規定投球回数に達し、二桁を上げた投手が4人もいて、ポストシーズンにはるかに及ばなかった。ここにロサンゼルス・ドジャース=LADの特殊な事情が象徴的に表れている。
LADの投手成績。昨年と今年。各STATSのナリーグ16球団での順位、各数値の昨年対比を入れた。

LAD-2011-PITCH







クレイトン・カーショウ、黒田博樹は、ともに8月以降に一段と投球が冴えた。投げればほぼQSという安定感。なかでもカーショウは、5完投、248三振があらわすように、スタミナも球威も抜群だった。この二人に続くリリーとビリングズリーもリーグの水準以上の成績。若手のカーショウ、ビリングズリーとベテランの黒田、リリーという取り合わせも良かった。
しかし4人の先発の合計の勝敗は、57勝46敗。11の勝ち越しでしかない。ここにLADの問題点が凝集される。援護射撃が弱すぎるのだ。
前半戦は、投打の歯車がかみ合わず、黒田などはQS黒星が相次いだ。その背景には、オーナー夫婦の離婚問題に端を発するお家騒動が全米に広く喧伝され、野球どころではなくなったという問題もあっただろう。強いチームは現場だけでなく、フロント、経営陣もしっかりしているものなのだ。
チームのクローザー、ジョナサン・ブロクストンは5月3日に戦線離脱、そこでケンリー・ジャンセンを起用したが、新人のハビー・グエッラを抜擢したところ、見事にその任を果たした。これは大きな収穫だった。
フラッグシップディールをけってチームに残留した黒田博樹はFAになった。8月以降男気を見せた黒田だが、その志を全うする気なら、もう1年LADで投げるべきだろう。整備されつつある投手陣の中核として、ポストシーズンを経験してから日本に帰っても遅くはないはずだ。
お家騒動に決着がついたLADの来年はかなり明るいと思うのだ。

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