よせばいいのに、と思うが、オリックスが韓国野球の最強打者李大浩の獲得に動いているという。今年、李承燁、朴賛浩という大物韓国人選手を獲得したものの大きく期待を裏切ったはずが、懲りないことだ。
韓国メディアは、例によって「李大浩なら通用する」という論調の記事が踊っている。コリアンパワーをチームの主軸に置くというアイディア自身は、大阪のチームでもあり、悪くはないと思うが、残念ながら彼らはNPBでは通用しないのだ。

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今季の李大浩は、一時期まで三冠王確実と言われたが、最後はしりすぼみだった。194cm135kgという大男。巨大な下半身の上に長い胴体が座り、その上になぜか細面の顔が乗っている。シロクマのような風貌の選手だ。肥満と言っても中村剛也などとは全く違うタイプ。
2009年のWBCのときもそうだったが、守備は使えない。三塁でも一塁でも、バタ足であたふたと球を追いかける。日本選手はバントを多用して、この選手をやすやすと無力化していた。三振が少ないことからもわかるように、バットコントロールはよく、やわらかい打撃には見るべきところはある。パワーもあるが、なんといっても狭いKBOの球場で打った本塁打だ。相当割り引いて考えなければならない。
非凡な才能を持つ打者なのは間違いないが、日本の世知辛い野球に通用するまでに本人が疲れ果ててしまうだろう。何度も紹介しているが、KBOのスター選手は高校時代からエリートで、下積みの苦労を全くしていない。逆境に弱いのだ。
ただ、これまでの韓国人選手のNPBでのプレーを見ていると、使いようによって戦力になるケースもあることがわかる。
それは「不振でも降ろさない、代えない」ことだ。昨年の千葉ロッテは、金泰均を4番に据えて、不振の時も代えなかった。当初配球に戸惑い、不振を極めていた金だが、井口資仁のアドバイスもあって球を見極めるようになってから打点を荒稼ぎした。じっくり使うことで、実力をじわじわと発揮することもあるのだ。2006年の巨人李承燁もそうだった。反対に、打てないからと言ってすぐに引っ込めたり、代打で不規則に起用したりすると、おそらく中途半端な成績のままで終わるだろう。信頼して使い続けることで、意気に感じて成績を伸ばす。韓国人打者はそういうタイプが多いように思う。
今年は打撃不振のT-岡田を二軍に落とすなど、こらえ性のない采配が目立ったオリックス岡田彰布監督だが、それができるだろうか。「選手は信頼して使わなあかん?そらそうよ」となるだろうか。
ま、めったに見ることができない珍しい体形の選手だから、早いうちに見に行こうとは思うが。

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