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たまたま私は昨日も今日も、大学生による少年の「野球教室」の取材をした。いずれも、大学生や指導者たちが「野球離れ」に危機感を抱いて主体的に行ったものだった。
頻度はせいぜい月に1回程度ではあったが、よく考えられた内容であり、子供の反応も上々ではあった。

ただ私自身の印象としては「やらないよりはまし」というものだった。
なぜなら「規模」と「回数」が圧倒的に少ないうえに、彼らだけの考えでやっているから、だった。
集まることもは多くて数十人、回数は多くて年に数回。
そして、教室の中身も、主催者によって全く異なっている。

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例えば野球教室を体験して、野球が好きになった、野球を継続しようと思った子供たちが選ぶことができる「野球チーム」は極めて限定的だ。
その上に、その野球チームが「子供を野球好きにさせる」ことを考えているとは限らない。オラオラの低次元の指導者もまだまだたくさんいるのだ。
昔のように、そこら中に野球チームがあるわけではない上に、まともな指導者は、本当に少ないからだ。

サッカーであればJFAが「グラスツール宣言」を打ち出している。

Football for All サッカーを、もっとみんなのものへ。
年齢、性別、障がい、人種などに関わりなく、だれもが、いつでも、どこでも。
私たち日本サッカー協会は、サッカー、そしてスポーツの持つすばらしさを
もっともっと、たくさんのみなさんと分かち合い、育みたいと考えています。

だれもが、サッカーの楽しさに触れられるように!
サッカーとのすばらしい出会いやきっかけを、たくさんご用意します。

だれもが、サッカーをもっと身近に感じられるように!
自分のニーズや希望に合ったサッカーの選択肢を、次々と増やします。

だれもが、心からサッカーを楽しめるように!
安全に、安心してサッカーを楽しめる環境を、しっかりと整えます。


この考え方に従って、取り組みの方針を発表している

②下記の必要な活動すべてを網羅し、全体像を見据えながら、包括的に取り組みます。
・参加者の増加と継続
・安心・安全の確保のための、ハード面、ソフト面など、様々な環境の整備
・サッカー体験を生み出す場という観点での施設環境の確保、活用、質の向上
・選手の育成基盤という観点でのトレーニング環境の質的向上
・必要かつ適切な大会やイベントの創出と効果的な実施・運営
・専門人材、ボランティアの確保と養成
・クラブのコミュニティ機能の充実と発展(クラブ文化の醸成)
・サッカーファミリー全体とのつながりづくりとサポート(メンバーシップの最適化)
・サッカーの活動を通じた社会貢献の検討
・継続的な調査・研究と情報共有、効果的なプロモーションによる啓発


一つ一つの「サッカー教室」の中身は、「野球教室」と大差ないが、JFAがこの運動全体をマネジメントしているので、個別の取り組みを孤立させることはない。

「サッカー教室」を経験した子供は、サッカーがしたいと思えば「同じコンセプトでサッカーを教えるクラブ」を紹介してもらえるし、継続的な指導を受けることができるのだ。

個別のクラブ、指導者の取り組みをJFAが支援して、ネットワークに組み入れてくれるのだ。だから、サッカーはすそ野を広げることができる。

しかし野球界は、高校、大学、社会人、プロが全部バラバラなうえに、そうした団体のトップは、普及活動への理解が薄く「何もしていない」。
だから、野球教室の活動が、点から線へ、面へとなることがないのだ。

競技人口を本当に増やすためには、トップが有能で行動的でなければならない。「名誉職」であったり、定年までの日数を考えているような人物では、逆風の時代は務まらない。


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