
保守派の外交官僚であるジョン・ボルトンがNHKのインタビューに答えている。
ボルトン元補佐官が斬る どうなるトランプ外交?
昔ながらの共和党員、保守派にとっては、トランプはおそらく危なっかしくて仕方がない存在ではある。
「トランプ氏の外交政策を表現することは非常に難しい。なぜなら、彼には哲学と呼べるようなものはなく、国家安全保障の世界観もないからだ。
彼は通常とるようなやり方で政策を実行せず、多くの場合は直感か、それぞれの国の指導者に対する自分自身の評価などに頼っている」
という言葉に、すべてがあらわされている。ただ、トランプの行き当たりばったり、手当たり次第の人気取り政策が、たまたま共和党の考え方と合致し、国益に沿っているならば「結果オーライ」ではある。
しかし、定見のないトランプは矛盾に満ちた政策でも平気で行う。
中国由来のSNSのTikTokのアメリカでの使用を禁止するとしたのはバイデン政権だが「中国叩き」を人気取りに利用していたトランプもそれに同意していた。
TikTokは、中国資本であり、自由主義社会に広く普及しているが、中国政府はTikTokを通じて他国の人間のやりとりを把握することができるし、中国の主張を流すこともできる。TikTok側は「企業の独立性は維持している」というが、中国は自国のすべての企業を支配しているから、極めて怪しい。TikTokの使用禁止は、西側の安全という観点からは理にかなった政策ではあった。

危機感を抱いた中国は、TikTokをトランプの盟友のイーロン・マスクに売りつけようとしている。モラルが欠落したビジネスマンであるマスクはこれに応じる可能性がある。
トランプがTikTok使用禁止を延期しようとしたのは、こうしたやりとりが背景にあるのだろう。
ボルトンは、トランプが対中関係で軟化することに警戒心を抱いている。
「“対中強硬派”と見られている多くの人たちがトランプ政権入りすることになる。
こうした人たちは、クアッド(日米豪印)や日米韓、AUKUS(米英豪)と言った枠組みが、中国を封じ込め、状況が悪化する事態を防ぐのに非常に有効であることを理解している。
私は彼らが『こうした枠組みは大事なのだ』とトランプ氏を説得してくれることを望んでいる。たとえこうした枠組みはバイデン氏が推進したものであっても、『よいものはよい』とアドバイザーたちは説得しなければならない」
習近平は、同じ独裁者としてトランプを懐柔できると思っているのではないかと思う。イーロン・マスクは中国と組むことには何のためらいもないだろうから、アメリカと中国が接近するという「最悪の事態」も夢想とは言えない。
そうなれば台湾、日本、東南アジアの安全保障は激変する。中国では「沖縄はもともと中国の属国」という主張を流し始めている。
アメリカの保守派は米中接近に反対するだろうが、トランプを支持する愚かな人々は、複雑な世界情勢など理解していない。
この悪夢の唯一の救いは「トランプの大統領の任期が経った4年しかない」ことではないかと思う。
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彼は通常とるようなやり方で政策を実行せず、多くの場合は直感か、それぞれの国の指導者に対する自分自身の評価などに頼っている」
という言葉に、すべてがあらわされている。ただ、トランプの行き当たりばったり、手当たり次第の人気取り政策が、たまたま共和党の考え方と合致し、国益に沿っているならば「結果オーライ」ではある。
しかし、定見のないトランプは矛盾に満ちた政策でも平気で行う。
中国由来のSNSのTikTokのアメリカでの使用を禁止するとしたのはバイデン政権だが「中国叩き」を人気取りに利用していたトランプもそれに同意していた。
TikTokは、中国資本であり、自由主義社会に広く普及しているが、中国政府はTikTokを通じて他国の人間のやりとりを把握することができるし、中国の主張を流すこともできる。TikTok側は「企業の独立性は維持している」というが、中国は自国のすべての企業を支配しているから、極めて怪しい。TikTokの使用禁止は、西側の安全という観点からは理にかなった政策ではあった。

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ボルトンは、トランプが対中関係で軟化することに警戒心を抱いている。
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習近平は、同じ独裁者としてトランプを懐柔できると思っているのではないかと思う。イーロン・マスクは中国と組むことには何のためらいもないだろうから、アメリカと中国が接近するという「最悪の事態」も夢想とは言えない。
そうなれば台湾、日本、東南アジアの安全保障は激変する。中国では「沖縄はもともと中国の属国」という主張を流し始めている。
アメリカの保守派は米中接近に反対するだろうが、トランプを支持する愚かな人々は、複雑な世界情勢など理解していない。
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