スポーツニッポン4/27より

プロ野球巨人の契約金超過問題で巨人は27日、朝日新聞の一連の報道が選手や球団の名誉を損ねたとして、同新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」に訂正記事とおわびの掲載を求めるよう、申し立てたと発表した。
これは訴訟とは別の動き。巨人は、「おたくの記事は人権侵害ですよ」と、朝日新聞のお目付け役に言いつけたのである。
「報道と人権委員会」とは、朝日新聞のサイトによると、

取材・報道で名誉を傷つけられたり、プライバシーを侵害されたりしたという訴えに対応するため、社外の識者が委員を務める常設の第三者機関として「報道と人権委員会(PRC)」を設けています。(中略)現在の委員は、本林徹・元日弁連会長、長谷部恭男・東大教授、藤田博司・元共同通信論説副委員長の3人です。扱う案件は1年に3~4件で、審理結果を「見解」としてまとめ、必要な場合は朝日新聞社に是正措置等を求めます。

要するに最近、マスコミ報道に対して風当たりが強いので、「ちゃんとチェックしていますよ」というポーズをするために設けた組織だ。

アメリカの新聞などは内部の監査機関が、自社の記事の捏造や不正などを大々的に取り上げることがあるが、日本の新聞ではそういう例はほとんどない。自浄能力を期待できるレベルのものではない。せいぜい年に数回「やりすぎなさんなよ」とたしなめる程度だ。

讀賣新聞、巨人だって、そんなことは重々承知のはずだ。朝日新聞が猛省をして「お詫びのコメント」「記事の修正」をするとは思っていない。

叩いても痛くない子供用のプラスチックバットで、相手の頭をぽこんと叩く程度の攻撃だ。

巨人とともに現在も球団に在籍する4人の選手が申立人になっているようだ。
「このまま黙っていたら記事が本当だったように受け取られ、自分の野球人生を否定されてしまう」「悪いことをしていないのに悪いことをしたように書かれるのは腹立たしい」
これで本当に社会人か、と思うようなたどたどしいコメントだ。
そもそも「人権侵害」とは、政治や宗教間の争い、社会的不正などで、人間の尊厳、生活、生命の危機にある人が訴えるための重たい言葉だ。
焼け太りのように大金をもらったスポーツ選手が「財布の中身を知られた」と騒ぐようなときに使う言葉ではない。

巨人は
契約金とは性格の異なる「報酬加算金」という制度を導入したことを朝日新聞側に説明したにもかかわらず、報酬加算金まで契約金に含めて報じたことを問題視。4選手の実際の契約金は合計8億5000万円だったことを公表し、4選手合計26億円と報じた朝日新聞社は誤報だと主張。

入団時に選手側に金を渡したことに変わりはない。姑息な「付け替え」を、取材側に尊重せよと言っている。「厚顔」という言葉を知らないのか。そういう操作をしても4人合計8億5000万円は、一人1億5000万円の「目安」を超えている。

巨人は、本気で反論をする気なら、他の選手も含めた契約金やその他の金の流れについて、全部公表して、「天に誓って、問題のあることはしておりません」と申し開きをすべきだ。

朝日新聞広報部は
「報道と人権委員会は社外の専門家、識者による第三者機関ですので、その手続きや判断を見守りたい」
とコメント。

この生ぬるさ、切れ味の悪さがマスコミを含めた今の「体制」のありようを象徴している。問題があるのに、それに本気で取り組む気はさらさらない。眉根にしわを寄せて「困ったもんだ」というポーズをするだけである。新聞社は斜陽だが、まだ十分にキャッシュフローは回っているのだ。

しばらくたって、みんなが忘れたときに、朝日新聞にべた記事が載るだろう。

「名誉、プライバシーの侵害、認められず。報道と人権委員会発表」。

時間と紙面の浪費である。



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