昨日、ボストン・レッドソックス=BOSのケヴィン・ユーキリスが、シカゴ・ホワイトソックス=CWSに移籍することが発表された。さまざまな思いが脳裏をよぎる。
ユーキリスと言えば、松坂大輔が移籍した年にはゴールドグラブを受賞するなど、スターになりつつあった。『マネーボール』のビリー・ビーンも目をつけていたと言われるが、抜群の選球眼と、得点圏打率通算.325の勝負強さが売りだった。

kevin yukilis 20120626




バットを高々と掲げ、でっちりで、膝をリズミカルにゆする。ユーモラスな打席でのしぐさが人気だった。彼が打席に立つと「ユー!」という声が上がったものだ。トータルでは打率.286とすごい数字ではなかったが、RCは4年連続で90超え。価値の高い選手だった。

それ以上に、ボストンの顔としての存在感が大きかった。2007年の世界一の時は、マニー・ラミレス、デビッド・オルティーズとともに中軸を打った。若手のペドロイア、エルズベリーが台頭すると、彼らの良い兄貴株という印象だった。なんとなくユーキリスはずっとBOSにいるものだと思っていた。

一塁守備も堅実、ある種理想的な選手だったが、ここ3年は故障に泣いた。また昨年から一塁にエイドリアン・ゴンザレスが加入し、三塁に回ったことも負担を多くしたかもしれない。

BOSとの契約は今年まで。来年はチームにオプションがあったが行使せず、残り年俸+複数選手とトレードで移籍したのだ。バレンタインが追い出したとの話もある。

そして、CWSは、福留孝介を戦力外にして空いた枠に、ユーキリスを迎え入れたのだ。CWSはアリーグ中地区で激しい首位争いをしている。三塁のブレント・モレルがDL、オーランド・ハドソンを入れたが打撃不振。ここにユーキリスを嵌めようとしている。

一方のBOSは、三塁には新人のミドルブルックスが成長していた。まだまだ優勝の可能性のあるBOSは、今後戦力補強をするだろう。そのためにも枠を開けたということだ。

2007年の世界一を知る選手が、また一人いなくなった。一つの時代の終焉を感じる。

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