古典的なお家騒動が勃発しているNPBだが、海の向こう、MLBではまたリーグの枠組みを変える改革が発表された。
現在のMLBはアリーグ14球団、ナリーグ16球団だが、この不均衡を是正するためナリーグ中地区のヒューストン・アストロズ=HOUがアリーグ西地区に2013年に移籍するという。リーグをまたがった移籍は94年のミルウォーキー・ブリュワーズ=MILの移籍以来だ。思い切ったことをする。
1901年の2リーグ分立後のMLBの球団の遷移を見ていきたい。チーム名などの変化は一部省略。

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110年に及ぶMLBの歴史を見ていると、1970年代からエクスパンションが始まり、ここ20年でチーム数が大きく広がったことがわかる。この時期のコミッショナーはユべロス、ジアマティ、ヴィンセント、セリグと変わったが、MLBはナショナル・パスタイムからスポーツ・ビジネスへと大きく変わった。自ら市場を開拓し、巨額の富を得るようになった。
本来ならアリーグに2球団を新設して均衡させたかったのだろうが、景気の低迷もありそれがならず、HOUの移籍となった。
HOUは今季両リーグで唯一の100敗チームであり、オフには身売りされた。新規まき直しという意味でも再来年からのアリーグ移籍を了承したのだろう。
ただアナ両リーグともに15球団となり、常に1球団が休みになってしまうので、シーズン通してインター・リーグを行うこととなった。これ、便宜的な措置だが、アナ両リーグの交流がさらに深まるという点で大きいかもしれない。
しかし、これは暫定的な措置だろう。おそらくアナ両リーグで1球団ずつの拡張を目指すのではないか。
もう一つ、来年からポストシーズンがさらに分厚くなることが濃厚だ。ワイルドカードが2チームに増え、その2チームによる1試合のプレーオフの勝者が地区シリーズに進むという。今年は両リーグともにワイルドカード争いが熾烈を極めたが、これが特別ラウンドに持ち越されるということだ。しかし今年のような僅差の争いなら意義はあるだろうが、数ゲームも離れた2チームがたった1試合で決着をつけるのは、どうだろうか。この制度はまだ議論の余地があるように思う。
良いと思ったことが、どんどん実行に移される。何をするにもごたごたともめてこう着するNPBから見れば、このフットワークの軽さは素晴らしい。

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