横浜ベイスターズは、一般の企業でいえば業績不振のために他企業の傘下に入ったようなものだろう。
買収する(投資する)企業が最初にするのは、対象企業の資産価値や経営資源などを専門家の目でシビアに値踏みすることだ。これをデューデリジェンス(デューデリ)という。これによって使える資産、使えないものを仕分けする。かのオリンパスは、企業買収の際にデューデリをしなかったことが問題視されている。デューデリの後に、経営手腕のある人材を派遣して、組織を改め、営業方針を見直すなど、改革を行うのが通例だ。

DeNAは横浜ベイスターズのデューデリをちゃんと行ったのだろうか。そしてその上で、現場のトップたる監督を決めたのだろうか。

中畑清という人選は「企業再建」を前提としたものなのだろうか。また、その部下も「再建のプロ」が選ばれているのだろうか。

他チームに移った選手の声や、記事などを読むと、横浜というチームの昨今の低迷は、単に選手の力量や作戦の良しあしによるものではなく、チーム、企業にこびりついているある種の空気、マインド、文化によるものが大きかったように思う。

たとえば一塁への全力疾走や、バックアップの動きがほんの少しだけ鈍かったり、練習態度が少しだけだらけていたり。そんな小さな劣化が積もり積もって敗北につながっていたのではないか。負け犬、万年テールエンダーとはそういうものだ。

中畑新監督は、そんな企業体質を一変することが出来るのだろうか。負け犬根性を一掃することが出来るのだろうか。あるいはそういう部分は35歳の若い池田純社長が担うのかもしれないが、この人にその機能が期待できるのだろうか。







この横浜DeNAも含め、今年交替した監督は、すべて手腕よりは名前で選ばれた印象がある。日本ハムの栗山英樹監督は、スポーツキャスターとしての知名度はあっても、指導者としての手腕は未知数だ。中日の高木守道監督は、中日一筋の名選手だったが、すでに齢70を超えている。現場を離れて久しく、その手腕もやはり未知数と言っていいだろう。

横浜DeNAも、日本ハムも、中日も、経営陣は、球団の再建、さらなる発展を真剣に考えているのだろうか。どう考えても、目先の賑やかし、世間の受けを狙って監督を決めているようにしか見えないのだが。

大きな話をするようだが、こういうところにも日本経済の低迷の一端を見るような気がする。改革を推進しそうな人物を抜擢し、思い切った手を打つのではなく、無難で責任を問われることがなさそうな人物を起用する。生ぬるい感じがしてならないのだが。

特に横浜DeNAには、独裁と言われながらも大阪を改革しようとしている橋下徹市長のような、破天荒な人物を社長、監督に配するような気概がほしかった。ベンチャーなのだから。

最近とんと目にすることが出来ないが、監督が変わった途端チームがガラッと変化して、連戦連勝をする。
そんな胸のすくシーンを見せてほしいと思う。せめて野球だけでも「希望」を抱かせてほしいと思う。

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