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大人と子供の最大の違いは「目標」「到達点」の違いではないか。
私は今年の誕生日を迎えると「年金」を受け取ることができる年齢になる。そういう意識は全くなくて、まだ「現役」の意識が満々だが、生物としての「年齢」に抗うことはできない。

日々私が顔を合わせている、取材をしている人たちで、私より年長者はほとんどいない。当然ながら彼らは10年、20年先のことを思って今を生きている。しかし私にとってその歳月は「生きているかどうか、覚束ない」時間だ。生きていたとしても、現実社会とどれだけコミットメントできるかは、はなはだ疑問ではある。
結局、歳を取るというのは「先のことを考えることができなくなる」ことでもある。

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しかしそれに対して、私はどうすることもできない。自分より年若い人に対してできることは「邪魔をしないこと」しかないのではないかと思う。

それは「年寄りと若者の話」だけではない。「大人と子供」の話でもある。

子どもに野球をさせる大人は、目の前の「結果」をすぐに求めがちだ。

小学校、中学校レベルでいいパフォーマンスを見せる野球少年に、大人は「大会で活躍してほしい」「全国大会に出てほしい」さらには「甲子園に行ける高校に行ってほしい」と思いを募らせる。

子どもたちはまだ「将来」が見通せていないから、大人の言う通り頑張ろうとする。本当は、野球だけで言っても「高校、大学のその先」「プロ、MLB」と大きな未来が待っているはずなのだが、大人は「自分たちが活躍している姿を早く見たい」あまりに「今頑張れ」「明日頑張れ」と言ってしまいがちだ。

しかし子どもが目指すべき「目標」は、大人が思う目先のものではなく「はるか先」にある。
それを大人が一緒に見ることができるかどうかは別にして、目の前ではなく、ずっと向こうにある。

大人はそのことを知っているのだから「目の前で才能や体力や気持ち」を「空費」させるのではなく「もっと先を見よう」と言うべきなのだと思う。

先ほど言及した「野球投資」の話も「いい高校、大学」「プロ」ではなく、その子が「野球」とどれだけ豊かな関係をもって人生を生きるか、を考えて行うべきなのだと思う。

そういう観点でいえば、大人は「金を出し、機会を与える」が「邪魔はしない」ことを弁えるべきなのだと思う。


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