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昔は、一人の人物の一生を描くようなドラマの場合「老け化粧」をしていた。
眉毛を白髪にすると一気に目立つ。顔に皺を書いて、髪にも白いものを増やして老人の演出をするものだったが、最近のドラマはあまり「老け」の演出をしない。

恐らくそれは、実在の我々があまり老けなくなったからだろう。昔は50歳は立派な中年、60歳で初老、65歳で年金ともなれば、立派な老人だった。

しかし、今の50歳は本当に若い。壮年ではあるが中年とは言えない。60歳でも現役第一線がたくさんいる。何しろカマラ・ハリスは59歳で、アメリカ大統領選の「老人問題」を一気にクリアしたのだから。

私は今月65歳になるが、全く老けた感じがしない。ただ、この間北海道のサマーキャンプの打ち上げで酔いつぶれて、その写真を撮られたが、頭頂部がすごく薄くなっていたのはショックだったが。

寿命が延びると言うのは「年寄りの時間が長くなる」のではなくて「年寄りになるまでの時間が長くなる」ことでもあるのだ。

だから、ドラマでも中年、老年になってもそれほど「老け化粧」をしない。
ただ、それが不自然なことも多い。
今、一番気になっているのは「虎に翼」の岡田将生だ。彼は主人公の伊藤沙莉演じる寅子と再婚するのだが、寅子は40代半ば、岡田は50歳に近くて、成人した子供が二人もいるのだが、あまりにも若々しすぎる。髪に白いものを混ぜているが、皺もないし、実年齢の35歳にしか見えない。
要するにこの役者は「正統派の二枚目」であって、生硬い感じが魅力なだけあって、深みのある演技は難しい。ましてや「年齢の表現」は難しいのだろう。
かなり不自然な感じがしている。

伊藤沙莉がすごいと思うのは、彼女はまだ30歳で、実年齢よりはるかに上の人物を演じているのだが、30歳を演じるときには30歳、そして40代半ばを演じるときにはその年齢の雰囲気を醸し出すことができるということだ。

しかも、これは現代劇ではなく、近現代の「時代劇」だ。1950年代の40代半ばは初老と言ってよい年齢で、50歳で定年だったのだ。それを考えると岡田将生の「若すぎ」はさらに異様に感じられる。そして伊藤は「60年前の40代半ば」を無理なく演じているのだ。
「老け」を自然に演じることができるのは、名優と言ってよいのではないか。

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