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20代半ば、上方落語協会と言うところに勤めていた時、午前中はだいたい草野球をしていた。
夏になって耐え難い暑さになったので、半パンにTシャツといういで立ちでグラウンドに出たら、笑福亭仁幹という噺家に
「お前、痛い子みたいなかっこはやめろや」と言われた。
40年ほど前は、草野球のドレスコードでさえも「半パンにTシャツはNG」だったのだ。
それを堅気の衆ではなく、芸人に注意されたのでよく覚えている。

その頃は、ええ歳をしたおっさんが「半パン」などはあり得なかったのだ、最近はそうではない。

今日、私は北海道に行くために空港に向かったのだが、そのいで立ちは野球帽にTシャツ、半パンだった。
昭和の昔なら、たとえ遊びに行くのであっても、飛行機に乗るならジャケットを羽織るか、夏場であってもせめて半そでワイシャツとか、ポロシャツくらいは着るべきだったはずだ。
当然、下も脛丸出しの半パンではなく、スラックスとか、足首まであるパンツだったはずだ。

しかし、そういうのがどんどん崩れつつある。私のようないい年をこきまくったじじいであっても、半パンでどこだって行くのだ。

そうなったのには、外国人が増えたのが大きいだろう。やつらは、数千キロも離れた日本に来るのに、半パン、Tシャツどころか、下手をすればタンクトップみたいなのでやって来る。女性でも、昔の年寄りがみれば「川でも渡りなはるか?」「井戸替えの手伝いでもする気か?」という格好をしている。露出が多い方がおしゃれなんだそうで、変なタトゥーも見せびらかしたりするのだ。
彼らがすごいと思うのは「そういうのがふさわしい」体形でなくても「そうする」ところだ。すさまじいウエストのおっさんやお姉ちゃんが「そういう格好」でうろうろしている。自信があるのだろう。

それに影響されて、日本人もどんどん軽装になる中、私もそんないで立ちで旅をするようになった。なんたって楽なのがよろしい。
私が、そういう格好になったのは、最高で83㎏もあった体重が65㎏まで落ちたのが大きい。太っていたころは、みっともないほど腹が出ていて、Tシャツ、半パンなどになったら「裸の大将」みたいだった。
今もスタイルがいいわけではないが、多少見られる体形になったこともあり、Tシャツ、半パンでどこでも行っている。

しかしながら、ひとたびこの楽ないで立ちになじむと、もはや元の重装備には戻れない。今回の旅では、最終日にホテルでちょっとした会合があるのだが、もうジャケットは持ってきていない。ポロシャツに長ズボンで押し通そうと思っている。

私は「着るもの」には、何のポリシーもないので、もっと温暖化が進んで、世間が「パン一」になったら、私もそれでいいかなと思っている。
「安心してください、履いてますよ」と言いながら、飛行機に乗り込むのもまた楽しいかもしれない。

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 写真は「イメージ」です。



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