JBpressで、日本野球のビジネスモデルについての連載を始めている。これ、まとまった形で書いてみたかったのだ。
第1回で高校野球が、朝日新聞、毎日新聞によって「ビジネスモデル」となったことを書いた。結局、新聞も高校野球も「甲子園」という大きな舞台を得たことで、ステイタスを得て、ビジネスを成立させてきたのだ。ただ、そのビジネスモデルは完全に行き詰まっているが。
読売新聞は、正力松太郎が買収してから、東京の一地方新聞から脱却して朝日、毎日に比肩する大新聞になるべく様々に動くようになった。
その一環として「職業野球」に手を出したわけだ。朝日、毎日が高校野球で「拡販ビジネス」に成功した事例を踏まえたことであっただろう。
しかし、それは戦前まではうまくいかなかった。社会が右傾化、保守化する中で、日本スポーツは過度の「アマチュアリズム」に染まっていったのだから。
実は野球を巡るビジネスモデルには、もう一つあった。阪神甲子園球場と阪神電鉄の関係に代表される「運賃収入モデル」だ。
戦後、プロ野球チームが拡大し、2リーグに分立するに際して、正力松太郎は新聞と電鉄に声をかけた。佐野眞一が「正力とナベツネは全然違う」と言っていたのは、ナベツネが自身のステイタスを維持拡大することに汲々としているのに対し、正力は「業界全体を創出する」という巨大な「構想力」を持っていたからだ。
正力はライバルの中日新聞や毎日新聞にも声をかけて「プロ野球」をナショナルパスタイムにしていったのだ。
さらに阪神電鉄に倣って、国鉄、西鉄、東急と電鉄会社を巻き込んで「運賃収入モデル」も拡大させた。
プロ野球は正力松太郎の「構想力」でできたのは間違いないだろう。ただ、正力は「親会社の道具」としてのプロ野球を構想したが、プロ野球球団そのものをビジネスとはとらえていなかった。結局、NPBは今に至るも「独立採算」にはなっていないのだ。このあたりが限界だったわけだろう。
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その一環として「職業野球」に手を出したわけだ。朝日、毎日が高校野球で「拡販ビジネス」に成功した事例を踏まえたことであっただろう。
しかし、それは戦前まではうまくいかなかった。社会が右傾化、保守化する中で、日本スポーツは過度の「アマチュアリズム」に染まっていったのだから。
実は野球を巡るビジネスモデルには、もう一つあった。阪神甲子園球場と阪神電鉄の関係に代表される「運賃収入モデル」だ。
戦後、プロ野球チームが拡大し、2リーグに分立するに際して、正力松太郎は新聞と電鉄に声をかけた。佐野眞一が「正力とナベツネは全然違う」と言っていたのは、ナベツネが自身のステイタスを維持拡大することに汲々としているのに対し、正力は「業界全体を創出する」という巨大な「構想力」を持っていたからだ。
正力はライバルの中日新聞や毎日新聞にも声をかけて「プロ野球」をナショナルパスタイムにしていったのだ。
さらに阪神電鉄に倣って、国鉄、西鉄、東急と電鉄会社を巻き込んで「運賃収入モデル」も拡大させた。
プロ野球は正力松太郎の「構想力」でできたのは間違いないだろう。ただ、正力は「親会社の道具」としてのプロ野球を構想したが、プロ野球球団そのものをビジネスとはとらえていなかった。結局、NPBは今に至るも「独立採算」にはなっていないのだ。このあたりが限界だったわけだろう。
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