
メディア記事でも、ブログでも、札幌ドーム関連は反響が大きい。一地方のスタジアムの存続に関する問題が、なぜこんなにバズるのか、それは、二つの対立軸があるからだろう。
一つ目が「官尊民卑」。
札幌ドームは、札幌市が市債を発行し、札幌、北海道財界の支持を得て建設した。
それは、日韓共催の「FIFAワールドカップ」の会場として名乗りを上げるためではあったが、同時にJリーグの誘致も考えていた。
しかしながら、札幌ドームには「具体的な経営計画」があったとは思えない。当初は、コンサドーレ札幌の本拠地として活用するほかは、アマチュアスポーツや様々なイベントの活用を考えていた。また、災害時には大規模な「避難場所」になることも想定された。
ビジネス的な欠損が出た場合は、札幌市が公費で補填するのが前提だったはずだ。

そして札幌ドームは、主として行政職員の「天下り先」を増やす目的で、指定管理者として第3セクターの「株式会社札幌ドーム」を設立した。
名目上、社長を銀行経営者にしたのは「天下り先」であることが、あからさまに目立たないようにするためだ。
株式会社札幌ドームは、札幌市職員に準ずる給与、待遇が保証された。プロパーの社員はいたが、幹部になれるのは札幌市、北海道財界からの天下り職員に限られていた。
経営がここまで傾いた今も、リストラや給与カットの声は聞こえてこない。
しかしこの時期から「箱もの行政」の批判が高まっていた。長野五輪での競技場など箱ものが「負のレジェンド」になったことが大きかった。
株式会社札幌ドームも「単体で赤字」が出せない空気となる中で、日本ハムファイターズの誘致に成功した。
21世紀に入って、NPBでは「独立採算」「地域密着」が大きなテーマになって来る。日本ハムも北海道という新しいマーケットで大いにビジネスを展開した。
しかしソフトバンクやロッテが球場を「自分の所有物」同然として、ユニークなマーケティングを展開する中「間借り人」の日ハムは非常に窮屈なビジネスしかできなかった。
そこで日ハムは札幌ドーム側に「賃料の軽減」「指定管理業務の委託」を求めた。しかし札幌市、札幌ドームにとっては「指定管理業務」は「利権の中核」だったから、それを拒絶した。
そこで日ハムは出ていく決断をしたのだが、そもそも札幌市には「採算を取る」という発想がなかったし、自分たちの「天下り利権」を手放してまで、札幌ドームの経営を健全化する筋合いはないと考えていた。
その結果が、今の状態だ。
端的に言えば、札幌ドームの今の態度は「官尊民卑」という言葉でまとめられるだろう。北海道のような地方では、中央よりも「官」の力が強い。地元のエリートは北海道大を出て道庁や札幌市役所に勤めるのが「出世コース」だったわけだ。
「せっかく作ってやって、貸してやったのに、増長しやがって」みたいな意識が抜けないから、今の惨状となった。
銀行上がりの社長が「プロ野球やらせてくれないのでね」と言って炎上したのは、事ここに至っても「自分たちは被害者」と思っていたからだろう。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
好評発売中!

https://amzn.to/47hJdhC
年度別チーム第1号本塁打は俺だ! 広島編

札幌ドームは、札幌市が市債を発行し、札幌、北海道財界の支持を得て建設した。
それは、日韓共催の「FIFAワールドカップ」の会場として名乗りを上げるためではあったが、同時にJリーグの誘致も考えていた。
しかしながら、札幌ドームには「具体的な経営計画」があったとは思えない。当初は、コンサドーレ札幌の本拠地として活用するほかは、アマチュアスポーツや様々なイベントの活用を考えていた。また、災害時には大規模な「避難場所」になることも想定された。
ビジネス的な欠損が出た場合は、札幌市が公費で補填するのが前提だったはずだ。

そして札幌ドームは、主として行政職員の「天下り先」を増やす目的で、指定管理者として第3セクターの「株式会社札幌ドーム」を設立した。
名目上、社長を銀行経営者にしたのは「天下り先」であることが、あからさまに目立たないようにするためだ。
株式会社札幌ドームは、札幌市職員に準ずる給与、待遇が保証された。プロパーの社員はいたが、幹部になれるのは札幌市、北海道財界からの天下り職員に限られていた。
経営がここまで傾いた今も、リストラや給与カットの声は聞こえてこない。
しかしこの時期から「箱もの行政」の批判が高まっていた。長野五輪での競技場など箱ものが「負のレジェンド」になったことが大きかった。
株式会社札幌ドームも「単体で赤字」が出せない空気となる中で、日本ハムファイターズの誘致に成功した。
21世紀に入って、NPBでは「独立採算」「地域密着」が大きなテーマになって来る。日本ハムも北海道という新しいマーケットで大いにビジネスを展開した。
しかしソフトバンクやロッテが球場を「自分の所有物」同然として、ユニークなマーケティングを展開する中「間借り人」の日ハムは非常に窮屈なビジネスしかできなかった。
そこで日ハムは札幌ドーム側に「賃料の軽減」「指定管理業務の委託」を求めた。しかし札幌市、札幌ドームにとっては「指定管理業務」は「利権の中核」だったから、それを拒絶した。
そこで日ハムは出ていく決断をしたのだが、そもそも札幌市には「採算を取る」という発想がなかったし、自分たちの「天下り利権」を手放してまで、札幌ドームの経営を健全化する筋合いはないと考えていた。
その結果が、今の状態だ。
端的に言えば、札幌ドームの今の態度は「官尊民卑」という言葉でまとめられるだろう。北海道のような地方では、中央よりも「官」の力が強い。地元のエリートは北海道大を出て道庁や札幌市役所に勤めるのが「出世コース」だったわけだ。
「せっかく作ってやって、貸してやったのに、増長しやがって」みたいな意識が抜けないから、今の惨状となった。
銀行上がりの社長が「プロ野球やらせてくれないのでね」と言って炎上したのは、事ここに至っても「自分たちは被害者」と思っていたからだろう。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
好評発売中!

https://amzn.to/47hJdhC
年度別チーム第1号本塁打は俺だ! 広島編
