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NPBの公式サイトによると今年は「プロ野球90年」だそうである。つまり1934年にプロ野球は始まったのだそうだ。
1934年と言えば昭和9年、この年の野球界には「プロ野球」のプの字も存在しない。
11月2日にベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグなどによる全米選抜野球チームが来日した。
日本球界は、1932年に「野球統制令」が施行され、学生野球の選手がプロ野球選手と試合をすることはできなくなっていた。
主催の讀賣新聞社はこのため急ごしらえで「大日本東京野球クラブ」を結成し、米チームと対戦、これをもとに12月26日に「大日本東京野球倶楽部」を結成。この日を「プロ野球草創の日」としたのだ。

翌1935年、このチームはアメリカ遠征に向かったが、フランク・オドールから「ニックネームをつけよう」と言われ「東京ジャイアンツ」となる。

リーグ戦が始まったのは1936年のことだ。この年の4月29日、阪神甲子園球場で大東京対名古屋、金鯱対タイガース、阪急対セネタースの3試合が初の公式戦として行われた。これが今に続く「日本プロ野球」のはじまりだ。

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この日を「日本プロ野球草創の日」としなかったのは、巨人軍がその顔触れにいなかったからだろう。巨人はアメリカ遠征中で、7月の東京大会トーナメント戦から参加しているのだ。

ついこの間まで讀賣ジャイアンツは「球界の盟主」「よその球団とは格が違う」と思っていたから自分たちが不在の1936年4月のリーグ戦を「草創」とすることができなかったのだろう。

だから「巨人発足の日」を「プロ野球草創の日」とした。
そもそも「大日本東京野球倶楽部」は、日本最初のプロ野球でさえない。日本初のプロ野球チームは1920年に創立された日本運動協会、その系譜の宝塚運動協会だ。

のちにリーグ戦に参加する「1球団」ができた日を「プロ野球草創の日」とし、この日を起点として「プロ野球90年」を言うのは、歴史的に明らかにおかしい。

巨人が球界を牛耳っていた時代から「50年」「60年」とずっと言っていたからそうなのだろうが、違和感でしかない。

プロ野球「草創の日」は、巨人という1チームの前身ができた1934年12月26日ではなく、リーグ戦、公式戦が始まった1936年4月29日、つまり明日で88年だ。これはしっかり押さえておきたい。


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