7月31日は、日米ともにトレード期限である。この日を境に、多くのプロ野球選手の境遇が変わる。松井秀喜のNPB復帰の線はなくなった。1865安打を打っている大村直之の2年連続の浪人も決定した。
そして田口壮も「本日、2012年7月31日は、残念ながら野球人生の区切りの日となってしまいました」とブログで書いた。

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イチローと同期。しかし大卒のため4歳上の田口は43歳を迎えた。オリックスでは内野手、外野手として活躍。特に外野では機敏な守備と強肩で鳴らした。イチロー、田口、本西というNPB史上でも屈指の外野陣を形成した。中距離打者として、打撃でも貢献。

イチローの後を追うように、2002年にアメリカにわたり、セントルイス・カーディナルス、フィラデルフィア・フィリーズ、シカゴ・カブスで活躍。ワールドチャンピオンのリングも2チームで獲得した。
イチローのように傑出した選手ではなかったが、フォアザチームに徹し、8年間で672試合に出場。守備で、また代打の切り札として「使える」ところを示した。

NPBの普通の選手がMLBでどこまで通用するか、を身を持って証明した点が大きいと思う。

NPB復帰後も、元気なところを見せていた。昨年はオリックスで一時期3番を打ったりした。

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しかし、チーム若返りの方針もあって、戦力外となり、浪人していたのだ。
今年6月に私は夫人の田口恵美子の本を紹介した。MLB関係の本の中で、最良の一冊だと思う。

田口恵美子『メジャーリーガーの女房』


この本を読むと、ごく普通の感覚を持つ田口壮という人間が、MLBでどのように生きていったか、そしてMLBとマイナーの生活面での格差などが、リアリティを持って伝わってくる。日米野球の差を身を持って体験した貴重なレポートだ。
田口壮は、日米野球のコメンテーターとして、私たちにMLBとNPBの差をリアルに語ってほしい。双方の魅力を紹介してほしい。

願わくば、近い将来、長谷川滋利らとともに、停滞状態にある今のNPBを変革する旗手の一人になってほしいと思う。

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