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中日の試合を見るたびに「立浪和義と言う大選手の小ささ」が気になっている。
身長173㎝体重74㎏、もちろんNPBにはもっと小さな選手がたくさんいるが、2480安打を打ち、NPB史上最多の487二塁打を記録した「史上最高の中距離打者」が、これほど小さかったかとあらためて思う。

PL学園時代から立浪のバットは傑出していた。先輩の清原和博のような豪打はなかったがコンスタントに安打が出て、長打も打った。打撃センスは抜群だったのだ。

そして中日に入団以後は、上位、中軸、下位でいい仕事をするとともに、二塁、遊撃、三塁で内野守備の要としても活躍した。

そうした点だけを見れば、立浪和義には「中日の采配を執る資格」があったのは間違いない。NPBでは現役時代の大選手が、指揮官になるのが通例だったのだから。

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しかし、今の野球は「俺は昔チームの大黒柱だったから」という理由だけで、選手が言うことを聞くわけではないし、チームが勝つわけでもない。中日は親会社が「斜陽産業」であり、資金力には限界がある。バンテリンドームは自社グループの持ち物だから球場使用料の心配はないが、FAで大物選手を獲得するような余裕はないし、外国人選手のルートも落合博満、森繁和のラインが細くなって消えてしまった。

立浪和義が引き受けたドラゴンズは「限られた予算でやりくりする」チームだったのだ。当然、そこには「人を活かす知恵」「人をその気にさせるコミュニケーション」などが必要だったはずだ。
しかし立浪にはそうした「知的采配」ができるような資質に欠けていた。
彼はコーチなど指導者の経験もほとんどなかったし、大学院でコーチングを学ぶようなこともしなかった。
ただ「俺が監督になれば、チームは強くなるさ」という根拠のない「自信」で采配を執ることになったのだ。

彼が選んだコーチ陣を見ても「昔の連れ」や「気の合う仲間」が多くて、指導者として定評のある人は少ない。

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その結果としての2年連続の最下位、今季もCS出場は厳しくなっている。
こんなはずではなかったという思いもあろう。
同じような立場で日本ハムの監督になった新庄剛志は、試行錯誤を繰り返しながら「自分のチーム」を何とか作り上げようとしているが、立浪にはその「賢さ」も見えなかった。

昨年オフにあたかも「見切り市」で掘り出し物をあさるように、中田翔、中島裕之、上林誠知と「名前だけ一流」の選手を獲得したが、シーズン終盤の今、誰も出場していない。この「底の浅さ」が、今の立浪中日なのだ。

しかしこの結果は立浪の実績からして「最初から分かっていた」ともいえる。こうした人事を安易にした中日球団、親会社の責任も大きいだろう。

来季、中日はどんな陣容になるのか、今から注目ではある。




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