オークランド・アスレチックス=OAKは、クリスプとスズキが復帰。しかしセスぺデスもインジも出ず。今日の捕手はマーティンではなくスチュワート。
hiroki-Kuroda20120527





このところ黒田は1回からスプリッターを投げている。頼みの綱のシンカーに自信がないのか。立ち上がり、ウィークスに低めのシンカーを弾き返されて一塁へ。嫌なランナーを塁に出した。クリスプは右飛、当たっているレディックの時にウィークスは二盗。レディックは三球三振。4番セス・スミスの時にウィークスは三塁に走ってアウト。スチュワートの肩。どんな形でも零封するのがベストだ。
この裏、アンドリュー・ジョーンズの一発が出る。

1回に失点するケースがきわめて多かった黒田だが、これで完全に立ち直った。OAK打線はレディックのほかに怖い打者がいないこともあり、2、3、4回と三者凡退を続けた。

ゴロよりもフライが多い。黒田の球は必ずしも低めに行っていなかったが、OAK打線が打ち損じてくれた。

しかし黒田が投げると援護点が入らない。1対0のままで回は5回へ。相手のミローンも7勝目がかかり好投している。この回、セス・スミスがセンター前に運び、久々の出塁。しかしスミスの緩慢な走塁もあって併殺。次打者ドナルドソンにも安打を打たれたが、バートンを遊飛に打ち取って事なきを得た。

6回はわずか8球で三者凡退。ここまで79球。

J Sportsの解説は報知新聞蛭間豊章記者。映画「アルカトラズの脱出」(1979)で、クリント・イーストウッド扮する天才脱獄犯のフランク・モリスが、ドジャースがニューヨークからロスに移転したのを知らずに「ドジャースはどうなんだ」と聞くシーンを紹介していた。私はこの映画をテレビでしか見ていないが、あのシーンのたびに「どういう意味かわかる?」と自慢げに家族に聞いて(鬱陶しがられて)いたのを思い出した。
実在のフランク・モリスはワシントンDC出身。ブルックリン・ドジャースファンだったのだ。ドジャースは58年に西部に移転しているが、モリスはその頃にはすでに刑務所に収監されていた。60年にサンフランシスコのアルカトラズ刑務所に移送され、62年に脱獄事件を起こした。
そういう歴史の妙味、わかる人少ない。さすが蛭間記者。こういう「映画の中のMLB」ピックアップしても楽しいだろう。

7回、表に味方が1点加点。クリスプが安打で出ると1死後盗塁。盗塁を気にするあまり、セス・スミスを歩かせる。変化球が決まらない。この試合最大のピンチだ。コーチがマウンドにやってくる。救援投手が肩を作り始める。その直後、クリスプが三盗。「マネーボールはどこへ行った」と言いたくなる戦術だ。しかしカアイフーとドナルドソンを打ち取って事なきを得た。すでに97球。

8回はわずか7球で三者凡退。104球。抑えのリベラがいない中、完封させるかなという期待もなくはなかったが、

9回はラファエル・ソリアーノがマウンドへ。
この日の黒田の球速が150km/hを超えたのは1球だけ。持ち球シンカーの威力は明らかに落ちている。ゴロアウトが少なかったのは、そうした影響もあろう。

黒田博樹は今、持ち球の再整理をしながら、ベテランの坂を上ろうとしているのだろう。

OAK打線が弱体だったこともあり、今日は好投したが、決め球が衰えている中で、黒田の苦労は今後も続くと思われる。

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