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今年の夏の地方大会、甲子園、計10試合を観戦して、意識したのは「暑さに耐えられるか」だった。
一般の観客席に試合開始から着席して、スコアを付けながら試合終了まで観戦する。
私自身は、直射日光が照りつける客席での観戦は耐えられなかった。屋根や庇、木陰のある所に退避して観戦したが、中にはカンカン照りの中でずっと観戦する人もいる。いわゆる「暑熱順化」もあって、中には暑さに強くなる人もいるのだ。

スタンドの応援団の多くは日陰のないスタンドで2時間以上も「あげあげほいほい」とか応援をしている。彼らこそ「熱中症最前線」という感じだが、野球部員はベンチ入り選手に混じって連日炎天下で練習している。「暑熱順化」は進んでいるはずだ。
吹奏楽部や一般学生は、そうではないから、かなり心配なはずだ。応援団にはサポートする学校関係者、父母がついていて凍ったペットボトルの飲料などを差し入れていたし、体調不良になれば日陰で休ませたりしていたが、ここに来るのがつらい人も結構いたのではないか。

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グラウンドで野球をする選手たちは、テンションが最も高い。2時間程度であれば酷暑の中でもプレーできる選手は多い。甲子園に出るような選手は、口をそろえて「試合よりも練習の方がきつい」という。炎天下で厳しい練習をしているわけで「暑熱順化」は最強レベルになっている。スタンドよりもリスクは低いかもしれない。
それに甲子園のベンチ内は25度ほどで冷房されている。ベンチに飛び込めば、一気にクールダウンできる。クーリングタイムもあり、選手の環境はかなり改善されている。
多くの地方球場でも、ダッグアウトは別にして、バックネット裏の会議室や本部席などはエアコンが利いている。クーリングタイムのときは、ここで体の熱を冷ますことができる。

審判は選手よりも高齢で、しかもベンチ内で涼む時間が短い。おそらく一番リスクが高いはずだが、選手の健康状態をチェックするなど、この試合の責任者としての使命感で必死に頑張っている印象があった。それでも足をつったり、熱中症の初期症状が出て予備の審判と交代する例が、散見された。

こうしてみると「夏の甲子園」の問題は、一人選手や指導者の問題だけでなく、甲子園に行って試合を見たり、関わったりする「すべての人々」の問題であることがわかる。

期間中、甲子園が満杯になることもほとんどなくなった。

要するに「やる側」以上に「見る側」「携わる側」がしんどくなってきていると言うことも、考えるべきだろう。

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