も敏感にならざるを得ない問題だ。人工妊娠中絶を禁止している福音派などへの人気取りで「妊娠中絶はやめさせる」とトランプが言い出せば、若者世代が「反トランプ」に立ち上がる可能性が高くなる。

トランプが放言を繰り返せば、アンチ・トランプが目を覚ますだろう。トランプはもっと調子に乗って馬鹿なことを言い続けてほしい。

今、トランプの勢いを止めることができるのはトランプだけなのだ。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!

81iaVJGAvhL._SL1500_


https://amzn.to/47hJdhC

2021年山本由伸、全登板成績【投手五冠にリーグ優勝に金メダル】

NOWAR