スポーツの未来を考える人、必携
スポーツ問題研究会編 『Q&Aスポーツの法律問題』


スポーツ問題研究会編 『Q&Aスポーツの法律問題』
先日、大阪で弁護士事務所を訪問する機会があった。出てこられたのは少壮、精悍な風貌の弁護士の先生。聞けば大学で野球をしておられたという。
「岡村英祐」と聞けば、大学野球ファンの方は、聞き覚えがあるのではないだろうか。京都洛星高校時代は京都予選でベスト8、そして関西学生野球では、京都大学のエースとして、2000年の秋のシーズン、ベスト9に選ばれている。
その折のメンバー。

プロに進んだ選手が3人。そのほかにも社会人野球で実績を残した選手も多い。
このシーズン、京都大学は立命と関学からそれぞれ2勝を挙げ、5位になっているが、この4勝はすべて岡村投手が挙げたものだった。
82年の新リーグ設立後、京都大学からは延べ16人がベスト9に選出されているが、投手は岡村英祐投手ただ一人である。
同行した方が私が野球ブログを書いていることを紹介したため、ひとしきり野球談議があったのだが、岡村先生はサイドボードに並んだ本を一冊手渡して下さった。
「これ、私も所属しているスポーツ問題研究会で執筆した、スポーツ関連の法律問題をまとめた本です」
『Q&Aスポーツの法律問題』


岡村先生が所属する法律事務所の代表は、古田敦也の代理人をされるなど、スポーツ法学の第一人者。この方がスポーツ問題研究会を主宰し、アスリートと法律の様々な問題を解決するとともに、社会に提言をしておられる。この本は、研究会で取り扱った事例に基づいてまとめられたものだ。すでに3版。
堅苦しくて、小難しい本かな、と思ったのだが、見出しを見るだけで、興味津々の言葉が目に飛び込んできた
・野球部員の不祥事
・野球少年のいたずらと責任
・テニススクールにおける負傷事故
・球場でのファウルボールによる事故
・スポーツ選手のCM出演
・外国プロチームへの入団
・トレード制度(野球)
・アメリカ、4大プロリーグと移籍の自由
・スポーツ選手のパブリシティ権
・サラリーマンとプロスポーツ選手の相違点
何と、これまで私がこのブログでたびたび取り上げてきたような問題が、法律家の視点で専門的に解説されている。法律上の解釈だけでなく、法律家として、あるいはスポーツ愛好者として、考察が加えられていたり、個人的な意見が述べられたりしている。
我々が、知ったかぶりをして振り回していた法律用語や解釈の本来の意味が理解できる。この本をもっと早く知っていたら、ブログの内容も変わっていただろうと思う。
また、この本は、アントニオ猪木、山口香、青島健太、二宮清純、カズ山本などスポーツ各界の人々がコラムを書いている。これが、お座なりのものではなく、個々の立場からしっかり問題意識を示している。法律の専門家とスポーツの専門家が、視点を変えて、「スポーツと法律」を論じているのだ。
コンパクトながら、非常に内容が濃い。
一言でいえば、面白い!
岡村先生は、プロスポーツ選手のセカンドキャリアについてなど執筆されている。
300ページ足らずのこの本には、今のスポーツを取り巻く諸問題が包括されている。巨大化し、複雑化したスポーツは、様々な面で法律の対象となっているのだ。
これまでも、このブログでは、企業としてのプロ野球や、選手と球団の関係、NPBとMLBの諸問題、故障とキャリアの問題など、いろいろと考えてきたが、これからはこの本を手引きにしていこうと思う。
野球、スポーツを愛する人。そして、スポーツの未来を考える人必携である。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
↓
「岡村英祐」と聞けば、大学野球ファンの方は、聞き覚えがあるのではないだろうか。京都洛星高校時代は京都予選でベスト8、そして関西学生野球では、京都大学のエースとして、2000年の秋のシーズン、ベスト9に選ばれている。
その折のメンバー。

プロに進んだ選手が3人。そのほかにも社会人野球で実績を残した選手も多い。
このシーズン、京都大学は立命と関学からそれぞれ2勝を挙げ、5位になっているが、この4勝はすべて岡村投手が挙げたものだった。
82年の新リーグ設立後、京都大学からは延べ16人がベスト9に選出されているが、投手は岡村英祐投手ただ一人である。
同行した方が私が野球ブログを書いていることを紹介したため、ひとしきり野球談議があったのだが、岡村先生はサイドボードに並んだ本を一冊手渡して下さった。
「これ、私も所属しているスポーツ問題研究会で執筆した、スポーツ関連の法律問題をまとめた本です」
『Q&Aスポーツの法律問題』
岡村先生が所属する法律事務所の代表は、古田敦也の代理人をされるなど、スポーツ法学の第一人者。この方がスポーツ問題研究会を主宰し、アスリートと法律の様々な問題を解決するとともに、社会に提言をしておられる。この本は、研究会で取り扱った事例に基づいてまとめられたものだ。すでに3版。
堅苦しくて、小難しい本かな、と思ったのだが、見出しを見るだけで、興味津々の言葉が目に飛び込んできた
・野球部員の不祥事
・野球少年のいたずらと責任
・テニススクールにおける負傷事故
・球場でのファウルボールによる事故
・スポーツ選手のCM出演
・外国プロチームへの入団
・トレード制度(野球)
・アメリカ、4大プロリーグと移籍の自由
・スポーツ選手のパブリシティ権
・サラリーマンとプロスポーツ選手の相違点
何と、これまで私がこのブログでたびたび取り上げてきたような問題が、法律家の視点で専門的に解説されている。法律上の解釈だけでなく、法律家として、あるいはスポーツ愛好者として、考察が加えられていたり、個人的な意見が述べられたりしている。
我々が、知ったかぶりをして振り回していた法律用語や解釈の本来の意味が理解できる。この本をもっと早く知っていたら、ブログの内容も変わっていただろうと思う。
また、この本は、アントニオ猪木、山口香、青島健太、二宮清純、カズ山本などスポーツ各界の人々がコラムを書いている。これが、お座なりのものではなく、個々の立場からしっかり問題意識を示している。法律の専門家とスポーツの専門家が、視点を変えて、「スポーツと法律」を論じているのだ。
コンパクトながら、非常に内容が濃い。
一言でいえば、面白い!
岡村先生は、プロスポーツ選手のセカンドキャリアについてなど執筆されている。
300ページ足らずのこの本には、今のスポーツを取り巻く諸問題が包括されている。巨大化し、複雑化したスポーツは、様々な面で法律の対象となっているのだ。
これまでも、このブログでは、企業としてのプロ野球や、選手と球団の関係、NPBとMLBの諸問題、故障とキャリアの問題など、いろいろと考えてきたが、これからはこの本を手引きにしていこうと思う。
野球、スポーツを愛する人。そして、スポーツの未来を考える人必携である。
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コメント
コメント一覧
私としても、法律論から「スポーツ界の内部規制ルール」は正当なものか、私なりの考えをまとめてみたかったので、いい機会になりそうです。
岡村英祐の名前は当然知っておりましたが、弁護士として活躍とは素晴らしい!
しかも、唯一のベストナインだったのは、はっきりと知りませんでした。
どちらかといえば、岡村の大学後輩になる、河村浩輔(大阪府立北野高校卒業)や土屋真司(京都府立西城陽高校卒)という、高校時代に有名だった投手の印象がより強かったです。
どこの超一流大学でも、体育会野球部に入ってしまったら、そして中心選手になったら、勉強どころではなくなります。
東京大学卒業でプロ野球選手になった、小林至氏も、現役では北海道日本ハムの松家卓弘も、留年してましたから。
プロ候補まではいかなかったにせよ、真の文武両道です。
文武両道というのはいうのは簡単だが、実践は難しい。しかし、実践している人はたくさんいる。プロゴルファーの坂田信弘さんや日ハムの栗山監督や元ヤクルト古田敦也さん、サッカー界では、宮本選手や橋本選手などたくさんいる。
慶応義塾大理工学部の福谷浩司さんがドラフト1位でドラゴンズに指名されましたね。文武両道ですごいなぁーと思いました。古田敦也さんも大学は有名私立大に一般入試で合格され、文武両道プロ野球選手として、印象が残っています。
ところで、大学ゴルフ界にも文武両道でがんばり、プロで戦える選手が出てきたので、紹介します。
まず、高野隆さんという選手です。彼は、東京大学法学部4年です。新潟県出身で、中、高校時代には日本ジュニアゴルフ選手権競技に4回出場し、文武両道で頑張り 、東大法学部に合格した。日本学生ゴルフ選手権競技には3回出場し、朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権には4年連続出場し、最高6位に食い込む活躍を見せた。さらに、厳しい予選を勝ち抜いて、日本アマチュアゴルフ選手権競技に出場したスーパー文武両道ゴルファーです。
次に、辻田晴也さんです。彼は和歌山県立医科大学の1年です。中学時代には大阪府ジュニアゴルフ選手権2位、関西中学校ゴルフ選手権4位、全国中学校ゴルフ選手権で24位に入った。高校は天王寺高校に進学し、全国高等学校ゴルフ選手権に3回出場し、関西高等学校ゴルフ選手権では最高2位になるなどの活躍。大学は、六大学交流戦では3アンダー69で回り、2位に13差をつけ圧勝し、西日本医科学生総合体育大会では2打差で敗れ2位
最近の若い選手は、強豪私立高校、大学に進学してからプロになる選手が多いだけに、この人たちは異色ですね。楽しみです。
ゴルフ界も野球界に負けずに、将来は文武両道プロゴルファーが誕生するでしょう。