野球の記録で話したい

Baseball Stats Lounge

日本人MLBプレイヤーの2009

川上憲伸の試練|日本人MLBプレイヤーの2009-29

2010年の川上が、ローテーションの一角でスタートできるかどうかは、チーム事情によるところが大きい。エースのバスケスがNYYに移籍した。ただ、2009年最終盤に川上から先発の座を奪ったハドソンと3年契約をした。MLB通算148勝の実績ある投手だ。それを勘案すると川上はローテの5番目くらいには入りそうだが、まだ予断は禁物だ。

例によってアナリストたちの予想である。

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これも感心しない。CHONEさんの予想は川上がDL入りなどで離脱することを意味している。それは予想の埒外だ。この中ではファンのものが妥当性があるように思う。

川上は7割くらいの確率で、先発5番手に入るだろう。ここでシーズンを全うすれば31回くらい登板のチャンスがあろう。QSは20を超えているだろう。その場合の予想と、不幸にしてローテから外れ、2イニング程度のセットアッパーとしてシーズンを過ごした場合の予想をしてみた。後者の場合、ローテーションの合間を埋めることも考えられる。

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後者の場合は、年俸(3年契約3200万ドル)に見合った活躍とは言えない。川上の場合、シーズン当初に与えられるであろう先発のチャンスに、どれだけQSを重ねられるかにかかっている。

 

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川上憲伸の誤算|日本人MLBプレイヤーの2009-28

2009年のスプリングキャンプで、川上は5試合に先発し、2勝1敗ERA1.74と上々の数字を残した。期待感を持って迎えたデビュー戦はQSで初勝利を上げるも、4月の終わりには短期にDL入り。以降は、勝ったり負けたりの状態が続いた。

 Kenshin-K-01

黒田のMLBでのSTATSを参考にするなら、川上はそれを少し上回る程度のSTATSが期待できたはずだ。黒田同様にコントロールが良く、球威がある上に、2004年川上の投球を劇的に変えたと評されるカットボールも持ち合わせている。完投型ではなく、QS程度で降りる投手ではあるが、二桁勝利は間違いないと思われた。

しかし、結果は7勝どまり。12敗は痛い数字だ。

確かに掩護射撃が少ないという不運もあった。6.2回2点、6回3点での敗戦、7回無失点での勝敗なしなどもあった。13というQSの数は、川上の真の実力を表している。しかし全体的に見れば、川上は被安打が多く、四球も結構出して投球数が多かった。首脳陣の信頼を得る投球が十分にできなかったという印象だ。

9月には先発からセットアッパーに降格。バスケス、ジャージェンス、ローに次ぐ4番手だったのが、ハンソンに抜かれ、終盤は同い年のハドソンにローテのイスを奪われた。

実力はある。しかし首脳陣の信頼がいまいち、というのが川上の2009年だったと思う。

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田口壮の冒険は終わった。|日本人MLBプレイヤーの2009-22

田口のMLBでのキャリアは2009年で終わったようだ。Orixとの契約が間もなく結ばれる。丸8シーズンの挑戦は、NPBの標準的な野手がMLBでどれだけ通用するかの実験でもあった。

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イチローと同期。イチローよりも4歳年上(つまり高卒と大卒の差)だった田口は、内野手として入団したが、強肩を活かして外野に転向、以後はイチロー、本西とともに鉄壁の外野陣を組む。しかし、その成績は、打撃面だけを見ると物足りない。俊足を活かした守備面での貢献を入れて一流選手だったと言えるだろう。

2002年、FAとなってMLBに。STLに移籍したが、イチローとは異なりマイナーから這い上がる形だった。当時、何度もマイナー行きを命じられた田口の報道に接した記憶がある。

田口の野球人生のクライマックスは35歳の2004年からの4シーズンだろう。至宝プホルスをはじめ、スラッガーが居並ぶSTLでレギュラーに近い位置を獲得していくのだ。

田口の持ち味は勝負強さにあった。得点圏打率はリーグ屈指と言ってよく、この一般的なSTATSに表れない強みがトニー・ラルーサの信頼を獲得したのだろう。センターでの守備範囲の広さも持ち味の一つだった。

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田口はMLBでのAVG、SLG、OBPが少しずつではあるがNPB時代より上である。イチローや松井も含め、こんな打者は田口しかいない。田口はアメリカでの孤独な戦いの中でパワーアップを図ったのだろう。

2009年はAAAが主な活躍の舞台となった。田口の良さはラルーサ以外の指導者には理解されなかった。AAAでもMLBと大差ないSTATSを残す。ベテランではよく見られることだが、自己主張するのではなくチーム内での持ち場を自覚し、その仕事をきちんと果たそうとするからだと思う。

引退ではなく、Orixでさらにキャリアを積むというのは喜ばしい。レギュラー定着を目指してがんばってほしい。

 

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上原浩治、MLB移籍の収支決算は?|日本人MLBプレイヤーの2009-21

右ひじ腱の部分断裂によって上原のMLB挑戦は6月28日で終わった。2010年に復帰できなければ、上原はFAとなってしまう。故障が長引けば、このままMLBとは縁がなくなってしまう可能性もある。

上原については、「どうせMLBにいくのなら、もっと早くに行けばよかったのに」という言葉をかけてしまいそうになる。

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松坂と同年、同じくらいの高評価でNPBに入った上原は、たちまちセリーグを代表する投手になる。1年目の成績は抜群だった。コントロールが良く、球威もありフォークも冴えていた。投手のタイトルを総なめ。翌年以降も浮き沈みはありながら、一線級で活躍してきたが、キャリアSTATSを見る限り、それは少しずつ衰えていくステップでもあった。

上原の投手生活に決定的な影響を与えたのは、2007年のクローザー転向だった。豊田の不調に伴うチーム事情で抑えに転向、31セーブを挙げたが、本人の強い希望で翌年先発に復帰。しかし中途半端な使われ方をしたこともあり、2008年は6勝どまり。巨人と言うチームに対するロイヤリティは、この2年で大きく失われたのだと思う。

力が衰えてからのMLB挑戦だったが、その片鱗は見せた。1試合1四球と言う制球力の良さは光った。しかし被安打、とりわけ本塁打の多さが球威不足を思わせた。挙句の果ての負傷離脱である。

たらればの話で恐縮だが、98年、巨人と激しい争奪戦を繰り広げていたANAに入団していたら、当時10勝投手がフィンリー、ペトコフセクの2人と言う弱体投手陣で、エースとして活躍する可能性があったと思う。

35歳はまだ老けこむには早い。2010年の復帰を心待ちにしたい。

 

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井川は最悪のヤンキーか?|日本人MLBプレイヤーの2009-20

2009年は、とにかくディケード(10年)の終わりということで、MLBではこの10年でどうのこうのという特集が多いが、ニューヨークポストは、現地12/29に「New York's 10 worst players of the decade」という特集をした。よりによって井川がその1位に選ばれた。NYYではなく、ニューヨークのプロスポーツ選手のワーストである。

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5年総額2000万ドルで契約しながら、2シーズンでたった16試合に投げて2勝しただけ。不甲斐ない成績なのは間違いがない。その原因として、井川のMLBに対する認識の甘さ。とりわけ日米の野球文化やトレーニング法などへの理解の浅さがあったと思う。入団発表の時の中学1年生のような英語でのコメントに、その幼さがあらわれていた。

しかしながら、井川を「ここ10年でのニューヨーク最悪のプロ選手」というのは、あまりにも酷に過ぎる。AAAでの成績を見てもわかるとおり、彼はまともな先発投手だ。異文化に溶け込まなかったのは彼の責任だが、素質ある選手を活かせなかったフロントや指導者の責任も問われてしかるべきだと思う。

2011年まで続く高額の契約があるために、井川は移籍がままならない。その上に、MLB上層部の信頼を全く失っているので昇格も難しい。井川は、言いかえればMLBのマネーゲームの犠牲者でもあるのだ。

井川は、すでに日本人投手のAAAでの通算記録保持者になっているはずだ。このままあと2年、AAAで投げる選択肢もあるだろうが、このような屈辱を受けてまでそうするのが、井川にとって良いことなのだろうか。貴重な選手としての時間を浪費するのは、もう終わりにしてはどうなのか。
SEAの城島は、出場機会を得るために高額の複数年契約を破棄して日本に戻った。井川も、MLBに残るにせよ、NPBに戻るにせよ、何らかの決断をすべきときではないだろうか。

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松坂大輔の来季は?|日本人MLBプレイヤーの2009-16

実のところ、松坂は2009年のような過ちは繰り返さないだろう、という見方がすでに一般的になっているようだ。

2009年シーズン前も紹介したが、fangraphsという野球STATSの分析専門サイトが早くも主要選手の来季STATSを予測している。

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有名なアナリストのビル・ジェームスさんと、ファンの2つだが、いずれも松坂は2010年ローテーションに復帰し、二桁勝利を挙げると予想している。しかし、その成績はBOSでは3~4番手前後。二流である。

2009年秋以降の松坂は、ほぼ立ち直ったとみてよい。4試合先発してQSが3。防御率は2.22。アナリストたちの判断も、これによるところが大きいと思うが、立ち直ったところで二流の成績では、松坂の光彩は鈍ってしまうように思う。

2002年、6勝に終わった松坂は翌年には自己タイの16勝を挙げ、防御率1位、奪三振王に輝いている。これくらいのカムバックを期待したい。

節目の30歳である。松坂はタダものではないことを、日米に知らしめてほしい。

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松坂大輔をさらに分析する|日本人MLBプレイヤーの2009-15

さらに細かいSTATSで松坂を分析してみよう。

まずは、ゴロとフライの比率とストライクの比率。

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はっきり分かるのは、ゴロとフライの比率がかなり変わっていること。松坂はもともとフライを打たせる投手だという印象だったが、2009年はこの比率がさらに高くなっている。ストライクの比率は大きく変わっていない。これは、打者が思い切って振っているということではないか、威圧感がなかったのではないかと推測できる。

さらに見てみよう。球種別の比率である。

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比率は大きく変わっていない。こうしてみると、松坂はやはり速球主体に投球を組み立てているのだということが分かる。恐らくは、この速球のスピードが足りず、しかも甘かったために松坂は苦戦したのではないか、と思われる。春にスコアを確認した限りでは、松坂の球速は91マイル前後しか出ていなかった。

最後に、1試合完投に換算した四球、安打、本塁打、さらに被打率、BABIP(フェアグランドへ飛んだ打球が本塁打以外の安打になる率)、DIPS(奪三振、被本塁打、与四球に絞り込んだ投手力)を見てみる。DIPSはERA(防御率)との比較で見ていただきたい。

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四球や奪三振の比率は大きく変動していない。はっきり悪くなっているのは被打率だ。2008年は規定投球回数以上の打者で最も安打を打たれなかった投手だが、2009年は大きく下落した。被本塁打も増えている。球の威力がなかったのか、と推測できる。

松坂は、NPB時代後半はERAとDIPSは拮抗していた。投手自身の責任ではない要素(野手の間を抜く安打、ファインプレー、審判の判定に左右される四球など)が含まれるERAと、投手の純粋な責任能力を表すDIPSが拮抗しているということは、NPB時代の松坂は実力に見合ったSTATSだったということだ。しかし、MPBに移って2年目の2008年は、ERAの方がDIPSよりもかなり良くなっている。この数字で見る限り、2008年の松坂は実力以上のSTATSを残したということになる。フロックとまでは言わないが、調整不足に加えて、松坂自身の過信が、2009年の陥穽を生んだという面も否めないのではないだろうか。

 

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松坂大輔のGAME by GAME|日本人MLBプレイヤーの2009-14

以下は、松坂大輔のレギュラーシーズンとポストシーズンの全登板記録である。

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1試合1試合見てみると、いろいろなことがわかる。2008年春先の見事な8連勝の間も、松坂は多くの四球を出している。また失点もしている。しかし肝心なところで抑えがきくから白星となったのだ。

好調な時でも立ち上がりによく打たれた松坂だが、2009年は特に1回に集中して打たれた。以後歯止めが利かなくなってずるずると失点を続けることが多かった。2009年の4月~6月はQS1試合もなし。

子細に試合記録を追いかけてみて、意外に思ったのは、今年の松坂の打者1人に対する投球数(PIT/BF)が少ないこと。予断では、今年は打者を料理するのにもたついて、投球数が増えているのかと思ったが、逆で、むしろ少なくなっている。夏以前の最後の登板となった6月19日などは2.91球しか投げていない。追い込む前にどんどん打ち込まれていたのだ。

好調な時の松坂は、投球数をたっぷりと使って打者を打ち取る。打者は追い込まれるまで手が出ないことも多いのだ。

9月に復帰してからは、松坂は本来の投球を取り戻しつつあったと思う。4試合中3試合がQS。我々はここに来季への光明を見出すのだ。

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松坂大輔は今年どうだったか?|日本人MLBプレイヤーの2009-13

今年の松坂は、WBCのときから決して調子は良くなかったと思う。3試合で3勝したが、14.2回を投げて14安打、5四球。WHIPは1.30であり、結果論としてMVPをとったものの、満足いく投球は3月15日のキューバ戦くらいではなかったか。相変わらずの勝負強さは見せつけたが、本人として納得いく数字は挙げていなかったと思う。

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これは後知恵でいうのだが、WBCの時から松坂は相当太っていたように思えた。そのためにバランスが悪く、体重が後足に残ったままでボールをリリースしていた。いわゆる手投げである。

松坂は好調な時でもWHIPは1.3前後。四球が多いためにる容易に出塁を許す。しかし、そこからが真骨頂であって、ランナーを背負ってからの打者との勝負に抜群に強かったのだ。いわば、僅差の勝負をモノにすることで勝ちを収める。まさに勝負師の面目躍如だが、それだけに微妙な体のバランスを失うと一挙に劣勢になる。

2009年のように調整不良のままで試合に臨むと、結果は無残なものになるのだ。

松坂はNPB時代にも一度成績が落ち込んだ年がある。この2002年は右ひじを負傷したのが直接の原因だが、前年に4000球も投げたことも大きい。やはり、疲労や登板過多などは、松坂のようなタフな投手でも大きな負担となるのだ。

次回以降、詳細に松坂の投球内容を見てみよう。

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イチロー、守備は衰えていないか|日本人MLBプレイヤーの2009-15

最後に守備のSTATSを子細に見てみよう。守備位置についたイニング数(INN)、総守備機会(TC)、守備率(F%)、レンジファクター(RF)、ゾーンレイティング(ZR)は、MLB全体での順位を表示した。

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守備の評価は、守備範囲の広さと確実さで知ることができる。1つ1つの評価基準は必ずしもその選手の守備能力を正確に表しているとは言えないが、いくつかの指標をトータルで見るときに、おおよその守備力はわかる。

イチローは、どの数字でも常にリーグ上位にいる。ライトでもセンターでもリーグ屈指の存在であるのは間違いがない。ゴールドグラブを9年連続で受賞したのも当然だと思う。

2009年は数字的に見ればやや陰りが見えたように思われるが、この程度の下落では衰えたとまでは言えない。ゴールドグラブはSTATSだけでなく、プレーの姿や相手に対する威圧感なども評価基準になっている。イチローはそうした総合力で選ばれたのだと思う。

ただ気になるのは、昨年ころから集中力を欠いているのではないか、と思えるような失策がごくたまに見られることだ。これが衰えだとは思いたくないが。

数字だけで見れば、ネルソン・クルーズ(TEX)や、秋信守(CLE)は、イチローを上回っている。2010年は数字的にも上回る成績を残してほしいものだ。

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イチローの足が気がかりだ|日本人MLBプレイヤーの2009-14

実は、結構気合をいれて、イチローの状況別STATSを表にしていた(表作りは楽しい!)。しかし、出来上がってみると、とても出せるものではないと思った。

結論だけ記しておく(2001年からの通算記録)。

 ナイトゲーム.330 デーゲーム.338

 ホーム.334 アウェイ.331

 右投手.328 左投手.344

 満塁.427 リードされて.328 得点圏.340 2死得点圏.353

 無走者.331 有走者.336

 ライトを守って.332 センターを守って.332

 オールスター前.339 オールスター後.325

まさに金太郎飴状態。どんなシチュエーションでも3割を軽く超す打率。ここから見えるのは、近年ますます穴がなくなってきているということだ。円熟味を増したと言っても良い。

2009年で一番気がかりなのは、8月の故障以降、足が止まっていることだ。復帰した9月1日以降、イチローはSB2CS1、3Bも1本しかない。こと走塁に関しては消極的になっているのだ。

イチローの盗塁に関するSTATSを出す。

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MLB移籍以来、常に盗塁王をうかがう数字を残してきたイチローだが、2009年ほど盗塁王に水をあけられた年はない。今年はクロフォード、続いてエルズベリーが春先にすごいスタートダッシュをしたために、追いかける意欲が減退したという部分はあるが、やはり秋以降のトーンダウンが響いている。

イチローだけではないが、盗塁と言うSTATSは、選手の意識が大きく影響する。その意欲は盗塁成功率ではなく企図数に表れる。2009年の1試合当たり企図数は.240、MLBに来てから最低だった。NPBでの最後の3年間は恐らくイチロー自身のモチベーションが下がっていたために、企図数は非常に少なかった。MLBに来て1年目に急速に増えるが、以降20%台後半にとどまってきた。2009年は8月に故障するまで.297だったのが、それ以降急落して最低の数字になった。

「これ以上故障してはいけない」と自重する気持ちが働くのは当然のことだ。しかし、多くの大選手は、盗塁や3塁打の数が減るとともにSTATSが下降していったものだ。

内野安打が減るなどの直接的な数字だけでなく、足を気にするあまり、積極性が失われることが大きいのではないか。ひいては、守備の積極性にもつながるのではないか。足の衰えは、モチベーションの減退につながりかねないのだ。

来季のイチローで注目したいのは、春先にどれだけ走ることができるかである。いつもの年同様に、塁上で油断も隙もない姿を見せてくれれば、我々もほっと胸をなでおろすだろう。

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イチローはどのチームに強いのか?|日本人MLB選手の2009‐13

イチローはSEAを除くMLBの全てのチームと対戦している。29チームとの年度別の打撃成績は以下の通り。(大きな表ですいません)

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果たしてどのチームに強いのか、どのチームに抑え込まれているのか。調べてみて、拍子抜けがする思いだ。イチローは毎年対戦するアリーグの全てのチームから通算3割以上打っている。ナリーグの16チームとの対戦でも10チームから3割以上打っている。苦手はほとんどないのだ。通算記録で見れば、アリーグでは弱いチームほど打率が高い。

今年に限れば、NYY戦で打ちまくっていた。これがシルバースラッガー賞を取る上でプラスに働いたのではないだろうか。

ここから見えてくるのは、イチローが特定の投手への攻略法を用意して打席に立っているのではなく、あらゆるチームのすべての投手に対してニュートラルで対峙し(もちろんRHP、LHPなどの対応はしているだろうが)、来た球をはじき返しているということだ。

実は、MLBとNPBの野球の最大の違いはここにあるのではないか、と思っている。これについては、いずれしっかり考えたいと思うが、少なくともイチローは日本的な「対戦相手を研究する」戦略ではなく、純粋にヒットを打つ技術で記録を生み出している。

ところで、ナショナルリーグのSDとSEAは、インターリーグで毎年対戦している。最初はESPNのミス(結構ある)かと思ったのだが、他のデータでも同様だった。この2チームはシリーズを組んでいるのだろうか?ご教示いただければ幸いだ。

 

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イチローはなぜ早打ちなのか?|日本人MLB選手の2009‐12

1打席あたり投手に投げさせた球数、イチローは2009年3.749。アナ両リーグの規定打席に達した打者152人中で108番目だった(1位はJワース4.506)

相変わらず早打ちの部類に入る打者だ。なぜそうなのか。カウント別のSTATSを調べてみて、ある程度わかったことがある。

イチローの初球と2球目まで(1、2球)を打ったときのSTATS。(2001年のSTATSは入手できず)

20091220ICHIRO-01

驚くべきことに、イチローは、全打席の3割で、2球目までの球を打っている。それでも、2002年当時より少し減っている。初球を打つ率は半減している。さらに驚くのは、2球目までを打った時の打率の高さ。通算で.380を超えているし、2009年は4割超である。

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それ以外のSTATSと比べると、イチローの打撃特性は際立ってくる。初球、二球目の成績を差し引くと、イチローは通算打率で3割かつかつの打者になってしまうのだ(それでも立派な記録だが)。

イチローが早打ちなのは、そしてそれをやめないのは、初球、2球目を打ったときに圧倒的に良い結果が出ているからだ。多くの投手はそれを知っているから、初球に好球を投げることはほとんどない。にもかかわらず、打率4割を超しているのはまさに驚異的だ。

なぜそうなのか?我々には全く分からない。ただ、イチローの集中力が投手との緒戦に異様に高まることはうかがえるのだ。

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イチロー、最多安打の価値|日本人MLBプレイヤーの2009-09

2009年シーズン前も似た表を作ったが、過去12年間のMLB安打数20傑である。

20091219ICHIRO-01

1998年からにしたのは、イチローの登場以前の状況もある程度見ておきたかったからだ。

気がつくのは、最多安打数争いの顔触れは、イチロー以外は毎年ほとんど入れ替わるということだ。辛うじてマイケル・ヤングが少し絡んでいるが、3位以内でイチローと争ったのは3年連続に過ぎない。最近は下位に沈んでいる。

普通の打者は、調子が良くて怪我がなかった年には安打数200本に及ぶが、それが毎年続くことは稀だ。前年の疲労やアクシデントなどで落ちるのが当たり前なのだ。試合数の多いMLBであっても、200本と言う安打数は、実力に加えてコンディションと運が伴わなければ達成不可能。ましてや連続は至難なのだ。

イチローは、2001年のデビュー以来、200本安打を打ち続けているばかりではなく、9年間ランキング3位以下に落ちたことがない。稀有の記録と言うほかはない。

イチローのシリーズの1回目で、ライバルとしてデレック・ジーターをあげたが、それは過去12年間に何度安打数ベスト20に入ったかを見てもわかる。

20091219ICHIRO-02
イチローは9年連続だが、ジーターは12年間に10度ベスト20入りしている。もっともかなり下位のときもあるが。

シーズンを通して元気で、ほとんど欠場せずに安打を量産するという点では、ジーターとイチローが傑出していると言えるだろう。

表にはしていないが、それ以前の安打数の記録も見てみた。ここまで集中的に安打を量産している選手は皆無だった。

毎年、イチローは200安打を打つことを目標としている。個人的な記録達成を目標とする選手は、過去にもまれだと思う。それが「チームではなく個人優先」だとか、「記録優先」だとか批判の的になるのだが、他にこんな高いレベルの目標を掲げて毎年達成している選手はMLB、NPB通じてほとんどいない。

そういえば、昨日の広島東洋カープの入団会見で2位入団の堂林翔太が「右打者での200本安打」を目標として宣言していた。しかし、本人も周囲も、その実現性については本気で考えていないのではないか。シーズン200本を打つには、どんな準備が必要か。体調管理は?投手への対応策は?

オリックス時代、イチローは130試合制で210安打を打ったし、今年も148試合出場で228安打を打っている。「まさか」と思えるような数字を実現してきているのだ。

当たり前のように打っているから大して驚かないが、我々は史上に残る選手と同時代をともにしている。

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イチロー、今年はどうだったか?|日本人MLBプレイヤーの2009-10

毎度おなじみ、イチローのキャリアSTATSである。今回はオリックスのファーム時代の成績まで付けた。(特にテーマとは関係ないが)。またRC、RC27 もつけた。

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今年、イチローはいくつかの賞を受けた。注目したいのはシルバー・スラッガー賞である。

この賞はバットメーカーのルイビルが与えている。各ポジションで最も優れた打者に与えられる。日本のベストメンバーに近い。グラブメーカーのローリングスが、ポジション別に最も優秀な野手に贈呈するゴールドグラブと対をなしている。この賞は各チームの監督、選手の投票で決まる。

イチローは2001年のMLB入団以来、9年連続でゴールドグラブを獲得している。しかしシルバー・スラッガーは、2001年、2007年に続き3度目。MLBの安打記録を更新した2004年でさえマニー・ラミレス、ゲレーロ、シェフィールドに阻まれ、獲得していない。

この事実は、イチローの稀有な打撃に疑問を抱く同業者が多いことを暗に示している。

それだけに、2度も欠場を経験した今年、シルバー・スラッガー賞を得たことの意義は大きい。

今年、イチローは例年よりも長打が多かった。OPSが5年ぶりに0.850を超えたのはこのためだ。また、敬遠数もリーグ1だった。打点46は、リーグ規定打者の中で下から2番目だが、これは、2009年のSEAの打線が極端に貧弱だったことが大きい。

同じリーグの選手、監督たちがイチローを「恐るべき打者」だと認めたのだ。それはSTATSだけでなく、実際に対戦した実感をも含めた評価だろう。

来年オフには37歳になるが、イチローは恐らくまだ晩年にはない。OPSが低いだの、大きいのが打てないだの、いろいろ叩かれるイチローだが、このシルバー・スラッガー賞をひそかに誇りに思っているのではないだろうか。

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最近メディアからいろいろお話をブログにいただくようになりました。迂闊なことに、殆ど対応できていませんでした。ご連絡は下記までお願いいたします。

baseballstats2011@gmail.com

広尾晃と申します。

ライター稼業をして、かれこれ34年になります。

2009年1月に、SportsNaviで「MLBをだらだら愛す」というブログを開設、12月には「野球の記録で話したい」を開設。多くの皆様にご愛読いただきました。2011年11月、livedoorに引っ越し。基本的な考え方は変わりません。MLB、NPBの記録を中心に、野球界のことをあれこれ考えていきたいと思います。多くの皆様に読んでいただきたいと思いますが、記録や野球史に興味と尊敬の念を持っていただける方のサイトにしたいと思います。特定の球団のファンの方も大歓迎ですが、「ひいきの引き倒し」的な論調には与しません。

広尾晃はペンネーム。本名は手束卓です。ペンネームは、小学校時代から使っていました。手束仁という同業者がいるので、ややこしいのでこの名前で通しています。ちなみに手束仁はいとこです。顔もよく似ています。
私が本名を隠しているかと勘違いして、恐喝のようなコメントを送ってくる犯罪者まがいがいるので、あえて公表します。


2012年11月「クラシックSTATS鑑賞」を独立したサイトにしました。

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常時参照させていただいているサイト

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http://www.baseball-reference.com/
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