野球の記録で話したい

Baseball Stats Lounge

2009WBC

WBC鑑定団その13 Pool-A 中国|2009WBC

200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

中国のプロリーグは、以前に比べると体制が整ってきているようで、STATSも公開し始めた。まだ試合数が少ないので、実力のほどはうかがえない。

また、ベスト10までの選手しか通算成績を出していない。個々のボックススコアはあるので、ここから通算成績を出すことは可能である。今のロースター表はほとんど埋まっていないが、追いかけて数字を埋めていきます。

CHIN-P

 

ほとんどが北京オリンピックの投手で占められる。ということは、それなりに働くということなのだ。やや新鮮味にかけるというきらいはあるが。これに、横浜と西武の支配下で実力を養っている朱大衛、陳瑋が入った。まだ両投手とも公式戦には出場していない。中国は北京五輪でチャイニーズタイペイに勝ったが、両者の差は縮まっているのだろう。

野手は以下の通り。

CHIN-F

 

中国のメンバーで特徴的なのは、レギュラーシーズンで打撃、投手成績ベスト10に入った選手がほとんど含まれていないこと。野手でいえば王靖超だけである。意図はわからないが、おそらくは将来を見据えた若手中心の起用なのだろう。(←左は間違い。りくらむ様のご指摘の通り、五輪会期中代表選手が試合に欠場し、規定回数、打席に達しなかったため)

何せ国家の力で強化してくるから、数年後には侮れない存在になるはずだ。MLBも、中国を市場としてはっきり意識している。本土から初めてMLBに指名されたNYYの張振旺もロースターにはいっている。

強化試合を見た限りでは、投打ともにNPBの二軍より少し下と言うレベルだろうか。アジアでは4~5番目のレベル。150kmのボールは打てないクラスだ。ただ、強化試合でも楊洋がホームランを打ったように、日本のエンジンがかからないうちに得点されるケースはありそうだ。

日本としては3/5の試合で、完勝することで調子を整えていきたいところだ。

 ■後日談:ほぼ間違いなく、次回のWBCでは日本の強敵になっているだろう。MLBが今、最も力を入れて選手を育成している国だ。その片鱗は、今回も少しずつ見えていた。台湾を抜くのは時間の問題だ。

WBC鑑定団その12 Pool-D プエルトリコ|2009WBC

200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

おそらくはベネズエラとほぼ互角、メキシコよりやや上という感じの陣容である。中南米の国にしては、追加補強もないし、きっちりと選手を選んできたという印象だ。

投手陣から。

PUER-P



 

先発投手はMLB現役の3人が柱だろうが、防御率が4点代後半から5点。いずれも3番手程度のスターターだ。バスケスはスタミナ十分だが、常に勝ち負けが拮抗する投手。逆にサンチェスは5回以降につかまる傾向が強い。球数制限を考えればサンチェスの方が使えるかもしれない。スネルは球がどこへ行くかわからないタイプ。いずれも不安材料があるので、投手は早めの継投が前提になるだろう。

そうなると2005年にソフトバンクにいたフェリシアーノが大活躍しそうだ。86試合登板はMLB最多。左殺しのロメロ、BOSでよく見たロペス、いろいろな場面に使われるリベラと、70試合登板以上の投手が4枚揃っているのは壮観。投手陣は中継ぎが引っ張ることになるだろう。

 

野手も特徴的だ。PUER-F

 

プエルトリコの野球少年は、草野球をするとき、我さきにキャッチャーになりたがるのではないか。ロースターを見ると、そう思いたくなる。

I-ROD、Yモリーナ、そして新人王ソトに選に洩れたBモリーナ、さらにはJモリーナやポサダもこの国の捕手なのだ。昨年のヤンキースにはそのうち3枚が揃っていたことになる。

捕手だけでなく、内外野共に非常に強力。派手さはないが、ベルトラン、デルガド、リオスという顔ぶれは、スピードもパワーも一級品だ。ベルトラン、デルガドがNYMのチームメイトで実際に打線を組んでいるのもプラス要因だ。西武のボカチカは力の見せどころだ。

そして、ロースターにバーニーの名前があるのだ。怪我で出場が危ぶまれたが、名前は残っている。背番号は、イチローがあこがれた「51」。本当に出場するのだとすれば、これは伝説のはじまりだ。

このチーム、うまく回ればUSAのライバルになるのではないか。期待できるチームだと思う。

■後日談:中南米最上位の座をベネズエラに譲った。このチームもまとまりを欠いたという印象だ。I-RODことイヴァン・ロドリゲスが、ただ一人点を稼いでいた。

 

WBC鑑定団その11 Pool-D パナマ|2009WBC

200933日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

パナマは、前回、オランダに大敗している。大物選手が何人かはいるのだが、その他の選手との力量の差が大きく、チームとしてはまとまりがなかった、という印象だった。今回もその印象は変わらない。

PANA-P

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セットアッパーに人材はいるが、先発は人がいない。立ち上がりからつなぎでしのぐ作戦だろうか。一次ロースターからの落選者に大物はいないので、これがいっぱいいっぱいなのだろう。オランダより落ちるかもしれない。

続いて野手。

PANA-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワールドチャンピオンフィリーズのホームベースを守ったルィーズが心強い。Cリーは、一時辞退が報じられたが、二次ロースターに入っていた。このスラッガーがいるといないでは大違いだ。これにNPBのズレータ、MLB64本塁打のリベラ、MLB実績も少しあるチャベスあたりが主力になるのだろう。

打線としてはオランダよりは上だと思うが、投手陣が覚束ないので、今回もPool-D最下位の恐れがある。今のメンバーがそのまま出場できるのかにも不安があるし。マイナーの若手の奮起が期待されるところだ。

■後日談:マリアノ・リベラの今期の大活躍は、WBCのベンチに座りながら一度もマウンドに立たなかったことと関係があるかもしれない。影の薄いチームだった。

WBC鑑定団その10 Pool-D ドミニカ|2009WBC

200932日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

ラテンアメリカの野球事情を知りたいなら、鉄矢多美子さんのブログは必読だが、ドミニカは恐ろしいほどの盛り上がりのようだ。毎年盛り上がるカリビアンリーグが、今年はそれほどでもなく、国中がWBCで沸騰している。

しかし、それとナショナルチームのマネージメントは別なのだ。国際大会のたびにトラブルが起きている。ビザの発給や移動の手配、選手のサポートなどなど。また、メンバーの決定も二転三転する。ラテンアメリカ特有とでもいうべきか。プホルスは保険がきかないことを理由に辞退したが、ひょっとするとこのマネージメントに嫌気がさしたのかもしれない。

投手陣から。

DOM-P

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボルケス、ヒメネスは働くだろう。注目は、WBCで再起を目指すペドロだ。2008年はめっきりと力の衰えを感じさせたが、復活できるだろうか。セットアッパーは今やMLB屈指のスプリッターのアレドンド。Jクルーズがクローザーか。投手陣は、USAに次ぐ布陣だ。ただ、先発の3枚目以下の不安とブルペンの手薄さがやや気になる。

投手陣にとってそれ以上に問題なのは、捕手の問題だ。

野手を見てみよう。

DOM-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もともと捕手は手薄だったのだが、若手のパウリーノ、ウィリキン・カスティーヨが外れて、実質的にオリーボ一人。これではあんまりだということで、アルベルト・カスティーヨを引っ張ってきた。このおっさんは、一昨年までBALにいた。

オリーボはSEAの正捕手だった時から肩には定評があった。2008年は33回走られて14回阻止。阻止率.424、トップクラスだ。しかし捕手防御率が4.42。いまいち信頼感がないのだ。ただこのままでは投手との相性が悪くても、代えようがないという状態だ。

前回大会で当たっていたのはベルトレ(出場は微妙な情勢だが)。プホルスのバットは湿っていた。どうやらWBCに向く選手とそうでない選手があるようで、今回も伏兵が活躍するかもしれない。A-RODはこの手の短期決戦で良かった記憶がないのだが。このロースター発表後にテハダが「1Bを守るのはやだ!」と辞退したが、薬物事件以後、めっきり衰えが見えるテハダの穴はそれほど大きくないだろう。むしろ、2008年春に絶不調だったオルティーズの仕上がりが気になるところだ。(2月27日テハダは前言翻し出場と報じられる)

外野陣はやや迫力不足。しかし、MLB1,2位の盗塁数のタベラス、レイエスの1、2番もすごいと思う。この打線では、監督の倅のモーゼス・アルーの出番はないだろう。親父さんのアシスタントではないか。

昨日、USAの外野陣からサイズモア、ホウプが抜けることがわかった。スピードではドミニカが一枚上になった感がある。確かに有力な候補には違いないが、ドミニカの場合、この陣容のままで本当に試合に臨めるのか?捕手は大丈夫なのか?また、このタレントたちをアルーのお父さんはちゃんと采配できるのか、などのマネージメントの問題があると思う。USAのDジョンソン監督が、ライバルにドミニカではなく、日韓を挙げたのも、そういう側面を見ているからではないか。

 3/7A-RODが正式に辞退。かわってユーティリティのタティスを補充。

 ■後日談:ベンチで呆然とするオルティーズの顔が忘れられない。元気だったのはペドロだけだ。そのペドロもワールドシリーズで轟沈。良くも悪くもドラマチックな国ではある。

WBC鑑定団その9 Pool-D オランダ|2009WBC

200931日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

オランダの国内最高峰リーグ、オランダメジャーリーグ(NM)は8チームで行われているが、そのうち1チームはコニカミノルタがスポンサーのコニカミノルタ・ピオニアーズである。実力はヨーロッパ1。WBC前回では。キューバに6-9と食い下がったパナマを10-0で降している。このときには、NMのデヨングが先発マルティスのあとをつないで好投した。

このチーム、そこそこやると思うのだ。リーグのSTATSを見ていると、それなりに機能分化がされているし、引き締まった試合が行われているように思えるからだ。また、HPを見ても組織がしっかりしていて、リーグがちゃんと運営されていることが分かる。マネージメントは、少なくともドミニカよりも上だと思う。

まずは投手。

NL-P

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ATLの主軸に育ったジャージェンスが辞退したのは大きい。昨年、TEXのマイケル・ヤングを骨折させたSポンソンがエース格。体重は130kgオーバーか。球速と体重とどちらのキロ数が上だろうか?

NM選手の実力は、前回でも証明されたが、AAクラスより上ではないかと思う。今回も2008年シーズンの防御率1位のコルデマンス、2位のバーグマン、4位のボイドが名前を連ねているが、パナマやプエルトリコには通用するのではないか。

バンカンベン、ワルスマというセットアッパーも計算できるかもしれない。

野手は以下の通り。

NL-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捕手はマイナーの2人ではなくデヨングではないか。オランダを代表する強打者である。内野のリーダーは今は独立リーグだが、MLB8年、通算49本塁打のシモンか。外野で期待したいのは、強打で台頭しつつあるAAのハルマン。中心となる強打者がいないために、打線の迫力がないが、NMの外野手4人は、これまたリーグ最強の4人である。

オランダチームは、すでにMLBマイナーや大学チームと強化試合を行っているが、結構健闘している。リーグを挙げて、WBCに参加しているという感じもある。Pool-Dではパナマとどっこい。最弱とみなされるかもしれないが、大番狂わせを演じる可能性があると思う。

 ■後日談:ずいぶん沢山のオランダ選手を覚えた。WBC前半戦を盛り上げた、最大の功労者である。組織力が個人力に勝ることを証明してくれた。

WBC鑑定団その8 Pool-B 南アフリカ|2009WBC

2009228日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

この国での野球の歴史は100年を超している。イギリスの影響の強い国だから、サッカーやテニスなどに比べるとマイナーではあるが、全国大会が開催されている。ただし、個人技が中心で、チームプレーはまだまだ。またアパルトヘイトの影響が残り、一流選手はほとんどが白人である。

これは、日本から南アフリカの隣国、ジンバブエで野球指導をしている伊藤益朗さんのブログからの引用である。http://www.geocities.jp/zzyykai0110/new/

南アフリカからMLB機構へは10年くらい前から選手が行っている。しかしメジャーまで昇進した選手はいない。マイナーでの経験を積んだのちに、帰国して国内リーグで活躍する選手が多い。アメリカの大学で野球をする選手も散見されるが、ドラフトにかかる選手はいない。

投打ともにあげよう。SA-PSA-F

南アフリカ野球プレミアリーグの情報はほとんどない。アフリカでは最強だが、その実力は未知数だ。(投手で登録されているエカーマンスは、The Baseball Cubeでは、打者のSTATSが載っていた)

前のWBCでの成績は、アメリカ(クレメンスが登板)に0-17、メキシコに4-10、しかしカナダには8-10だった。野球と言うゲームは、一発勝負では波乱が起こる可能性が大きい。今回でいえば、オーストラリアを食う可能性は十分にある。

絶対的なエースは、AAまで行ったバリー・アーミテージ。さらに、アメリカを1回無失点に抑えたエラリオもいる。今大会最年少のロブも興味がある。

ロースターを見ると、ヨーロッパ系の名前ばかりで、黒人らしき名前は内野手のンゴベだけだ。白人中心なんだろうか。

前回大会で、私はこうしたマイナーな国には関心がなかった。しかし、今年はそういう国もじっくり見たい。J-SPORTSのライブに注目だ。



■後日談:南アフリカは、予想通り弱かった。ワールドカップを開催するのを見てもわかるとおり、ヨーロッパ圏の影響が強いのだ。しかし、参加することに意義はあったと思われる。

WBC鑑定団その7 Pool-B オーストラリア|2009WBC

2009228日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

オーストラリアの“実力”は、こないだみんなが知ってしまったので、「ま、怪我しないで帰ってほしい」とか「カンガルーへのメキシコのお土産は何かな?」とか思うかもしれない。

確かにSTATSを見ても、MLBのレギュラークラスはいない。

まずは投手。AUS-P

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一線級のローランドスミスは、SEAで先発転向が濃厚なため辞退したし、優秀な中継ぎバルフォアもいない、マイケル中村も読売でのクルーンとのポジション争いを優先した。阪神のウィリアムスは、エントリーさえされていない。

元阪神オクスプリングのあの大きなカーブ頼みになるか。よっこらしょと投げる他の先発陣は、通用しそうにないだろう。

野手を見てみる。AUS-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こないだの大阪ドームの試合で活躍したヒューバーやスネリングは、打線に残るだろう。数字だけを見ても誰が中軸かはわからない。今年MINでMLBに上がるかもしれないヒューズやARIのAAAの快速オェルティンが柱だろうか。

京セラドームで哀愁漂うぽとりを連発したブライス君は、WBCをオーストラリアで観戦することになったようだ。

しかし、である。彼らは、あの戦力で何億円もの年俸をもらっている日本代表から、2試合で13安打(松坂から5本、ダルビッシュから2本)4点も奪ったのである。Pool-Bで、調整不足のメキシコやキューバから勝ち星を挙げる可能性は皆無とは言えない。あのちんたらした野球でも、振り回したバットの真芯にボールが当たらないとは限らないのである。

野球の面白さは、そういう不確定要素にある。J-SPORTSの中継を楽しみに見たい。

 ■後日談:豪代表を辞退したジェフ・ウィリアムスも、マイケル中村も、ローランドスミスも、今年は不本意な成績に終わった。これなら出ていたほうが良かった、とは後知恵ではあるが。 

WBC鑑定団その6 Pool-B メキシコ|2009WBC

2009228日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

メキシコと言う国は、サッカーでも野球でも強いのか弱いのかわからないところがある。北米とラテンアメリカにはさまれて、個性が浮き立たない印象だ。

この国には、独自のプロリーグがある。メキシカンリーグである。形式上はMLB機構の下位にあってAAAクラスにあるが、他のマイナーリーグでは若いプロスペクトがひしめいているのに対し、このメキシカンリーグは40に手が届こうかというおっさんが主力だ。USAの野球をリタイアした選手が、国内リーグで活躍するというパターンができている。だから、マイナーと言っても、経験は十分なのだ。

まずは投手陣。MEX-P

メンバーは、ベネズエラより少し落ちる程度か。ガーザ、デラロサという働き盛りのスターターは外れたが、ペレス、カンピーヨに加えて、カンポス、オルテガはAAAの上くらいの力がある。トラブルメーカーのアヤラは、本来はクローザー、セットアッパーだがMLB一次登録ではSPになっていた。おそらくはつなぎだろう。

先発以上に充実しているのがブルペンだ。アヤラに加えて、若手クローザーの代表格に上がってきたソリアがいる。ただ枚数が足りない。レイエスは昨年までMINで主にワンポイントで多用された左腕だが、それほど成績は良くない。それもあってかマイナーからプロスペクトを補充している。

打者は以下のとおりである。MEX-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主だったメンバーは残っている。このロースターには兄弟が二組。1塁2塁は、ゴンザレス兄弟。顔だけ見れば区別がつかないが、左打ちで大きくてより長打力のある方が弟だ。さらにヘアストン兄弟は父、祖父、叔父もメジャーリーガー。こちらも弟の方が長打力がある。カントウ、ゴンザレス弟、ヘアストン弟という中軸は破壊力がある。走れる選手がやや不足か。元オリックスのガルシアは、守備がいまいちだからDH候補か。

 前回同様、メキシコは一次予選はOKだろう。絶対的な投手がいないので、それより上は厳しそうだ。

 ■後日談:今年、ゴンザレスの弟がブレイクした。へアストン兄弟も元気だった。WBC帰りの不振が目立った中では、異色の感があった。 

WBC鑑定団その5 Pool-B キューバ|2009WBC

2009227日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

キューバの野球シーズンは、11月から3月まで。トップリーグのセリエナシオナルベイスボルは、東西2地区16球団が90試合を戦う。さらに上位8球団によるトーナメントがある。しかし、オリンピック、WBCなどの国際大会はこれに優先する。

確認していないが、今、キューバは2008-09シーズンの終盤のはずだが、リーグ戦は中断しているのだろう。

野球はキューバの国技であり、最も人気のあるスポーツだが、経済封鎖の続くキューバでは、トップリーグであっても施設はみすぼらしい。女子の代表の話だが、国際試合で相手チームにバットやボールの借用を申し入れたというエピソードもある。

私は昔から今まで、野球のSTATSをいろいろ見てきた。その上で感覚的に思っているのだが、野球のSTATSには「進化の法則」ともいうべきものがある(大層だが)。

投手でいえば、昔の野球では防御率が低くて完投が多く、エースは先発もリリーフもする。反対に、救援専門の投手は二流の投手がするものだった。打者でいえば強打者は打率が高く、足も速く、オールラウンドプレーヤーである。

投手の防御率が低く、同時に打者の打率が高いとは矛盾しているようだが、要するに一握りの優れた選手が試合を支配する形である。50年ほど前までのMLBがちょうどそんな感じで、打率や安打に関するアンタッチャブルな記録は、この時期までに作られている。大選手の時代と言うべきか。

それが、時代を経るとともにリーグの選手全体の水準が上がり、打率や防御率の記録は低レベルになっていく。反対に奪三振と本塁打の記録が伸びていく。投打で分業が進み、投手はスターター、セットアッパー、クローザーに分かれ、打者も出塁する、つなぐ、走る、返すの機能分化が始まる。さらに捕手の多くはデフェンスの選手となり、打者としては期待されなくなる。野球はどんどん緻密になっていく。今のMLB、NPBはまさにそういう進化の先端にいる。一言でいえば、スモール・ベースボールの時代である。

さて、奇特な人がいるもので、キューバのリーグの記録が、WIKIPEDIAに載っている。また、英語版にも資料がある。あれやこれやの資料を集めて、代表選手のSTATSを作った。

長々と説明してきたのは、キューバのSTATSを打ち込んでいて、これは相当古い野球だなと思ったからだ。

投打を一度に見てみよう。2008と書いている年度は、正確には2007.11~2008.3の記録である。CUBA-P

 CUBA-F

先発投手陣は防御率が素晴らしい。Yゴンザレスなど15戦無敗である。防御率が良い割にWHIPの数字が大きいのは、四球がやたらに多いからだ。投手の分業も明確ではなく、大エースがしばしばリリーフもする。専門のリリーバーの成績はぱっとしない。

打者は、14人中9人のOPSが1点を超えている。どの打者も打率が非常に高く、打点も多い。さらに、捕手が打線の中心にいる。右打者が多い。

個々の選手については、ほとんど知らないが、この国では、相当に荒っぽい力の野球が相変わらず行われているという印象である。MLBがリードする野球とは異質だ。多くの打者が安打や四球で出塁し、次打者の豪打で帰ってくる。そんな大時代の野球である。

毎年アメリカに多くの選手が流出し、数字を残しているのを見ても、キューバ選手のポテンシャルは高いことがわかる。一発勝負には強いはずだ。また、VTRで見る限り、速球は2シームが中心。打ちにくい球を投げている。さらに、20代の選手の多くはMLB市場へ自分を売り込む好機ととらえているだろう。

しかし、チームとしての機動性や作戦能力はどうだろうか。仮に日本やUSAなどの近代野球が周到に攻めれば、十分に勝機があるのではないか。また、トップの選手と控えの差も大きいと思うのだが。

経済的に困難な状況で、さらに多くの選手が流出する中で、キューバ野球のポテンシャルは上り調子とは思えない。国家の威信がかかっているキューバだが、今回も優勝の可能性は低いのではないか。

 ■後日談:日本には通用しなかった剛速球のチャプマンが、ストーブリーグの渦中にいる。MLBで進化して、通用する可能性は大いにあるだろう。コントレラスのように完成された投手ではないので期待できる。

WBC鑑定団その4 Pool-C USA|2009WBC

2009227日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

そろえてきたな、という感じである。誰が出ていない、彼が出ていないという話はあるが、何せMLB選手の8割がUSAである。出ている選手の方がはるかに少ないのだ。名前ではなく、投手、野手共に本当に動ける選手がそろったという感じがする。

投手陣は以下の通り。USA-P

 サンダース、カズミアが洩れたのは確かに残念だが、それでもこれだけの先発陣をそろえている。ピーヴィ、オズワルトは働きそうだ。

それ以上にすごいのがブルペンだ。30セーブ以上のクローザーが2人(ネーサンはのちに辞退)、70試合以上投げているセットアッパーが3人(さらに2人追加)。そのうち2人(+1人)は左だ。飛び抜けた存在はいないが、この投手陣は全員が働くだろうと思わせる。WHIPの低さがそれを物語っている。

野手も充実している。USA-F

全員が100試合以上出場で二桁本塁打。今、盛りの選手をそろえている。

捕手には若手ではラッセル・マーティンと双壁のマッキャン、1塁にユーキリス、2塁にペドロイア、3塁にチッパー、SSがジーター。サイズモア、ブラウン、グランダーソンの外野もスピードとパワーにあふれている。ここでも、絶対的な大砲はいないが、シュアな中距離ヒッターをそろえている。OPS1は野手13人中11人が0.85以上だ。

野手のスターターはグランダーソン、ジーターを除いてヨーロッパ系で占められそうだ。オバマ元年に少し不思議な感じだ。また、ユーキリス、ブラウンとユダヤ系が二人。そして何より、ジーター、サイズモア、ユーキリス、ペドロイアとMLBで人気投票をすれば確実に上位に来る顔が揃っている。

アメリカでのWBCの盛り上がりは、今回もいまいちだそうだが、このロースターは本気だ。今後紹介していくドミニカと比較しても総合力では上だ。自国で最後までやるというメリットもある。

私は優勝候補の筆頭に挙げてもよいと思う。

 

ドミニカはテハダが辞退した由。1塁を守るのが嫌なそうな。オルティーズへのあてつけか、と思う。戦う前から崩れ始めている感ありだ。

 3/1追記。サイズモアとホウプが負傷で辞退。USAに激震である。追記2サイズモアの代役にビクトリーノ召集。ホウプは未確認。

 3/7 ネーサンとBJライアンの代わりに4人のセットアッパーを追加招集。外野にAダンを追加招集。

 ■後日談:私はUSAのロースターは決して弱体ではなかったと思う。ただ、とくに投手陣があまりにも調整不足だった。怪我をしないように動いていた。それでもけが人が出てしまった。WBCのマネージメントの難しさである

WBC鑑定団その3 Pool-C ベネズエラ|2009WBC

2009226日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

さて、ベネズエラ。中米的な色彩も強く、サッカーよりも野球の方が人気がある。アメリカの影響を強く受けているが、チャベス大統領は反アメリカの急先鋒だ。

いろいろ矛盾したところのあるベネズエラだが、そのロースターもちょっと驚く。特に投手。VENE-P

何と、最終ロースターに残った13人の投手の内、6人が1次ロースターにはなかったメンバーなのだ。1時発表の時、候補に挙がった投手にちゃんと確認したのか?といいたくなる。サンタナの辞退は大きく報じられたが、それ以外にもこれだけのMLBの投手が辞退したのだ。球数制限の厳しいWBCでは、先発投手以上に中継ぎが重要になるのだが、べタンコート、ピント、リンコンという達者な中継ぎが抜けてしまった。穴埋めに一線を退いた元MLB投手を補充している。ザンブラノ以下の先発投手はそこそこだが、世界一のクローザーF-RODにつなぐまでが心もとない。バランスが悪いという感じだ。

しかし、サンタナからF-RODのリレー、見たかったなあ。

(2/26ザンブラノが辞退)

野手は強力だ。VENE-F

 

元気いっぱいのMカブレラにアブレイユ、オルドニェス、Cギ―エンというベテラン陣。なかなか凡退しない打線と言う感じだ。守りに定評のあるイズトゥリス、ブランコが1、2番か。日本人としては、ORIXのカブレラにぜひ出てほしかったところだが、1次ロースターには入ったものの、落選。この顔触れではやむを得ないか。内野では2塁がやや手薄。ユーティリティのスクータロが回るのだろう。

ただし、大きな穴があいている。捕手である。ラモン・ヘルナンデスは少し前まで強肩でならしていたのだが、2008年はMLB最多の99盗塁を許している。しかもパスボールが多い。投手が安心して投げられるかどうか。

中米のチームに共通することだが、ナショナルチームのマネージメントは、ややずさんなのではないか。チーム力としては上位だが、それが本当に発揮されるか、疑問が残る。

■後日談:ベネズエラはいいところまで行ったが、中で気になったのはイチローのライバルの一人、オルドニェスの不元気さだった。案の定、レギュラーシーズンも不調に終わった。

WBC鑑定団その2 Pool-C イタリア|2009WBC

2009226日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

ジョー・ディマジオが、現代の選手だったら、WBCではイタリアの選手として活躍しただろう。ビンセント、ドム、ジョーのディマジオ3兄弟が中心の打線なんて、わくわくする。みんなセンターだから、守備位置はもめそうだが。

イタリアはディマジオ以外にも、ビリー・マーチンや最近のピアッツァなど名選手を輩出してきた。しかし、正直言って今回は小粒である。

まずは投手から。ITALY-P

 

緑色は、イタリアのセリエA(野球プロリーグ)の選手。ヨーロッパではオランダと並ぶ伝統のあるリーグで、60年の歴史があり、五輪などではそこそこの実績を残している。最近はやや落ち目ではある。年間試合数は54。日本人選手はけっこういるようだ。

ともあれ、本場ではないから層の厚さが決定的に違う。STATSは入手できていないが、この緑色の選手がMLBやその下部組織の選手より力が上ということはないだろう。HPでは、代表メンバーが笑っている写真が掲載されている。

このメンバーでは、誰が先発になるのか、見当もつかない。グリリ、ディフリースというセットアッパーあがりが中心か。

続いて野手である。ITALY-F

 

マイク・ナポリにはぜひ出場してほしかったが、辞退したようだ。カタラナトと、元ロッテで前回も出場したパスクチが中心の打線になろう。打線、守備共に中以下という感じか。AAAのコンスタンツォ、チオフローネあたりに期待すべきだろう。

Pool-Bでは最弱とみなされるだろうが、野球はわからない。ベネズェラ、カナダに番狂わせをくらわせる可能性はないとは思わない。

 ■後日談:イタリアもまずまず健闘した。ニック・プントの活躍が記憶に残っている。

WBC鑑定団その1 Pool-C カナダ|2009WBC

2009225日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

この1か月ほど、私が仕事もそこそこに何を一生懸命やっていたかと言うと、WBC観戦に向けた、完全なロースター表の作成だった。前回の時もそう思ったのだが、マスコミは日本とアメリカの選手は熱心に情報を伝えるが、他国の選手については冷淡だった。

でも、野球というスポーツが世界でどのように競技されているかを知る最大のチャンスだし、MLBの国際性を知る上でも貴重なのだ。何より、私は世界中で、野球というマイナーな競技を愛している人について、もっと知りたいと思う。

で、MLBの公式サイトの一次ロースターをエクセルに貼り付けて、そこにSTATSを入れていった。MLBの選手は簡単なものだが、マイナーの選手になると少し厄介である。中には元MLBもいる。元マイナーリーガーもいる。さらには、NPB、KL(韓国リーグ)、メキシカンリーグにチャイニーズタイペイ、各リーグのSTATSも入れていかなければならない。

ヨーロッパはほとんどお手上げだ。そもそもSTATSを公開するという発想がないから、HPは選手や幹部が笑っている写真だけだ。中国、キューバも難しい。

だから、STATSは穴だらけなのだが、それでも何とか作り終えた。今日、28人の最終ロースターが発表になったので、絞り込んだ。

併せて、1次ロースターにあって選からもれた、あるいは辞退した選手のリストもつけた。この辞退リストは、各国のWBCにかける真剣度、熱意を表していると思うからだ。

で、それをプールごとに紹介して、思うことを付け加えようと思う。

最初はPool-C。実はPool-Aの韓国、台湾のSTATSがまとめきれていないのだ。

STATSは、直近のものである。ただし、調整目的などでMLBプレイヤーがRやAでプレーしたというような記録は省いている。

できれば開幕までに終わらせたいので、1日に2~3本は出していきたい。そんなマイナーなSTATSなんて、誰も見ないって?だって、オタクなんだもん。

 まずはカナダ。投手を見てみよう。CANADA-P

 カナダを代表する投手と言えば、SEAのベダードだが、この選手ははるかに以前に辞退していて、1次ロースターにも入っていない。そして、それに続くフランシスは左肩手術で今季絶望、2チームで5勝ずつを挙げたハーデンも「肩の調子が」と辞退。投手陣の主軸はマイナーリーガーが担うことになった。また、ブルペンはコマ数も足りないので、元メジャーリーガーが二枚入っている。ひょっとすると、速球派の中継ぎ、クラインが八面六臂の活躍をするかもしれない。何せ100マイルクラブの一人でもあるし。SP、RPの区別も暫定的と言っていいだろう。

次は野手である。CANADA-F

弱体投手陣に比べ、野手はMLB級。大黒柱モルノーに、今や若手捕手のトップに位置するマーティン、ベイという陣容は、十分に戦える。ただ守備のかなめの2B、SSに人がいないのが弱点か。打線は中よりも上のクラスだろう。

カナダのMLBチームは今、たった1つになった。MLB人気はやや退潮気味なのではないか。ただし、一発勝負だし、マイナーの投手にしてみれば名前を挙げる最大のチャンスだから、USAかベネズエラを食うことは十分にあり得るだろう。ラッセル・マーティンは、投手の防御率を向上させるリードで定評がある。俊足強打と共にじっくり見たい。

 ■後日談:カナダチームはあっけなかった。今のカナダにおけるMLBの不人気ぶりを象徴しているようである。

京セラドーム所感|2009WBC

【2009年2月25日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

結局、昨日の試合は、オーストラリアがどうのというよりも、原ジャパンが「世界」というあまり経験していない相手に対し、どのように準備を進めてきたかを問うものだった。その象徴がボールであり、球数制限だったのだが、ダルは昨日に限れば対応が不十分だった。岩隈の順調さが目立った。そういう意味では、世界を知っている松坂は、今日、うまくやるのではないだろうか。

打線は中心がないという感じ。4番稲葉もつなぎに徹していたし、9番岩村も中軸のような仕事をした。今回の日本は、イチローが精神面だけでなく、打線をも引っ張る形で行くのだろうか。あまり見ない形だと思った。

守備でいえば、川崎、片岡が2、3塁を守り、福留が中、左を守るなど、WBCならではのシフトが見られたが、これは大丈夫だろうと思う。ただ、城島はいい肩を見せたが、捕手は彼に任せきりでよいのか。コミュニケーション面がやや不安だ。

 いいなと思ったのは、球場の「音」がしっかり伝わってきたこと。球審の白井さんのかん高いコールや、ミットの音がしっかり聞けた。また、イチローの一挙手一投足に上がる歓声はちょっと感動的だった。

幼稚園のお遊戯みたいなどんちゃん応援が苦手なだけに、久々、気持ちの良い観戦ができた。

 私ごとながら、アサヒスーパードライのうまかったこと!家では、なんたら70%オフの緑のビールまがいしか飲ませてもらえないから、久々の「本物のビール」が心にしみた。長い紙コップを2杯、立て続けにあおったら、スコアブックが途中で抜けてしまった。

 東京出張が3/2に決まったので、夜、チャイニーズ・タイペイと巨人を見ることにした。また、うまいビールを飲むぞ、じゃなくていい試合を見るぞ!

20090224-04■後日談:試合観戦のスタイルについては、このブログでたびたび論争を呼んだ。しかし、個人の好みとしては、やはり静かに観戦したいと思っている。

5人の投手の印象|2009WBC

【2009年2月25日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

20090224-4

帰宅してJ-SPORTSの放送を見てたら、ダルはボールの違和感と、サイン確認でてまどっていたようだ。北京五輪の時から思っていたのだが、ダルは非常に神経質で、その上一人相撲をとる傾向があるような気がする。

WBC本番の球数制限は、球数の多い日本人投手にとって、マウンド上での修正ができないうちに降板するという事態になりかねないと思う。

岩隈は、その点のびのび投げていた。格下の打者を見下ろしている感じ。教科書どうりに変化球を投げて三振をとっていた。この投手も国際試合で調子が出せなかった印象があるが、二段モーションの問題など浮き沈みを経験したことがプラスになったのか。ずいぶんフォームが変わったなあ。

岩田、田中は本来のピッチングという感じ。気負いよりも、登板する喜びがあったように思った。

ただ、ラストの馬原はセの石原との相性がいまいちだったように感じられたが。

いろんな意味で、短期決戦の難しさが表れているのだろう。

まあ、豪華な投手リレーを見せてもらって、嬉しかったですが。

 ■後日談:この5投手のうち、順調にシーズンを終えられた選手は田中くらいだ。彼にしても欠場している。大変な戦いだったのだ。

オーストラリアというチーム|2009WBC

【2009年2月25日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

おそらくは豪もすでに28人の最終ロースターを発表していると思う。

今夜のオーダーは、そのロースターから主力が抜けて、おもにAMLB(オーストラリアメジャーリーグ)のメンバーが中心だった。20090224-1

20090224-2

シートバッティングやノックを見ても、動きは緩慢で、中にはよっこらしょという感じで投げる野手もいた。大学野球の下のほうのランクと言う感じだった。

私は昨年、女子野球のワールドカップの準決勝、決勝を見たが、その時のオーストラリアのノックも、日本では考えられないほど緩慢で、それを見る限りでは大人と子供くらいの差があるように感じられた。

しかし、実際に戦ってみると、日本は勝つには勝つのだが、けっこう攻めあぐむ上に、打ちこまれるのである。

今回の試合もこのメンバーで日本から8安打も奪った。

彼らはチームプレーや、守備の鍛え方などは日本にはとても及ばないが、個々の選手のポテンシャルは決して低くないのだ。

このメンバーなら勝てるだろうが、この種のまとまりを感じさせないチームでもポテンシャルがさらに高くなれば、日本から勝利をうばう可能性が出てくるのだ。

個々の選手の実力だけで戦う他国のチームに、まとまりや戦略で対抗するという日本野球の特質が、この試合でも表れていた。

■後日談:オーストラリアのMLBは今後、かなり良い人材を輩出するだろう。本家MLBが支援をしているのだ。

イチローが真っ先に駆け出して行った|2009WBC

20090224-ichiro-massaki

【2009年2月25日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

6:30、豪のシートノックが終わると、1塁ベンチ前でのキャッチボールもそこそこに、真っ先にイチローがグランドに駆け出して行った。本当に気合が入っているという感じで、一つ一つの動作に力がみなぎっていた。津波のような大きな歓声が沸き、フラッシュがまたたいた。ライトで屈伸運動を終えるとキャッチボール。遠くの席だったが、イチローは大きく感じた。後姿が本当に格好よかった。

ノックを受ける動きがいいと感じられたのは、セカンドの岩村。ファーストの小笠原。

巨人との練習試合とほぼ同じメンバー、現在の日本のベストなのだろう。

先発はダルビッシュ。この投手は、相当プレッシャーがかかるタイプのようで、先頭打者に三球続けてストライクを投げ込んでヒットを浴び、そこから流れが悪くなった。

城島との相性はあまり良くなかったようで、マウンドで打ち合わせをする様子が見られた。

国際試合で、日本はいつも立ち上がりにもたつくのだが、今回も同様の展開だった。

 ■後日談:このときのスタジアムの拍手は忘れられない。イチローはすでに重たいものを背負っていたのだろう。

WBC鑑定団その2 Pool-C イタリア|2009WBC



ジョー・ディマジオが、現代の選手だったら、WBCではイタリアの選手として活躍しただろう。ビンセント、ドム、ジョーのディマジオ3兄弟が中心の打線なんて、わくわくする。みんなセンターだから、守備位置はもめそうだが。続きを読む

WBC鑑定団その1 Pool-C カナダ|2009WBC



この1か月ほど、私が仕事もそこそこに何を一生懸命やっていたかと言うと、WBC観戦に向けた、完全なロースター表の作成だった。前回の時もそう思ったのだが、マスコミは日本とアメリカの選手は熱心に情報を伝えるが、他国の選手については冷淡だった。続きを読む

京セラドーム所感|2009WBC



結局、昨日の試合は、オーストラリアがどうのというよりも、原ジャパンが「世界」というあまり経験していない相手に対し、どのように準備を進めてきたかを問うものだった。その象徴がボールであり、球数制限だったのだが、ダルは昨日に限れば対応が不十分だった。岩隈の順調さが目立った。そういう意味では、世界を知っている松坂は、今日、うまくやるのではないだろうか。続きを読む
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最近メディアからいろいろお話をブログにいただくようになりました。迂闊なことに、殆ど対応できていませんでした。ご連絡は下記までお願いいたします。

baseballstats2011@gmail.com

広尾晃と申します。

ライター稼業をして、かれこれ40年になります。

2009年1月に、SportsNaviで「MLBをだらだら愛す」というブログを開設、12月には「野球の記録で話したい」を開設。多くの皆様にご愛読いただきました。2011年11月、livedoorに引っ越し。基本的な考え方は変わりません。MLB、NPBの記録を中心に、野球界のことをあれこれ考えていきたいと思います。多くの皆様に読んでいただきたいと思いますが、記録や野球史に興味と尊敬の念を持っていただける方のサイトにしたいと思います。特定の球団のファンの方も大歓迎ですが、「ひいきの引き倒し」的な論調には与しません。

広尾晃はペンネーム。本名は手束卓です。ペンネームは、小学校時代から使っていました。手束仁という同業者がいるので、ややこしいのでこの名前で通しています。ちなみに手束仁はいとこです。顔もよく似ています。
私が本名を隠しているかと勘違いして、恐喝のようなコメントを送ってくる犯罪者まがいがいるので、あえて公表します。


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