次の登板が迫っている斎藤佑樹だ。気が早い(変わり身が早い)スポーツマスコミは、「斎藤佑樹、エースの意地」などと、いつの間にかエースの名を冠してる。
田中将大が腰痛で復活のめどが立たない中、昨年とはすっかり立場が置き換わった感がある。
何が良くなったのか、昨年と比較をしてみる。NPは投球数。

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/RSはトータルの数字(先発試合)を先発試合数で割った単純なものだが、昨年は5.89回を投げて6.78安打を打たれ、自責点1.78だったのが、今年は7.75回を投げて6.25安打を打たれ、自責点1。三振は3.44から4.25へ。四球は2.06から2.75へむしろ上昇。

この数字を見る限り、斎藤佑樹は少しだけよくなったという程度だ。しかし、評価は昨年とは隔世の感がある。なぜなのか?

秘密は投球数にあると思う。

NP/IPは、1回あたりの投球数。16.80から14.13に減っている。1回あたり2.67の減少は、非常に大きい数字だ。

NP/IPは安打を打たれたり、四球を出せば増加する。この部分が改善されたということだ。
しかしそれだけではない。NP/BF=打者一人当たりの投球数は3.81から3.45に改善された。恐らくこの数字の変化が最大の要因だ。

昨年、規定投球回数に達した投手でこの数値が一番良かったのは、パは武田勝の3.43、セはバリントンの3.55。ちなみにMLBではジェフ・カーステンス(PIT)の3.53だった。

わずか0.36の減少ではあるが、この数字が改善されたことによって、斎藤佑樹は2回近くも投球回数が伸びた。球数を減らすことがいかに重要かということだ。

恐らく斎藤佑樹は、球数を減らし、勝ち味を早めることを意識しているはずだ。

もうひとつ、RS(Run Support)つまり味方の援護が昨年の2.22から4.75と倍増している。十分な得点差を得て、悠々と登板していることが分かる。

ただし、4月13日の田中将大との投げ合いでは、昨年と変わらない数字の斎藤佑樹がいたことを考えれば、状況が変われば齋藤の数字は元に戻る可能性がある。

シーズンを通してこの数字を維持できれば、斎藤佑樹は217回を投げ21勝を挙げることになる。取らぬ狸ではあるが、注目したい。

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